394.レンブラントと戦闘してみた③
『フヒッ、ヒヒッ・・・。痛い・・・痛いですよ。どういうことですか? このネツィア一の頭脳を持つ私を蹴る? もし私頭脳がおかしくなったらどうするんですか? それがどれほどの損害になると? 許せません。許せませんねぇ! どうやら本気で! 私を! 怒らせたようですねぇえ!!』
「あら? 当てどころ間違ったかしら?」
「元からおかしいしいいんじゃない?」
なんか怒りだした。
禿げかけている頭をガシガシと掻き散らしこちら、というよりもユウさんを睨んでくるレンブラント。しかし口元はニヤニヤしたままなので凄い気持ち悪い。
「うわっ・・・、こっち凄く見てくる」
「ユウさん標的にされたっぽいね。じゃああと頑張って!」
「ちょっと待って!? ここで1人にするのはおかしいでしょ!」
「いやだってあれ・・・」
「私も嫌よ」
レンブラントは白衣を脱ぎすてる。中は何年洗っていないのかと突っ込みたくなるくらい汚い服で、書き散らした頭と合わせて一気に汚部屋に住んでいそうなおじさんへと早変わりした。もう生理的NGだ。
「うわぁ、台所のGくらい見たくない感じになっちゃった」
「もう精神攻撃だよねあれ・・・」
僕らは一旦距離を取る。レンブラントへ近付きたくない気持ちが増大していく。ぶっちゃけ潜水艇なかったら即逃げたいくらい関わりたくない。
が、地獄はまだ終わらない。
『魔鏡よ! 私を写せ。『写し身』』
「「うわぁあああ」」
レンブラントが大量発生した。
手に持った透き通った板を自身にかざした途端、爆発的に増えた。どうやらあの透き通った板、魔鏡がに写ったものを増やす能力のようだ。分身は前にも名前忘れたけど老執事の人が使ってたのでスキル的にはあってもおかしくはない。ただあの時はHPを分割して分身したのに対し今回は単純に増えた。
あと数も全然違い、数えたくないが20~30人は居そうだ。
エコーがかったようにフヒヒッ、フヒヒッと耳障りな笑い声が室内中に響く。
「1匹見たら30匹はいるって本当だったんだ・・・」
「止めてよ、それは迷信だって信じてるんだから! というかどうするのよあれ!」
「知らないよ!」
取り敢えず逃げた。
『火炎』でバリケードを作りつつレンブラント達から距離を取る。こういう時に限って飛べないのがすごい辛い。
『逃がしませんよぉ!!』
「うわっ来たぁあああ!」
しかしすぐに消えてしまう『火炎』のバリケードはあっさり突破され、数十人のレンブラントが寸分の狂いなく追ってくる。キモいなんてもんじゃない。もう怖い。
そしてすぐに部屋の隅へ追い込まれる。
「今度からGをレンブラントって呼ぼうかな」
「止めてよ! Gも見たくないのに、レンブラントも思い出しちゃうじゃない!」
『フヒヒ、もう終わりですねぇ。まぁ私が本気だせばこの通りですよ』
「喋らないでくれる!? エコーがかって気持ち悪い!」
『おや? まだ威嚇する気力はあるようですね。では・・・』
ユウさんが文句を言ったことに反応したレンブラント達は持っていた銃、魔晶砲機を向ける。1人の攻撃でも当たる僕だ。数十人からの攻撃なんて避けるなんて不可能だ。
次回更新は3日後の予定です