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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第1章 初VRMMO
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40・溶解液について聞いてみた

「おーい、先行くぞー!」

「もうちょっと遊びたい!」

「・・・あれは言っても無駄だから、飽きるまで待つしかないわね」

「そうなの?」

「ええ。言い出したら聞かないのよね・・」

ココアは魔物が少なくなったところで急に湖に飛び込み遊びだした。どうやら僕たちの系統の話を聞いていたらしい。本人は水系統になろうとしているのか、他の魔物と同じように泳いだり潜ったりしている。

以降何度かなまけものが声をかけるがココアはずっと遊び続けている。

ユウさん曰く、言っても無駄らしいので僕たちはココアが飽きるまでそこに留まることにした。幸い周囲には冒険者がいるので、そいつらでレベル上げをする事にした。


「ポンタ強いわね。私と倒すスピード同じじゃない」

「効率のいい倒し方を見つけたんだ。複数だと駄目だけど、単体ならこれが楽」

「てっきり『溶解液』で溶かして倒すのかと思ってたわ。使わないのはやっぱり威力が低いから?」

「逆。強すぎて色々見えたから自主規制」

「そうなの? どれくらい?」

「内臓とかは見える。年齢制限のあるグロ映像並みにはあるかも。僕となまけものは大丈夫だったけど」

「なら私も大丈夫ね。内臓程度なら魚とか捌く時に見てるから」


それで大丈夫と言われても・・・

でも大丈夫というなら一度見てもらった方がいいかな。


「じゃあまず足から狙ったらどうだ? そこなら見えても骨と筋肉だからな」

「まぁそこからなら」


なまけものから提案され、とりあえず足を狙ってみる事にした。

丁度ソロの冒険者が前から来るので狙って撃ってみた。


「『溶解液』!」

『ぎゃあああ!』


無事冒険者の左足にヒット。冒険者の悲鳴と共に左足の先が溶けて消える。溶けたところを見るのは2度目だが、これモザイクかけれないのか?

しかしユウさんはそんなに気にならないみたいだ。


「これだけ?」

「え? そうだけど?」

「じゃあもう一回お願い。この辺ね」


ユウさんが痛みを堪えている冒険者の腹あたりを指して円を描くように回す。

言われた通り、その場所に『溶解液』を当てる。


『ぎゃあああ!!』

「この程度なら大丈夫ね」

「マジで?」

「何が大丈夫なの?」

「あ、ちょっ!!」

「これ、ココアは平気? ポンタの『溶解液』当てるとこうなるらしいんだけど・・・」


僕たちが集まっている事が気になったのか、ココアが来てなまけものの頭に止まる。慌てて隠そうとしたが、その前にユウさんがココアに見せて説明してしまう。ココアはじっとモザイク必須部を見て唸る。


「全然平気。というかこれくらいなら漫画の方がよっぽどリアルだよ?」

「マジで!?」


最近の漫画ってそんなにリアル描写なのか? それともココアが読んでいる漫画がそうなのか?


「かなりグロいと思うんだけど・・・。みんな平気なんだな」

「これくらいでグロいとかないない」

「そうね。それどころかリアルでもないし」

「ん? リアルじゃない? こっちだと人体模型以上にリアルなんだけど・・・」

「そう? 私はこれが肝臓かな?って考えないと分からないくらいデフォルメされているけど」

「あたしも」

「もしかしてポンタさ、設定で[リアル描写]にしてないか? それにしてると日本の規制に引っかかりそうな描写になるぞ」


え!? そんな設定あるのか!?

慌てて設定画面を開くと確かに[リアル描写]がオンになっていた。すぐ傍にある[血描写]はオフなのになぜこれだけオンになってるんだ?。

特にオンにする意味は無いのでオフに切り替える。すると一瞬目の前が真っ白になり、また見えるようになった時にはあのグロテスクな内臓はデフォルメされた形状に変わっていた。

これなら全然大丈夫だわ。


「何故かオンになってたし切り替えた。これで直視できるわ」

「俺もオンになってたから前設定いじってた時に切り替えたんだが、やっぱりヤバいか?」

「結構ヤバい。テレビではモザイクかかるレベル」

「面白そう! ちょっと見てみよ」

「止めときなさい。多分気持ち悪いわよ」

「大丈夫だって。えーっと[リアル描写]・・[リアル描写]・・・あ、あった。てことでオンっと・・・・・ゔぁあああ、キモぉおお!!」


ココアは違う方向を向いて設定を元に戻したようだ。何故わざわざ見たがるんだ。


「あれは駄目、マジで駄目」

「だから止めときなさいって言ったのに・・・」


ユウさんがココアを湖の傍に連れて行った。風景を見せて落ち着かせるようだ。

僕達もユウさんに続いてーー


『・・・早く・・・倒して・・・』

「あ、ごめん」


『溶解液』を当てた冒険者の事忘れてた。消えてないってことは生きてたんだった。

彼には聞こえてないが、謝って止めをさしておいた。



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ただの拷問で草
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