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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第5章 大規模アップデート
346/612

345.なまけものと地下世界へ行ってみた

「押すなっつったよな!?」

「いやあれは流石に振りだろ?」


なまけものが飛び込んだ後に続いて僕も飛び込むと、地下世界でなまけものが突っかかってきた。

見物してた他のプレイヤーも落ちた時は皆いい反応してたから、あれが最適解だった筈。


「地下世界へようこそ」

「落としといてよく言えるな! てかさっきインフォで聞いたわ!」

「知ってる。あっちにオアシスあるからとりあえず登録しておけば転移できるよ」

「おっ、マジか」


さっさと話題を変えて、とりあえずオアシスに連れて行く。そこでさっきの人を見かけた。

近付くと向こうもこちらに気付く。


「何だ? また穴から来たのか?」

「知り合いが居たので連れてきた」

「正確には落とされたんだがな」

「どうせ入るのにビビッてたところを押されたんだろ?」

「ビビってねぇし!!」


いやあれはビビってたね。


「まだここに居たんだ。対戦は?」

「してねぇ。良い相手居ないんだよな」

「相手しようか? こっち2人だけど」

「やるわけないだろ」

「だよねぇ」


当然のように断られたので尻尾を振って別れる。


「知り合いか?」

「さっきちょっと地下世界について少し教えてもらった」

「はぁーん。気軽に話してたから知り合いかと思ったわ」


教えてもらったことをなまけものにも共有しておく。その上で今後どうするかを決めた。


「じゃあとりあえずはプレイヤー回避で冒険者狙う方向で行くか。ガチ勢ばかりだと流石に勝てねぇし、まずはスキル無しでの戦闘に慣れるところから始めようぜ」

「おけ、と言いたいところだけど、なまけスキル無かったら魔法も撃てない弾切れ砲台にならないか?」

「勝手に言葉作るんじゃねぇよ。魔法は魔法であってスキルじゃないから撃てる。ただ『魔法融合』使えないからエッジ系しか撃てんけどな」

「しょぼ砲台か」

「しょぼ砲台とか言うな。確かに他の魔法使う系魔物に比べるとしょぼいけどさ」


なまけもののスキル構成がこの地下世界に向いていないのだ。こればっかりはしょうがないとなまけものは言う。


「だが逆に考えると撃つ回数が増える分、かなりの魔力UP狙えそうだし悪いことばかりじゃない。ポジティブに行くぜ」

「だな。作戦どうする?」

「そうだな・・・。ポンタはどのステ上げたいんだ?」

「スピードかな。攻撃力も欲しいが、近接しないしなぁ」

「ならいつも通りで行こうぜ」

「いつも通り?」


疑問に思った瞬間、なまけが乗ってきて理解した。あーはいはい、いつも通りね。


「避けるだけでいい?」

「基本はな。魔法当たらなかったらフォローしてくれ」

「うい」


方針も決まったので、適当にその辺を歩いている冒険者を狙う。地上同様上空からの踏みつけ奇襲⇒逃げつつなまけものの魔法攻撃の手順で行う。が、地下世界の相手は地上よりもワンランク強いようだ。

マーキングもせず見た目だけで選んだのがまずかったかもしれないが、地上なら一撃で1人は屠れる踏みつけでも死なないし、なまけものの魔法の効き目も薄い。


「やはり初期レベルの魔法じゃ効かんか」

「倒すのに大体1人5発くらい撃ち続けるしかなさそう。とりあえず旋回しつつ一定距離保つわ」

「分かった。スキ出たと思ったらポンタも攻撃してくれ」


互いに意見し合い、戦闘を続ける。

今回は魔法職の居ないパーティにしておいてよかった。魔法が無いので殆どの攻撃が飛んでるだけで届かない。遠距離攻撃は回避しなければならないが、最速で飛び回っていればまず当たらない。


「もう少し遅くできねぇ? 俺も当てらんねぇ」

「ユウさんはこのスピードでも対応するよ」

「あれはおかしいから比較すんな」

「そこはプレイヤースキルでカバーできない?」

「難しい。だから頼む」

「了解」

「ついでにもうちょっと近寄って」

「・・・了解」


恐らく相手のランクが高めだからだろう。なまけものが回避を予測して撃っても察して躱してくるらしい。多少危険が増えるが、僕は一気に冒険者たちとの距離を詰め、その上で少し速度を落とす。


「おおっと!?」


流石にこの距離だと飛んでるだけで回避は無理なようだ。高度を上げて飛んで来た『鎌風』を躱す。結局さっきと同じ距離まで離れてしまった。


「ポンタ。相手はお前の移動先を狙って攻撃してるから、逆に急ブレーキしても当たらんぞ」

「あ、そうか」

「あとは剣を振り上げるかどうかで横に広がる『鎌風』か縦に広がる『鎌風』かも判断できる。そうすれば発動を見てから避けなくても回避できる。ずっと前から思ってたが、回避の無駄が多すぎる。いい加減冒険者の予備動作を覚えろ」

「何で今言うんだよ!」

「俺が狙えないから」


だからプレイヤースキルでカバーしてよ。というかもう降りろ!

次回更新は3日後の予定ですが少し遅れるかもしれません

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― 新着の感想 ―
[一言] なまけの文句は、お前に回避のプレイヤースキルがないことに対する文句だろうに、思いっきりブーメランだぞ。
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