411. ローグと戦ってみた②
『ふんっ!!』
「『火炎』!」
吐き出した炎と長槍がぶつかる。しかし炎は物質では無いので槍を止めることなく飲み込みローグへと向かう。逆に長槍は勢い変わらず炎を突き破って僕の方へと飛んでくるが、飛んでくる位置はローグが投げる時に僕が居た位置になるので、僕一人分横にずれて避ける。
避けた後に相手を確認すると、ローグも軽くバックステップを繰り返して炎の範囲から逃れていた。
「もう少し速度の速い攻撃にしないと、この距離だとタイミング合わせても避けれられるか・・・」
相手が攻撃動作に移る直前に攻撃して相手が攻撃動作中に当てるのが理想だが、そこまで相手の攻撃が読めるわけではない。なので攻撃動作に移ったのを確認しての攻撃になるが、やはり攻撃動作に避けられてしまう。
とはいえ見る限り結構ギリギリのようなので、『溶解液』と『スケイルショット』も含めて何度か試してみる。しかし結果はほぼ変わらず。やはり速度が遅い攻撃だと間に合わない。弾速が一番早い『スケイルショット』だと相手にかすりはするものの、ダメージ量が小さすぎてこれでHPを削りきるにはSGが足りない。あと『スケイルショット』は物理の為、長槍と交差する際に一定量が弾かれる。
そして攻撃タイミングをミスると現状のように長槍が体に突き刺さる。
「HP満タンなら3撃まで耐えられるか・・・」
HPを見て威力を確認し終え、『強再生』を使い回復。刺さった長槍はローグが再度『生成』すると同時に消えていた。どうやら『生成』出来るのは1度に1つだけのようで、複数同時攻撃を心配する必要は無さそうだ。
「この距離は分が悪いかな」
こちらの攻撃は威力、命中に難ありだが、相手は正確な攻撃を4回当てるだけで勝てる。このままこの距離を維持しても相手に分があるのは明白だ。かといって距離を詰めた近接戦闘は今以上に分が悪すぎる。タイミングを見てヒットアンドアウェイを繰り返すしかない。
タイミングは・・・さっきと同様相手の攻撃する瞬間だ。
頭の中で行動をイメージし、相手の出方を伺う。焦る必要は無い、1~2撃程度ならミスっても死なないからね。
『ぬぅん!』
「来たっ!」
槍投げモーションを見て突撃。少し斜め前に移動しつつ体をねじって飛んでくる長槍を避け、一気に距離を詰める。さっきまでの行動からローグは投げた後、次の攻撃前に『生成』を行う。その長槍が再度出現するまでのわずかな時間が攻撃タイムだ。
「スタンプ攻撃っ!」
詰め寄ったスピードのままローグを踏みつぶそうとするが、当然ローグはバックステップで回避する。これは予測していた。恐らくこのまま2~3回バックステップで距離を取って『生成』を行うだろう。
『・・・『生ーー』
「だよねっ! 『スケイルショット』!」
予測通りの動きをしたローグに対し、『スケイルショット』を放つ。『生成』中ある程度集中するのか、多少の移動が出来てもバックステップなどの動きはしない。なので『スケイルショット』をショットガンのように少し広範囲にばら撒いた。
『スケイルショット』はローグへ当たる。しかしすぐさまローグが生成した大盾によって弾かれた。しかも反射機能でもついているのか、当たった『スケイルショット』がそのままこちらに跳ね返ってきた。
「なっ!?」
てっきり長槍を生成するかと思い込んでいたので驚くが、何とか『縮地』で跳ね返った『スケイルショット』は回避する。『スケイルショット』の速度は落ちていないので威力も同等だろう。長槍よりも対(たち?)悪いぞあの大盾。
次回更新は3日後の予定です




