392.レンブラントと戦闘してみた①
『おやおや、低知能な魔物が私の傑作に触らないで貰えますか?』
そんな声が聞こえた後、バァン!!と扉の閉まる音があたりに響く。しかし僕らは無視して潜水艇を動かそうとする。
まぁ予想はしてたけど動くことは無かった。
『無駄ですよ。所有権は私にありますからね。あなた方では起動すらできないですよ』
「駄目か・・・。やっぱりやるしかないのか。ここ飛べないしやりたくないんだけど」
「ふふふ、じゃあ私に任せてもらっていいわよ」
「それ言う時のユウさんってミスること多いからフォローするよ」
「そういう時は何も言わずにでさり気なくフォローしてほしいかな。減点よ」
「減点!?」
驚いた風に言い返すが、まぁどうでもいいことなので気にはしない。
取り敢えずユウさんが若干不機嫌になったのは分かったけど、この程度なら戦闘中に元に戻るだろう。
『それに仮に起動できたとしても、ここから出るための扉を私の生命ロックしてますからね。私を倒さない限りは出れませんよ』
「因みに減点されて残りどれ位?」
「うーん・・・そこまでは考えてなかったわね・・・。というかそろそろ絡んであげたら?」
「絡んでもこちらの言葉通じないし・・・」
何やら自分を倒さないと潜水艇は手に入らないどころか、ここから出ることも出来んぞみたいなことを言っている。このままスルーしてたらどっか行ってくれるかなとちょっと考え始めたが、相手が何やら銃のようなものを取り出したので諦めた。潜水艇に当てられると困るので、ユウさんと一緒に降りて少し離れる。
『おやおや、どうやら低知能の割に潜水艇のすばらしさは分かるようですねぇ。まぁこちらとしてもアレは大事なものなので壊したくはありませんので安心してください』
「いい加減殴っていいかしら?」
「いいと思うよ」
気持ち悪いニヤついた顔で、こちらを馬鹿にした言葉は流石に不快だ。見た目も自分の研究の為には何でも好き勝手やりそうな感じの悪い学者っぽく、消してしまった方が世の為になるだろう。
因みにマーキングすると科学者のレンブラントと表示されてた。職業も見たまんまだ。
まぁそんなことより、
「「死ねぇ!」」
先手必勝。2人がかかりで左右から攻撃を仕掛ける。
相手の攻撃方法、というか武器は右手に持ったハンドガンの形をした何かのみ。世界観的に銃ではないと思うが、この街の発展状況から察するに魔法を使った射出系の武器だろう。
『すぐ暴力・・・、やはり低知能ですねぇ!!』
「!?」
レンブラントとは手に持った銃擬きをユウさんへと向ける。すると推測通り先端から青いレーザーのようなものが放たれユウさんを襲う。しかしユウさんは軽く体を捻ってすれすれで躱しつつ攻撃モーションへと移る。一応あれがどういう物かはユウさんにもさっき伝えてはいたもののよくもまぁああも軽々躱せるものだと感心する。僕なら片足をくれてやっていただろう。
『避けますかっ! ならこれなーー』
「『炎撃』」
『『魔晶結界』』
相手が次の動きをする前にユウさんの一撃がレンブラントの首に当たった。しかしレンブラントは首が飛ぶことどころか傷一つ付かない。そもそも剣が当てたところで止まっている。スキル名からして防御用の結界か。と言うかまた結界か!
『防いだだけではありませんよ!』
「!?」
その言葉と同時にユウさんは大きく吹き飛ばされた。
次回更新は3日後の予定です




