34・通報してみた
「おい! 今のチートだろ! オンラインゲームでチート使うとか死ねよ!」
「どれがチートだ? 一応言っておくが一切使ってないぞ」
なまけものにぼろ負けしたスライム達は、復活するなりなまけものに向けて「チート、チート」と連呼している。勿論、さっきの決闘も無効だとか言い出した。
対してなまけものは何か別のものを見ながら聞き流している。
「使ってるだろ! スケルトンが何で魔法使えるんだよ!!? 魔法使えるのは人間だけだろうが!」
「あと、ダメージも受けないようにしてるだろ!! あれだけ攻撃されて無傷とか絶対おかしいしな!!」
「どこ情報か知らんが、魔法は魔物でも使えるし、無傷なのはお前らの攻撃力が低すぎるせいだ。大体スケルトン種はスピードが遅い代わりに防御力が高い。格下スライムの攻撃なんて効くわけねぇだろ」
「お前の方が格下だろうが! チート使っといて格上気取りとか馬鹿じゃねぇの? 頭悪すぎ」
「そんな頭でよく今まで生きてこられたな。もうこの先生きていけねぇから早く自殺した方がいいぞ」
「ふーん。確かに自炊出来んし、外食とか出来ないと死ぬかもしれんな」
「は? それ以前にお前の頭おかしいって言ってんだよ!」
「こいつおかしいことが分からないくらいおかしいんだって」
「ああ、そういうこと。もう早く死んだ方がいいよな」
スライム2匹はなまけものに向かって暴言を吐き続ける。
この同じ事をただ言い続ける、自分の分からないことは全部チート、自分に都合が悪いことを言われると頭悪いとか言ってごまかす・・・相手はただ子供のようだ。
このゲーム一応18歳以上なんだが・・・
にしてもさっきからチートチート煩いな。
「そんなにチート、チート言うなら通報すれば? そしたら運営が対応するだろ?」
「はぁ!? 通報とっくにしとるわ!! 馬鹿じゃねぇの?」
「あ、そう」
コイツらウザいと思ったやつ、片っ端から通報する系の奴らかな。
「お前通報されたって」
「いいよ。こっちも通報しておいたし」
「「は?、何で俺らがーー」」
消えた。
何か言いかけてた所で2匹のスライムは目の前から消え去った。何が起きたんだ?
「垢BANされたんだろな。決闘前から全部映像録画しておいて、それ運営に送ったし」
何かしてると思ったら通報してただけか。
よく録画とかしてたな
「最初会った時、やばいと思ったからな」
「流石。それにしてはBAN早すぎない?」
「元々あいつらへの通報が多かったんだろうな。多分最低でもこのサーバーにはもう入って来れないし、放っておいてもいいだろ。それより試し撃ちに早く行こうぜ」
「そうだけどユウさんが終わったら連絡してとか言ってたぞ」
「お、そうだったな。じゃあ合流してからにするか」
僕らはチャットを送り、2人を待つことにした。
後日なまけものから聞いたがあのスライム達はネット上に晒されている程の迷惑プレイヤーだったようで、運営から、彼らのアカウントの1年間完全停止の連絡があったらしい。
俺も気をつけないと。