439.別大陸へ移動を始めてみた
なまけ視点
「メシの時間だ」
「メシだー!」
テンション高めで船を走らせる。肩のココアはさらにハイテンションだ。
目的地は情報を得た別大陸。とりあえずまずは現実世界のエジプトへ向かっている。情報の場所とは全然違うが、ポンタが所用で遅れることとなり、一旦そこで合流することとなった。
一応メシ探しだが、エジプトと言えばピラミッド。もしかすると隠しダンジョンがあるかもしれないのでポンタ次第ではその辺りでも情報を集めておきたいところだ。
「はぁ・・・」
しかしそんな俺らと違い、1人テンション低めのユウ。理由は昼間のアレだろう。
「おいユウよ。気にしたって太った事実は変わらねぇだろ? それともポンタにバレたのがまずかったのか?」
「うるさいわね。誰の所為だと思ってるのよ!」
「俺の所為では無いな・・・って、樽投げんじゃねぇ!」
それ程気にすることでも無いだろうに。
どうせポンタのことだから「へぇ~」くらいで何とも思っていないだろう。あいつは鈍感だからな。
・・・鈍感を装っているだけの可能性もあるが。
ぶっちゃけ放っておいてもいいのだが、この状態が原因で死なれると、オアシスまで拾いに行かないといけない。それは困る。
「大体ちょびっと増えたくらいで気にし過ぎだろ。見た感じ変わってねぇじゃんか」
「なまけは馬鹿だねぇ。女の子にとって「太った」は「老けた」と同等のNGワードなんだよっ」
「そういうお前は太らねぇよな。生活リズム悪いのによ。何でだ?」
「秘密~」
ココアは教える気は無いらしい。だが秘密ということは何かしら努力しているのだろう。
「じゃあその秘密の内容をユウに教えてやってくれ。このままだと面倒ごとになりそうなんでな」
「んっ」
お願いするとココアが手・・・いや羽を俺に差し出してきた。羽を見て目を見て、再度羽を見る。
「何だその手は?」
「タダ、じゃないよねぇ?」
こいつ、報酬を要求してきやがった!
「タダに決まってるだろ。先に言っておくが何言われても何もないからな」
「ケチンボッ!」
「ケチンボ!?」
そう言ってココアは飛んでいく。言い方からしてマジで取るつもりだったのか? ボケなのかよく分からん。しかし対応はしてくれたようで、何かをユウさんに伝えていた。
・・・変なことを吹き込んでないと願いたい。
ポンタ :おつ。今からそっち向かう
とそこにポンタからチャットが飛んで来た。どうやら今ログインできたようだ。
なまけもの :うい。了解
ポンタ :もし何かあったら言ってくれ。急ぐから
なまけもの :なら早く来て俺を助けてくれ
ポンタ :了解ゆっくり行くよ。というかちょい遅れる
なまけもの :なんでやねん!?
ワザとか? 嫌がらせか?
しかしポンタからそれ以上返答はなく、大回りして時間を稼いでみたが結局別大陸についても追いついて来なかった。
次回更新は3日後の予定です。