404.潜水艇に乗ってみた③
「左っ! 左っ!! 左来てる~!」
「右からも来てるよ!」
「上にも何かいるわよ!」
「「「なまけ!!」」」
「うるせぇ!!」
やはり海の中は危険だった。
冒険者の亡霊のような影の敵。沈んだ古代遺跡っぽいものの防衛装置。サメ。全てがこちらを攻撃してくる。
そしてそれら全てをスイスイと躱すなまけもの。
「ふふははっ。当たらん、当たらんよ!」
「・・・やるわね」
「ねー? なまけのくせに〜」
「俺のくせには余計だ。まぁコレがスター○ォックスで鍛えた俺の腕よ!」
「「?」」
「また懐かしいものを・・・。2人とも解ってないよ」
取り敢えずローリングするなとは言っておく。相手の攻撃も弾けない上、ただ船内がカオスになるだけだ。
「流石ポンタ。3DS?」
「64。親が持ってた」
「まじかよいいなぁ。俺3DSだわ。まぁこっちリメイクだから内容はほぼ一緒だけど元もやりたかったわ」
「今度家から持ってきとくよ。対戦しようぜ」
「マジでぇ!!? いよっしゃあ!!」
そこまではしゃぐことではないと思うんだけど・・・。
取り敢えず何処しまったか思い出しておかないと。
「ちなみになまけはどこが好き?」
「ラスステ一個前。あ、特殊ルートの方な。そっちは?』
「列車んとこ。名前は忘れた」
「あー、あそこもいいよなぁ・・・」
「だろう?」
もうあんまり覚えてないので、印象の濃かったステージしか分からない。なまけものと2人でしみじみってるとユウさんがため息混じりに思い出を終わらせる。
「どうでもいいけど攻撃当たらないでよ。それとあそこには行けるのかしら?」
あそことは古代遺跡っぽいところの入り口のような穴だ。暗闇のような奥があり、入られないようにと防衛装置が周囲にあって近づくと撃ってくる。どうするか悩んでいると、そこにサメやら敵が寄ってきて逃げ回る現状ができている。
なまけものはなんとかその奥へ行こうと色々ルートを探すが、どのルートでも防衛装置が反応して近寄れない。頑張って近寄っても多数のレーザーをクロスしたバリアみたいなものを張られてはいる事すらできない。
「駄目だっ。この機械にバレると入れん。一旦海上に戻るぞ」
「了解」
なまけものの判断で一時退却。サメや影の敵は一定深度よりも浮上すると追ってこなかったので一旦逃げ切ることに成功する。
海上に出ると、僕らは密度の高い船内から我先にと飛び出て潜水艇の上に転がる。
少しの間、日差しの明るさと温かさを満喫(ココアはすぐに寝た)しつつ、
「さて、どうしたものか・・・」
「なかなかの防御よね。あの遺跡やめる?」
「どうしようもなければな。だがポンタが聞いた話だと【海難】ってどこかで儀式か何かで無敵になったんだろ? ああいう遺跡って怪しくないか?」
「確かに」
「そう言えばそこに【海難】の肉体があるって言ってたな」
「だろ? となれば【海難】的には襲われたくないわけだ。だから防衛機能つけてるんじゃないか?」
「「確かにっ!」」
ニヤリとするなまけもの。確かにそんな気がしてきた。
しかしなまけものはすぐに渋い顔になり、
「だがあの防衛は流石にやりすぎだよな。何処から入っていいか分からん。というかどういう感知してんだ? 何処から近付いても、隠れて近付いてもバレるんだが・・・」
「ほい。一応あの遺跡の周辺録画しといたよ。取り敢えずこれで探そう」
そんななまけものに僕はデータを渡す。
なまけものはしばらく受け取ったデータを見て呆然としつつ、
「神か?」
「そうだぞ。だから崇めてもよいぞ」
威張ってみたが、スルーされた。
次回更新は3日後の予定です