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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第5章 大規模アップデート
301/612

300.台座を満たしてみた

[力を欲する者、台座を満たせ]


「どう言うこと?」

「そのまんまだろ。要はパワーアップしたけりゃ台座に何かしたらいいんだろ」

「[満たせ]った書いてあるから一杯になるまで何か入れたら良いのかな」

「入れるって言ってもこの辺水しかないわよ?」

「水でいいんじゃね?」

「でもさ、どこ入れるの?」


台座は四角柱で何かを入れるところなどない。模様がある以外は、宝玉が嵌っていた窪みしかないのだ。

まさかとは思うが、この窪みに入れろと?


「しかないだろ。ほらユウ、汲んで入れてくれ」

「あんたが汲みなさいよ。手でも濡れると弱体化するし嫌よ」

「お前、このホネッホネの手で水が汲めるとでも?」

「頭蓋骨で汲めるでしょ? ほら脳の位置なら少し溜められるわ」

「それは何か? 俺に逆立ちしてまで汲めと?」

「出来ないの?」

「出来るわぁ!」


そう言った直後、何の躊躇いもなくその場で逆立ちするなまけもの。

無理だろなと思った矢先、ドシンッと音を立てて地面に転がった。羽があって重心バランスが現実とは違うのだ、予想通り逆立ちしたものの背中から地面へと叩きつけられていた。


なまけものは僕らの視線に赤面しつつ、


「じ、実際は出来るんだぞ!」

「はいはい」

「どっちでもいいから魔法で水出して」

「確かに!」


要は満たせばいいのなら、わざわざ汲む必要なんてない。なまけものなら知っててやらなかった気がしてたのだが、そこまで頭が回っていなかったようだ。行動も単純だし恐らくもう眠気が限界なのだろう。

夜中までやってるとたまに今のようななまけものが出てくる。ハイテンションで好き勝手やりまくり、急に寝落ちするのだ。


「言っておくけどフルパワーでやるなよ?」


窪みはお椀程度だ。『アクア』1発で十分すぎる。

忠告すると、なまけものはふふふ、と笑い出した。


「俺だって馬鹿じゃねぇ、とっておきのフルパワーなんぞ滅多に使うわけないだろ」

「さっき無駄打撃ちしてたよね?」

「そうだっけ?」


十数分前のことすら忘れたか。

ダメだこいつ、早く寝させないと。


「ゲヘヘ、満たしてやるぜぇ・・・」


その本人は悪い顔をしながら『ファイア』を窪みに放っている。水って言ったのに・・・。

流石におかしいと感じたのか、ユウさんも心配そうな顔で聞いてきた。


「ね、ねぇ? なまけはどうしたの? さっきの逆立ちで頭打った?」

「多分ほぼ眠ってると思う」

「ああ〜・・・、眠くなると何してるか分からないアレの状態ね」

「多分急に寝て動かなくなるからその時はフォローお願い。こっちも気にしとく」

「分かったわ」


寝たら勝手にログアウトされる仕組みではあるが、直後ではない。その間に死ぬ可能性もあるので注意が必要なのだ。普段なら放置して行くが、この後恐らく戦闘になりそうなので下手したら死ぬだろう。


「あれ? ボス戦ないって言ってなかったっけ?」

「いやどう見てもボス戦でしょ・・・」


なまけものは雰囲気的に無いとか言ってたが、今まで通り何かを得る時には必ずボスがいた。なので今回もそうだろう。

その僕の予測を裏付けるかのように、目の前で火柱が立ち昇った。

次回更新は明々後日の予定です

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