328.合流してみた
「・・・この前は酷い目にあったわ」
「あー・・・あれね」
今日はなまけもココアもいない。2人とも仕事や用事があるそうで今日はパスとのこと。その為ユウさんと2人で何をするわけでもなくただ適当にフィールドを移動している。
何故そんな状態かと言うと、2人ですることが思いつかないからだ。
ちなみにユウさんにはデストロイソースを取り除いたあと謝り、その時ユウさんからも「いろいろやり過ぎた」と謝罪を貰った。なので関係は前と同じに戻っている。
「落とさないでね?」
「・・・もうしません」
しかし信頼度は下がったらしい。
「ユウさん何か見える?」
「何もない・・・わね・・・。あの山まで行ってみる?」
「ちょい遠いけどまだあっちには行ってなーー」
レンゲ :ポンタくーん。あっそぼー!
ポンタ :遊んでないで勉強しなさい
「何?」
「ああごめん。何でもないよ」
急に話さなくなった僕にユウさんが「どうしたの?」と聞いてくる。ユウさんにはレンゲのことをまだ伝えてないので、ここは特に言わないでおこうと思う。言ったら会いたいとか言い出しだろうけど、2人相手は正直しんどい。
しかしレンゲのやつ最近ログインしてないみたいだったから飽きたかと思ってたのに・・・。
ただやってなかっただけか。
「そう? なんか面倒そうなこと起こったって顔してるけど・・・」
「・・・毎度のことだけど、なんで分かるの?」
「そりゃずっと見・・・ポンタってよく分かり易いから」
「そうかなぁ・・・」
基本顔には出していないつもりなんだけど・・・。やはり癖か何かあるのだろうか? 今度教えて貰おうかな。
「で? 何があったの? 私でよければ助けるわ」
「・・・じゃあスルーしてくれると助かる」
「なんで?」
「何でも」
助けたいのならスルーしてよ。
何故そんなに関わりたいのか?
レンゲ :遊ぼ遊ぼ遊ぼ遊ぼ遊ぼ遊ぼ・・・
そしてお前も諦めろ。何だよそれ嫌がらせか!
「何なの?」
レンゲ :遊ぼー!!
「い・や・だぁあ!!」
僕は叫んだ。意味は無かった。
・・・
・・・・
・・・・・
抵抗虚しく合流するレンゲとユウさん。ショウ君がいることが救いだ。しかしショウ君はユウさんを見るや否や何故か固まって動かなくなる。「あ、あの人だ・・・」とぶつぶつ言っているが、なまけに何を吹き込まれたんだろう。
「ポンタ君どう言うこと!? 私と言うものがありながら、違う人に手を出してたの!?」
「あらポンタ、それはどう言う意味かしら?」
「どう言う意味なんでしょうね!?」
レンゲの人見知りが発動しない。発動すれば大人しかったのに・・・。
はぁ・・・、合流早々面倒だ。
気が重いなぁと思っているとユウさんが小声で聞いてくる。
「・・・もしかして普段からあんな感じ?」
「え? ああ、うん。よく振り回されるんだよね」
「そうなのね。いきなりだからびっくりしたわ」
「その割にはノータイムで乗っかったよね?」
「・・・そうかしら?」
そうだよと言う前に、ユウさんはすっと離れてレンゲと何か話し始める。大丈夫かなと思うが、笑い合っているところから大丈夫だろう。
「ポンタ君、あの人って・・・」
「ユウさんだけどどうかした?」
「やっぱり・・・。あのやばい人だよね?」
ビクビクしてるけど、ほんとなまけからなんて聞いたんだよ・・・。
次回更新は3日後の予定です