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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第5章 大規模アップデート
306/612

305.GW明け

「ってな感じ。そのあとはすぐ側にオアシスあったから転移解放して辞めたわ」

「・・・・・」

「流石に知らないとこ放り出された時はビックリしたわよねー。時間も遅かったし、オアシスあってよかったわ」

「・・・・・」

「でもいきなりアメリカ大陸まで転移させられるのは流石にやり過ぎだと思う」

「・・・るい」

「「?」」

「柊どうかしたか?」

「ずるい! ずるい!! ずるいー!!!」

「!? 子供かっ!?」


長いようで短く、リフレッシュできたようで蓮華に振り回され、疲れを取るはずだったのに溜まっただけのゴールデンウィークが終わった。

その初日の昼食時、さらに疲れを上乗せしてきているのは、ゴールデンウィーク中1人MWRをせずに旅行していた柊さんだ。僕ら現状を伝えたところ、周りにも聞こえるほどの大きさで騒ぎ出した。


「みんな帰省するからやらないって言ってたのに~! やるなら言ってよー!!」

「いやお前、別荘で楽しんでる写真馬鹿みたいに送ってきてたろ・・・。バカンス中なんだから誘っても機器無いから出来んだろ?」

「出来ないと分かっててもそこは誘うもんでしょー!」

「んなこと言われても・・・」


柊さんは口の中に目一杯何かを詰めたかのように頬を膨らませる。

どうやら僕らだけで勝手に進めたと言うよりも、僕ら3人で楽しんでいたのが気に入らなかったようだ。


「まぁまぁ、ほらお土産のお菓子追加であげるから」

「私も上げるわ」

「・・・・・」


流石に周りに迷惑なので、取り敢えずお土産のお菓子を追加で渡して宥める。柳さんも僕に倣って自身が持ってきたお土産を渡す。榊は無いのでただ見てるだけ。


しかし柊さんはむすっとした顔で受け取ろうとしない。流石にお菓子で釣るのは子ども扱い過ぎたか?


「「要らない?」」

「要る!」


全くそんなことなかった。渡そうとしたものを片付けようかとしたらひったくられた。柊さんはムスッとしたままそれを口へと運び、無言で消化していく。


そして一言も話さず、全て食べ終えた。


「美味しかった〜」

「「そりゃよかった」」


お菓子は消えたが、柊さんの怒りも消えた。

残ってた分は柳先輩と分けようかと思ってたけど、まぁいいや。


「・・・あの」

「ん?」

ようやく落ち着いたと安堵していると、急に後ろから声を掛けられる。振り向くと女性3人が僕を見ていた。そして後ろにもう一人男性がいるが、誰一人知らない。見た感じ新人ぽいかな?


咄嗟に何の用だろうと考え、気付く。煩くし過ぎたようだ。


「すみません、今後は静かにします」


軽く頭を下げつつ謝っておく。しかしそんな僕に彼女らは首を振った。

真ん中の女性が代表して話す。


「あ、すみません! ち、違うんです。お聞きしたいことがありまして・・・えと、す、少しお時間を頂けないでしょうか? 」

「僕に?」


自慢じゃないが、僕はまだ何かを聞かれるような立場ではない。寧ろ効く側、心はまだ新入社員だからね。

少しボケたつもりだったが、彼女らには困った顔をされた後苦笑いされた。


「・・・ごめんなさい。なんでしょうか?」

「あ、すみません。あの・・・この前、発表されてましたよね?」

「発表?」

「あれじゃね? ゴールデンウィーク前にやった実習発表」

「ああ、アレか。みんなに押し付けられたやつ」

「いやアレは竹しか出来ね〜からだ」

「適材適所よ」

「やりたくないもん」


コイツら・・・まぁいいけど・・・。

しかしGW前の1番胃が痛かった発表か・・・。発表中、新人たちが若干引いてたんだよな・・・。ぶっちゃけ思い出したく無いんだが、あんな発表について何が聞きたいのだろう? 


促すと3人は一度顔を見合わせてから、


「「「実は私たちも同じテーマでやろうと思ってるんです! それで何かアドバイスを貰えたらと!」」」


そんな馬鹿なことを言い出した。

なので反射的にアドバイスを送る。


「やめとけ」

「「「嫌です!」」」


しかしそのアドバイスはあっさり拒否られた。

次回更新は3日後の予定です。

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