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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第5章 大規模アップデート
433/612

432.【海難】と再戦してみた④

「ココア、ゲットだぜ!!」


すぐになまけものがココアを拾ってその場から離れる。その間に僕は【海難】へと上空から近付く。攻撃がなまけものに向いている間がチャンスだ。さっきと同じ要領で攻撃を仕掛ける。ユウさんもその予定で準備を進める。


「おいっ! HP半分切ってるぞ!」


なまけものが声をかけてくる。そろそろ切り札か、何かしら相手の攻撃の種類が増えたりするだろうから気をつけろと言いたいのだろう。チラッとなまけものをみて「分かってる」と目線を送る。


「違う攻撃来たら後退するよ」

「分かったわ」


今だに【海難】が使ってくる魔法は『アクア・ランス』と『アクア・ウォール』だけ。これだけだと魔法使いとしては魔法の数が少なすぎる。少なくてもまだ2~3魔法はある筈だ。


『!? またか・・・』

「バレたっ!」

「さがっ・・・ううん、突っ込んで!」


ユウさんが攻撃態勢に入ろうとした矢先、【海難】と目が合う。一旦後退しようかと考えたが、ユウさんの指示で突っ込むことにした。この距離だと『アクア・ランス』は回避できるし異論はない。他の魔法だとまずいかもしれないが、なまけものに撃っていたのは『アクア・ランス』だ。急に変わるなんてことは・・・、


『『激流砲』』

「何でやねん!!」


思わず関西弁で突っ込んでしまった。【海難】が僕に向けた杖の先に床の水が集まり、僕でも入れそうなほどの大きな玉を作る。そしてその玉の水がものすごい速さで撃ち出された。速さは『アクア・ランス』よりも全然速く、『アクア・ランス』の速度に慣れた僕では回避しきれない。


「し、『蜃気楼』!」


恐らく一撃死は無いだろうと思ったが、ユウさんに当たるとまずい。すんでのところで使用して躱し、【海難】の後ろへと転移する。そしてがら空きになったその背中を爪で引っ搔いた。


『ふっ、『水化』だ』


しかしこれも躱される。またしても水と化した【海難】は引っ掻いた衝撃で飛び散り床の水と同化してしまった。慌てて何処に現れるのかと首を振って探す。


直後何かが僕を下から貫いた。


「っ!?」

『ふっ、ただ逃げるための『水化』ではないぞ。お前が今転移で背後を取ったように、死角に移ることも容易だ』


貫いたそれは僕を貫通し背中に居たユウさんのHPも少し削ると、形を崩して散らばり、すぐそばに出現した【海難】へと吸収される。それでそれが尖った何かに変形させた【海難】の手だったと知る。


「ポンタっ!」

「平気っ! っとと・・・」


と言いつつ一旦【海難】から距離を取る。その時傷が痛みフラつく。HPは半分近く減っていた。魔法ばっかり使うから物理は弱いと思っていたけど・・・、物理の方が強かった。


とりあえずココアに回復してもらおうとなまけものたちと合流する。


「平気か?」

「平気。それよりもあの『水化』どうしたらいい?」


物理攻撃が強いのも問題だが、『水化』の方が問題だ。ぶっちゃけあれのせいで攻撃が当たる気がしない。

そんな困った僕らを更に焦らすかのように【海難】の杖の宝石がまた一つ光った。

次回更新は3日後の予定です。

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