409. 遺跡に入ってみた④
「『溶解液』! ・・・あ、駄目だわ」
「『ファイアxファイア』」
『溶解液』を弾き飛ばして迫りくる岩をなまけものが破壊する。
なまけものと合流した少し後からトラップの種類が変わった。今までのような周囲を警戒すれば回避できるタイプから壊さないと死ぬ、又は進めないタイプへと変化したのだ。今も下り坂を下りていると後ろから丸い大岩が転がってくるベタなトラップだったが、避けるためのスキマや窪みなどなく確実に轢き殺しにきてた。
しかしその反面、トラップの数は減ったので気は少し楽になる。気を付けたところでトラップは発動するので、確実に破壊さえできるよう意識すればトラップを探したりする必要は無い。
「その分無駄にSG減るけどな。流石に少しトラップのペース落としてもらわないとボス戦が不安だぞ。ユウ、もう少し任せてもいいか?」
「いいけど限界あるわよ。私剣では弾けるものしか対応できないんだから」
「それでいい。デカいのは俺が壊す。というかボウガンとかよく壊せるよな。避けれても斬れんわ流石に」
「慣れると簡単よ。流石に銃弾なみに速いと無理だけど」
「それ出来たらもう達人だろ・・・」
僕からしたらボウガンで飛んでくる矢を弾いている時点で達人レベルだと思うけどね。
現在の隊列はボウガンなどの射出トラップに対応できるユウさんを先頭に、すぐ後ろを破壊担当のなまけもの、そして後方からの罠の盾として僕が居る。ココアは回復薬なのでいつもの定位置、なまけものの頭の上だ。
まぁ盾と言ってもさっきのような転がってくる大岩など受け止められるわけもないので、基本後方から来るトラップ破壊担当である。
しかし後ろから来るトラップに限って僕のスキルでは壊せるものがほぼ無い。
「パワーあるスキル欲しい」
「飛べて、回復出来て、中距離スキルから射つ、溶かす、燃やすが使えて、その上毒の状態異常にも出来るお前に攻撃力の高いスキルまで付けてみろ。立ち回り次第ではBANされっぞ」
「そう聞くと強いように聞こえるけど・・・」
使ってる身としてはそれほど強く感じない。近距離戦闘は弱いし、スキル無いとほぼ無力。ステータスも平均的で吐出しているものは無い。
「僕の使い方・・・戦い方が悪いのか?」
「そうだぞ」
「・・・なら今後は誰も乗せずに戦うか。乗せて戦うのとどうしてもサポートに回っちゃうしね」
チラッと前を歩く2人を見て呟く。2人が即座に反応した。
「「それは駄目」」
「そう言うと思ってたよ!!」
はぁ・・・。
今度1人プレイで練習しよう。あと誰も乗れない小型化への進化を急がねば。
そろそろ良さげな進化先出てきてもいいと思うんだけどなぁ・・・。行動が足りないのかなぁ。
「・・・お、ポンタ。面白いのがあるぞ」
「ん? 何?」
なまけものが指さす方に何やら石を積んだだけの台座のようなものが、円形の広場の中心に置いてある。台座が何なのかは分からないけど、円形の広場で察した。
「戦闘か?」
「だな。折角だし練習がてらやるか?」
「・・・そう言ってただSG節約したいだけだろ?」
「バレたか」
「私がしてもいいけど・・・練習したいのなら譲ってあげるわ」
「だから普段は乗せろということ?」
「バレちゃったか」
「・・・・・」
2人をジトっと見ると、2人は「「まぁまぁ」」と言いながら僕を台座の前へと無理やり押し出した。
次回更新は3日後の予定です