427.後日再集合してみた①
「おーっす!」
「出たなサボり魔め!」
「帰ったら? 悪化するわよ?」
「か~え~れ~!」
前回の解散から一週間たった金曜夜。集合時間を気持ち遅れてきたなまけものに対し全員で帰れコール。
「そこは快復おめでとうございますだろぉ!」
「そんな優しさが僕らにあるとでも?」
「ちょっと待って。私はあるわよ」
「あたしも」
いや、2人とも無いよね? 一緒に帰れコールしてたじゃん。まぁいいけどさ。
「ふざけるのはこれくらいにして・・・、調子はどう?」
「まぁまぁ。というか熱自体は3日も前に下がってんだよ。会社ルールで出社出来なかったけどな」
「で、遊んでいたと」
「違うわっ、情報収集してたんだよ!」
「一緒じゃん~」
やっぱりというか、まぁ分かってたけどなまけものは休んでる最中もプレイしていたらしい。体調的には問題ないようだし、個人の勝手なので特に咎めるつもりはないけど、
「悪化しないように今日は早めにやめるんだぞ? 病み上がりなんだから」
「何かあったら言ってね。ふぉろーするから」
「看病しよっか~?」
「・・・優しくされると逆になんか怖いな。何か企んでないか?」
「そんなことないわよ。私優しいから」
「あたしも!」
「同じく」
「はっ! お前らにそんな優しさなんてないだろ!」
「「「・・・・・」」」
酷い言いようだ。まぁゲーム内ではそのとおりだけど。
とはいえなまけものが病み上がりなのは事実なので、あまり時間を掛けず、【海難】の居るボス部屋へ直行。ローグは4人でボコり、ボス部屋入口までたどり着いた。2度目なので罠も余裕だし。
「さてと、SG回復中の今の内に情報整理しておくか」
「そう言えば情報収集してたんだっけ?」
「そうだぞ。お前らが必死こいて仕事してる間にな。わはは」
「いいだろ~」と言いたげな顔のなまけもの。隣でユウさんがムッとする。
「腹が立つわね・・・」
「その分有給減ってるけどね」
「違うわポンタ。今回は会社の強制された休みだから有給じゃなく特別休暇になるのよ」
「なん!?」
つまり本当にただの休みだったってことか? それは許せん。てっきり有給使われているのかと思ったが・・・、そうか会社が来るなと言ったら特別休暇になるか。ただで休めるとか羨ましい!
「そういうことだ。体調不良と引き換えに俺は休みを手に入れたのだ」
むむむ、と唸ってるとなまけものは優位に立っているつもりなのだろうか、さらにニンマリする。しかしその顔もすぐにユウさんによって激変した。
「とは言っても働いているわけじゃないから、給料はカットなのよね。当然だけど。だから正式には欠勤」
「なん!?」
なまけものは驚愕の表情。逆にユウさんはあきれ顔だ。
「当たり前でしょ。働いてないんだから」
「でもよ、でもよぉ! 上司はそんなこと言ってなかったぞ! だから給料はーー」
「出ない。経理部はちゃんと給料カットするわよ」
「出ない。総務部もちゃんと規約に書いてるよ」
「ぐはぁ!」
なまけものが倒れた。これ気力的に病気ぶり返すんじゃないだろうか。どうでもいいけど。
「というかなまけ、それで集めた情報は?」
「・・・・・」
だめだ。既に(精神が)死んでいる。
次回更新は3日後の予定です