447.ピラミッドへ到着してみた
ピラミッドへ到着した。現実と違って一つしかないのでおそらくここの筈だ。
大きさは現実と同じくらいだろうか? しかし見上げてもテッペンがよく見えないくらい大きい。取り敢えず飛んで上から眺めてみる。
ちなみにこの行動に特別な意味はない。ただ上から見たいだけだ。
「コレはいい眺めね~」
「だね。現実だと無理だしね」
「あ、ポンタあっちも~」
「はいはい」
まぁ当然の如くユウさんとココアは乗っている。なまけものは地上でスイカの見張りだ。仲間外れではない、2人が終わったら交代だ。
「おお〜、これはいい眺めだ~」
「ユウさんと同じこと言ってる・・・」
「マジで!? ヤベェな」
「何がだよ・・・」
そして同じコースをもう一週し、スイカの見張りをしていた2人と合流する。
「よしっ、じゃあ中に入るか!」
「そうは言うけど・・・、何処から?」
「知らん。これから探す」
「上から見た限りだと・・・、中段辺りに開いてるところあったよ」
2回目飛んでる時に、入れそうなところを探していたところ、真ん中あたりに入れそうな窪みが見えた。近寄ってはいないのでそこから入れるかは不明だが。
「あ、そんなところあったの? 気付かなかった」
「ほう。じゃあまずはそこ行ってみるか・・・。な? ポンタ」
「・・・何故肩を叩く?」
「分かるだろ?」
「分かるけど・・・」
なまけものが言いたいのは「見て来い」ということだろう。この大きなピラミッドの中段だ。登るだけでも大変なのは見て分かる。その上そこが違った場合、また降りなければならない。
要は面倒くさいのだろう。だから飛んですぐ確認できる僕に行けと言いたいのだ。
「じゃあ見てくる。当たりならチャットで呼ぶから登ってきて」
「おうよ・・・って、迎えは?」
「ないよ。降りて登るの面倒だし」
「あっ、ちょっ!」
なまけものが何かを言う前に、逃げるように飛翔して向かう。ピラミッドの斜面は4面あるが、その穴は丁度僕らが居た側にあるのでそのまま上がるだけで確認できる。一か所石が積まれていない穴の開いた場所があり、近くに寄るとその穴は下り坂で奥へと続いていた。
「当たりね。乗ってきてよかったわ」
「だね~」
「じゃあなまけに連絡する・・・いや、迎えに行ったほうが早いな。ちょっと行ってくる」
正直登ってくるのを待つ時間が無駄だ。サクッと行って乗せよう。
なまけものも僕が迎えに来ると考えていたようで、登ろうとすらしてなかった。到着すると両手を広げ、
「お~! 心のとーー」
「そういうの良いから」
面倒なので遮り、さっさと乗せて入口へと連れて行く。降りたり登ったり・・・、ロープウェイのような気分だ。
なまけものは僕から降りると、入り口を見て唸った。
「おおっ! 奥に続いているな。だが・・・」
「暗くてよく見えないのよね」
それに対しユウさんが困ったように答える。
明かりが全くないのか少し先すら見えない。夜なのも相まって入口付近以外は真っ暗だ。外は夜でもよく見えるくらい月光で明るいのに・・・。
「ああ。これじゃあ罠があっても回避できんぞ」
「そうよね~・・・」
「でも行かないといけないんでよね~?」
「だね。誰が先に行くか・・・」
全員顔を見合わせ・・・頷く。
「「「「ジャ~ンケ~ン・・・!」」」」
直後、1人の悲鳴が上がった。
次回更新は3日後の予定です