332.久しぶりに進化してみた
レッサーホース:レッサーポニーの成長した姿。よりスタミナと走る速度が上がり体格が大きくなった。主に家畜や人間の乗馬用として使われることもあり、街中でもよく見かける。
名前:ポンタ
種族:レッサーホース
特殊スキル:突進、加速
『突進』:一直線に突撃して攻撃。突進中は速度がアップし、助走距離が長いほど攻撃力が上がる。(上限有)
『加速』:SGを消費し続けている間、速度が上がる。他のスキルと併用可。
「乗馬の時間ね」
「私が先!」
「いや僕から」
「誰も乗せねぇ!」
進化して初めて行ったのは、仲間から逃げることだった。
ついでに新たに手に入れた『加速』のスキルを試してみる。初めての自己バフスキル。体感1.5倍ほどの速さになるがSGの消費もそこそこ多いので自分のSG総量的に長時間の使用は無理そうだ。
だが『突進』と組み合わせればなかなかの強力そうではある。
「まぁこんなものか」
そして元々のステータスだが、まだ速度しか見てないがそれでも進化前よりは速い。走るに限定するとズメイと同等以上の速さがある。良い調子だ。
それに今回は最初の進化なので、何かに特化したような進化ではない。現在のステは恐らくスピード寄りなっている筈なので、次の進化ではスピードに特化した魔物へと進化できるだろう。
そうなれば、ズメイなんて目じゃない速さに慣 (な)れそうだ。まぁ飛んだらあっちが速いんだけどね。
しかし飛ぶのもいいが走るのもいいね。スタミナも上がったおかげでまだまだ走れそうーー
ユウ :どこまで行くのよ。迷子にならないうちに戻ってきなさい
ポンタ :はい
だったけど、怒られたので帰ることにした。
戻ると、3人で何やら話し合っている。
「どうしたの?」
「えっとね、ポンタ君も進化したし村に突撃しようってユウさんが」
「いや無理でしょ」
僕1人進化した程度でクリアできるなら、恐らく2人でも何とかなるはずだ。ユウさんならそれ位分かるはずだ。
「大丈夫よ。私も居るんだし、4人で挑めば何とかなるでしょ」
「・・・そうかなぁ」
ユウさんの回避能力は高いが、始めたばっかりのステータスだと居たところで大して変わらない気がする。『泥弾』の攻撃力も、並みの冒険者ですら2~3撃必要な程度の威力だ。出てくる冒険者の数にもよるけど処理しきれないんじゃないかな。
まぁ挑むのは別にいいけどね。負けたってオアシスに戻されるくらいだし。
「じゃあ出発よ!」
「おー!」
「ショウ君、その村の場所ってこの辺だっけ?」
「あ、ここ、この辺」
「む、敵探している間にずれたか」
真っ直ぐ向かっていたつもりだったが、何時の間にやら右に90度曲がって歩いていた。ショウ君の地図にマークされた村から知らないうちにどんどん離れてしまっていた。地図のマーク位置を見て180度方向転換する。と、そこには違う魔物のパーティが、
「あ、バレた」
「!? 躱せ!」
4匹のパーティのうち、前を歩いていた3匹が何かしらの攻撃をしてきた。
すぐに横にいたショウ君を突き飛ばしつつ横に跳ぶ。ユウさんも直ぐに反応してレンゲを抱えて攻撃を躱しつつ、『泥弾』で反撃している。魔物を変えても相変わらずの対応速度だ。
「うぐっ!?」
「! ユウさんすっごー!! 先輩って呼んでいい!?」
「後にして! ほら、邪魔だから自分で避けて」
ユウさんはレンゲを相手から離すように自身の後ろへ投げた。レンゲは言う通りに相手から少し距離をとり、
「え? どうしたらいいの?」
「とりあえず下がれ、ショウ君カバーしといて」
「いいけどどうしたらいいの?」
「そっちも!?」
どうやら2人はまだPvPをしたことなかったらしい。どうしたらいいのか分からないようだ。
「やることは変わらないわ! とにかく相手倒すの! いい!?」
「2人で1体を相手して。最悪引きつけるだけでいいから」
「「は、はい!!」」
大丈夫かなぁ・・・と思う。
この魔物では初めての僕に対してもね。
次回更新は3日後の予定です