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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第5章 大規模アップデート
427/612

426.【海難】本体と戦ってみた⑥

「「ココアっ!」」

「まー、待て。問題ない」


慌てる僕とユウさんに対し、なまけものは冷静だ。なまけものは問題ないというが、ガッツリ当たったぞ。


「・・・あら、冷静ね。介錯の準備は出来てるわよ」

「同じく」

「待て待て。アイツはアレある限り俺らの中で一番硬いんだぞ。忘れたのか?」

「いや分かってるけど、流石に壊れるだろ」

「攻撃が氷より硬けりゃな。だが考えろ、水だぞ?」


そう言われると大丈夫そうに聞こえるが・・・。


[ココア DEATH]


「死んでるじゃない!!」

「何でぇ!? 威力的に大丈夫だろっ!?」


確かに威力的にはココアでも耐えられる筈。しかしそれは通常状態でだ。さっきのココアはなまけものによって猛スピードで突撃している状態。


つまり、


「そのスピード分威力が増したんじゃないか?」

「ついでに相手の魔法、カウンター扱いになったかもね」

「・・・・・」


なまけものが崩れ落ちた。どうやらそこまで考えてなかったようだ。しかし氷で覆われているので多少は威力が落ちる。だからその条件でも一撃で死ぬとは思えない。


まさかとは思うが・・・


「ユウ。ポンタ」

「ん?」

「何?」

「介錯してくれ」


ユウさんと顔を見合わせる。ユウさんが頷いたので僕も頷いた。


「「はいはい」」


とは言っても僕らではなまけものへダメージを与えられない。適当に【海難】の前へ放り投げる。目を丸くするなまけものに僕らは手を振る。


「・・・おい」

「んじゃあと宜しく」

「先帰るわね」


僕とユウさんは離脱する。死亡判定になるがどのみち一緒だ。ココアを追うために急ぎオアシスへ転移した。

なまけものがその後どうしたのかは知らない。


「いや、1人捨ててくなよ!!」

「離脱したのかい」

「あれぇ? みんな戻ってきたの?」


オアシスに戻ると、すぐに後を追ってなまけものが戻ってきた。そして意外にもココアはさっぱりした状態だ。てっきり憤怒状態かと思ったのだが・・・。


「いやもぉ眠くて眠くて・・・」

「ほう」

「で、もう今日いいかなぁって思って・・・」

「ほう」

「だからワザと死にました」

「おい!」


やっぱりか・・・。

話を聞くとワザと『氷体操作』を解除してダメージを受けたらしい。元々全体的にステータスが低いココアはそれであっさり死んだらしい。あの状態でも睡眠を優先するのはココアらしいな。


「おい、じゃあなんだ? 俺の切腹は冤罪だったと?」

「してないじゃん切腹」


速攻離脱しておいて何言ってるんだか。

視線を向けるとなまけものは、遮るように大きくため息をついた。


「はぁ~あ、折角あそこまで行ったのによ~」

「時間が悪かったわね。というより時間がかかり過ぎたわ」

「そうだな。ちょいだれてたな」

「いつもじゃない」

「・・・それもそうか」


急に疲れが出たのか、なまけものの元気が急激に減ってきた。電池の切れかけみたいだ。

若干不完全燃焼の状態だが、今日はもう無理だろう。


「じゃあ今日はこれで」

「「「「お疲れ様」」」」


そう言って皆ログアウトした。

次回更新は3日後の予定です。

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