30・日曜日
現実回です
気付いたら昼だった。
いつゲームを止めたのかは覚えていない。目を開けたらヘッドギアもそのままで寝ていた。
ちょっと頭痛がするけど体を起こす。今日は洗濯などをしないといけないから寝たままではいられない。
家には洗濯機がないからコインランドリーまで行かないと・・・。
寮にも共用の洗濯機があるけど汚いんだよな。安いけど使いたくない。
「よし! やろう」
面倒な事はさっさと終わらせるに限る。後回しにするとどんどんやる気がなくなるからな。
なのでさっさと準備を完了して外に出た。お腹が鳴るけどご飯は洗濯中に食べよう。
「ん?」
「よっ!」
寮の玄関まできたところで榊に会う。コイツもコインランドリーに行くようで、手には洗濯物を持っていた。
というか洗濯カゴに入れて行くのか? 丸見えだが恥ずかしくないのか・・・?
こっちはわざわざバックに入れてるのに。
「コインランドリーは目の前だし気にしない」
「ふーん」
一緒に行こうぜと言わずとも一緒に行く。
「そういえば昨日・・・僕ってちゃんとログアウトしたか?」
「ん? ああ大丈夫。普通にログアウトしてったから」
「全然記憶ない」
「そうか? 普通に喋っていたが・・・。何処まで覚えてる?」
「そろそろ食べ終わるかなというところかな。サンドドラゴンになれた奴が居るとかいう話は覚えてる・・・気がする」
話の全容は思い出せない。何か砂漠エリアでそんな奴が居るとか、ドラゴンという割に見た目がトカゲだとかなんとか聞いてた気がする。
「なら大丈夫だ。殆ど覚えてるよ」
「ならいいけど・・・」
今後は注意しよう。
寝落ちしたらどうなるか分からないけど、フィールドで寝落ちはヤバい。寝てる間に倒される場合があるからな。
「そういえば面白い情報を見たぞ」
コインランドリーで洗濯を開始したところでなま・・榊は言ってきた。
「面白い情報?」
「おう。まずはだなーー」
「ちょっと待って。それ長くなる? 出来れば先に昼食買ってきたいんだけど・・・」
「なんだお前もまだ食ってないのか? ならあそこのラーメン屋にでも行こうぜ」
ラーメンか・・・、良いね。あそこまだ入ったことないんだよね。
しかしお前も昼飯まだなのか・・・。
僕は了承して一緒にラーメン屋に入る。ここは豚骨専門店か・・・。美味そうだけど起きてまだ1時間も経っていない。胃もたれしないか気になるところだ。
「それで面白い情報って?」
「ドラゴンが出た」
「それもトカゲってオチか?」
「レッドドラゴンだってさ。ちゃんと飛べるぞ」
「マジか!?」
サンドドラゴンのようなドラゴンの名を借りたトカゲかと思ったのに。
でもちゃんとしたドラゴンに進化できることが証明された。あとは自分がなれるかどうか・・・。
「どうやったか分かるのか?」
「そこまでは。でも進化出たのは火山エリアらしい。プレイヤーはゲーム実況者で火山エリアでずっと活動していたらしい」
「火山か・・・。結構先だよな」
「少なくとも3つ目のオアシスまで行かないといけないな」
「遠いなぁ・・・」
まだまだ先になりそうだ。
「他にはどんな進化先があるか分かった?」
「そうだな・・・、強そうなやつでは、死神とか巨大ムカデとか・・・、ライオンもいたな。見た目一番強そうなのはレッドドラゴンだけどな。みんな5~6進化してるらしいぜ」
「はぁ、他の人は早いなぁ・・・」
僕らはまだ1進化だ。まだまだ先は長そう。