407.遺跡に入ってみた②
ドゴォオオンン・・・
「「「・・・・・」」」
目の前に大きな何かが降ってきた。そしてそれは先頭で後ろ歩きしていたなまけものを一撃で屠る。あまりの一瞬の出来事に僕らは言葉を失った。
数秒後、降ってきたその何かは、何事もなかったかのように上へと上がっていき、何事もなかったかのように、さっきと同じ空間がそこに広がる。
ただ一部の地面だけが真四角に少し凹んでいた。
「・・・ここ通ると潰される罠のようね」
「みたいだね」
ぱっと見でも分かりやすい罠の痕跡。しかしなまけものはそれに気付かなかった為、あっさりとオアシス送りにされてしまった。
「どうしようか・・・」
「待つの? なまけ戻ってくるの時間かかりそうだけど」
「うーん・・・、そうなるかなぁ。ボス戦なまけ居てくれないと不安だし」
オアシスの場所からここまでだとそれなりに遠いし、洞窟に入ってからの移動もある。戻ってくるのは時間かかるだろう。しかし此処が【海難】に関連した遺跡であれば、ボスは十中八九【海難】に関するボス、つまり水属性のボスになるだろう。そうなるとユウさんの戦闘力は下がるだろうからなまけものには居てもらいたい。
とはいえこの待ち時間は無駄だ。
少し考え、
「周り探索しつつ先進もう」
と決めた。
罠を避けながらの移動は時間かかるから、ゆっくり移動しているとどこかでなまけものに追いつかれるだろう。なまけものには気付いた罠を連絡しておけば、むこうはスムーズに来れるだろうし。
「そうね。引っかかるたびに死んでたら先に進まないし。ココアもそれでいい?』
「あたしはどっちでもいいよ~。どうせどれが罠かわからないし~」
「そもそも調べる気ないでしょ。じゃあココアは見つけた罠をなまけに連絡する係ね」
「え〜! やだ!」
「全部ココアが見つけたことにしていいから。それならいいでしょ?」
「しょうがないなぁ~」
「なんでその提案だとOKになるの?」
「「なまけにドヤれるから」」
「・・・それだけ?」
いつもドヤってる気がするけど、まぁ僕にデメリットは無いし、ココアもそれでいいのならいいや。
変に意見するのはやめておこう。ココアのやる気が下がるとやってくれなくなるだろうし。
とまあそんな感じで役割を決め移動を始める。僕とユウさんで周囲を警戒しながら進もうとするがまず最初はなまけものが死んだこの罠。左右に凹みのない部分があるので先頭の僕が歩いて危険を確かめ2人が続く。
「・・・聞くけど、なんで僕が先頭?」
「男でしょ?」
「よろしくね~」
「・・・・・」
2人から「当然でしょ」と言わんばかりの返答。2人の雰囲気から拒否権はなさそうだ。
・・・まぁ今更か。
それよりこの2人もトラップの可能性があるのでそっちを気をつけないとね。
「・・・ふぅ。ここまでは平気かな」
周囲の安全性を確認して、少し休憩しよう。
移動を開始してから10分程経った。周囲を気にしつつの移動は神経を使うので疲れる。2人にいったん休憩しようと促してその場に座った。そしてなまけものの状況も確認。
なまけものからのチャットによると、オアシスから向かっているため少し時間がかかるようだ。とはいえもう少ししたら洞窟に入れるそうなので、それほど時間はかからないだろう。それでも僕らに追いつくには早くても10分近くはかかるだろうけど。
大体の進み具合から遺跡の半分以上は進んでいる気がするので、これなら5分くらい休憩してもボス前までに追いつかれることは無さそうだ。
次回更新は3日後の予定です