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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第5章 大規模アップデート
286/612

285. 使用人と戦ってみた③

ひゅん! ひゅん! ひゅん!


「ああ、もうっ!」


また短剣が飛んで来た。今度は上、右、下と全く違う方向から同時に飛んでくる。投げているのはハンセンだろうが、移動しながら投げてるのか姿は見えない。

だがこちらも徐々に短剣への目が慣れてきたので、はたきおとしたりと尻尾で弾いたりして回避する。


ただこの状況はまずい。のんびり長期戦をする訳にはいかないからだ。ボードーも振り払っただけだし、ガレオンも海に落ちたとはいえまだ死んでいない。このままだといずれ復活してまた襲われる。


襲われるまでにハンセンを倒せればいいが、恐らく無理だろう。だったらせめて今のうちにでもハンセンのHPを減らせておきたい。

だから必死で探すがどこにーー


「ん?」


居た。ボードーが。何故かマストに胴を貫かれてて、遠目には既に瀕死状態。持っている武器も落としている所を見るにもう戦えないだろう。

しかし何でああなったんだ? 振り払ったときにそのまま刺さったのだろうか? なんにせよ知らないうちに1人脱落で助かる。


しかもちょうどいいところに、その場にハンセンも現れた。

彼はあきれ顔でボードーの傷の様子を確認しつつ、


『何でこうなったんじゃ?』

『ひ・・・『飛翔脚』つかっ、使ったら・・・、ほう・・こう間違えて・・・』

『馬鹿じゃの』

「馬鹿だなー」


どうやら自分から刺さったようだ。たまにいるよね、自分からバックステップして落ちてく奴とかさ。まぁ自分もやるけど・・・。


『あ、あ・・の、助け、呼んで・・・』

『わしは無理じゃ。介錯ならしてやるが、どうする?』

『・・カヌウは?』

『知っとるじゃろ。あ奴は防御専門、ワシらの戦闘が終わらん限りあの結界は解除せんし、あの場から絶対動かん。ワシはあのドラゴンの相手をせんならんし、助けるとなるとガレオンにして貰うしかないの。じゃがあいつは海へと落とされたし絶望的じゃの』

『あいつ・・・泳げませんしね・・・』

『お前もじゃろ。ワシもじゃが』


ガレオン泳げないんだ・・・。海ポチャしてなんか申し訳ない。

というか全員泳げないとか何なの? 出現場所間違ってない?


『うっ!? ちくしょう・・・風で船が揺れーー』

『おお、すまんすまん! すぐに介錯したる』

『え!? い、いや! まだ死にっ!!』


嫌がるボードー

しかしハンセンはそんなボードーの首をあっさりと短剣で切断した。迷い無く切断したところに若干の恐怖を感じる。見た目穏やかな老人なのに・・・人は見た目で判断してはいけない典型だな。あれAIだけど。


まぁいいや。せっかく見つけたんだし、よそ見してる間に倒そう。そう思い『火炎』を放つ。『スケイルショット』にしたかったが、さっきの全方位発射で弾数はもう無い。全方位やめとけばよかったよ。


『ふっ、愚かな』


しかしハンセンには気付かれていたようだ。『火炎』が着弾する直前に躱される。しかも着弾時に広がった炎が目眩しとなり、またハンセンを見失った。

だが躱した方向は見てたぞ。すぐさまその方向へ首を向け、重点的に探す。しかしハンセンは居ない。


「!?」


と、その時また短剣が飛んでくる。探していた方向とは真逆だ。避けてそちらを見るがやはり居ない。そこへまた反対から短剣。


・・・いい加減腹が立って来た。


「あーもー! イライラする!!」

『ほほう、短気だの。まぁドラゴンと言えど所詮は魔物か』

「!?」


いつの間にか背中にハンセン。

言葉は彼らに通じないはずだが、怒っていると認識しているって事は、彼らからすると怒って咆哮を上げているように見えるのだろう。


だが今はそんな事どうでもいい。


「勝手に乗んな! どいつもコイツも!」

『ほっほ、『ーー』』


体を一回転させ振り落としたつもりだったが、ハンセンは落ちる前に消えた。全く避ける素振りすら見せずに消えた、あれは完全にスキルによる瞬間移動だ。


「移動スキル持ちか・・・」


何のスキルか聞き取れなかったのはミスったな。

次回更新は明々後日の予定です。

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