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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第5章 大規模アップデート
341/612

340.乱戦してみた④

「くっ・・・、思ったよりやるわね・・・」


スキルを使い出したロロに対し劣勢を強いられる。相手が持っているスキルは『鎌風』と『飛円斬り』どちらも斬撃が飛んでくるタイプのスキルで、『鎌風』は真っ直ぐ遠くまで飛んできて、『飛円斬り』は使用者を中心に円の斬撃が飛ぶ。こちらは全方位だが距離は短め。

ただこの二つのスキルのせいで近付くことが難しくなり、さっきの戦法ができなくなった。その上遠くにいれば『鎌風』が、接近したら『飛円斬り』を織り込んだ連撃が襲ってくるため、様子見もできない。

当然相手の回避能力はさっきまでと同じなので、こちらの攻撃は当たらない。


『『鎌風』ぇ!』

「痛っ! もうっ! 避けたでしょ!?」


あとこの魔物だと『鎌風』が異様に速く感じる。避けたつもりだが避けきれず掠るので、放たれる度にHPがちびちび減っていくのだ。打開策を考えるあまり時間はない。


「うおおおおっ!?」

『のわっ!?』


とそこへ滑って来るポンタと相手の冒険者。私とロロが慌てて下がると、私達の間を勢いよく滑っていく。あれが戦略? 遊んでいるだけじゃない!!


「何遊んでるのっ!?」

「遊んでるわけじゃ・・・」


「違います遊んでません」とか「泥のせいなんだ」とかなんとかポンタは否定しているがずっと聞いてる余裕はない。すぐにロロへと視線を戻し、戦闘に集中する。


と、その時地面についた泥に目がいった。さっきポンタが滑っていた場所に残った泥だ。少し踏んでみるとズルッと滑る。


「・・・使えそうね」


そう判断した私は『泥弾』をロロの足へ狙いを変えて放つ。足を泥だらけで滑りやすくしてしまえば、あの剣技やスキル、どちらも踏ん張れなければ狙いも定まらないだろう。


『っ!?』


当然ロロは躱す。が気にせずSGに注意しながらで打ち続ける。ものの1分程度で自身とロロの周辺は泥だらけになった。

だが・・・1発も当たらなかった。


『無駄撃ちも終わりか? 結局1発も当たらなかったな』

「けどもう動けないでしょ。」


確かに1発も当たらなかった。だが当たらなくてもいい。どちらにしろロロはもう動けない。

ロロを囲むように『泥弾』を着弾させ、一定範囲を泥だらけにしてやった。足に当たってくれれればそれでもよかったが、こうする事で移動することは不可能。一度でも泥の上に乗ったら最後、滑って隙だらけになるだろう。そうなれば残りの『泥弾』で泥んこにしてあげる。


我ながら悪いこと考えたもんだ。


『『鎌風』ぇ!』

「わっ!?」


内心笑ってたら『鎌風』がまともに当たった。


『泥だらけにして俺が攻撃出来ないと思ったか? 足場のとこさえあれば攻撃はできるんだぜ』

「ならその足場、無くしてあげようじゃないの。『泥弾』」


トドメの如く、唯一彼が立てる泥のない場所へ『泥弾』を撃ち込む。これでロロは泥の上に立つしかない。チェックメーー


『甘いわ! 『鎌風』!』


バァン! と音を立てて『泥弾』が弾け飛んだ。

まさか『鎌風』で相殺して来るとは・・・。全然して来ないから出来ないのかと思ってたのに!

こっちがムッとしたのに気付いたのか、ロロは上機嫌に笑う。


『フハハ! 甘かったなぁ!』

「・・・ならもう1発! これも止めてみなさいよ!」


正直なところではやりたいくないのだが、ばら撒いた泥は足止めの他にもう一つ使い道がある。それは最初にポンタがしてたこと、つまり自身が滑るための潤滑剤としてだ。

私は助走をつけ泥へとスライディング。泥に乗ると同時に一気に加速してロロへと突き進む。反撃してくれても構わない。一撃貰ったところで死にはしない。


『はぁ!? ちぃ!』


流石に虚をつかれたロロは慌てるも、すぐさまジャンプして滑ってきた私を躱す。だがそれも予定通り、私は空中のロロへと狙いを定めて『泥弾』を放った。

空中だと躱しようがないし、『鎌風』で撃ち返すにはもう遅い。


『ぬがぁ!?』


『泥弾』がロロへとぶつかり、反動で着地点がずれたロロは泥の上へと落ちた。

こうなればもう終わりだ。

次回更新は3日後の予定です

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