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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第5章 大規模アップデート
279/612

278.のんびり飛び回ってみた②

「あ、それでログインしてない表示になってたんだ」

「多分ね。それ以外考えられないし」


取り敢えず昨日の内容をユウさんと共有しつつ、世間話をしながら一直線に飛び続ける。定期的に高度を上げて風景を楽しむのも忘れない。


「あ! ユウさん海見えてきた!」

「何処何処!?」

「前! まだちょい遠いけど」

「あ、見えた! ポンタ、全速力よ!!」

「よっしゃぁあ!」


その他景色を無視し、目いっぱい飛ばして陸の端まで到着。

潮の匂いがし、視界いっぱいに青い海が広がっている。内陸から移動してきたためか、アプデ前よりも海に来た感じがしてテンションが上がるな。


「これゲームなのよね? なんか実際に海に来た気分になるわ・・・」

「そうだね」


そしてしみじみと2人して気分を堪能し、その周辺を探索。折角来たんだ。オアシスを見つけていつでも来れるようにしたい。


「あ、あそこは?」

「あれか。了解!」


沢山の他のプレイヤーが来る方角を確認し、オアシスがありそうな方角に辺りをつける。そして2人してオアシスを探し続けること10分。ようやくオアシスらしき湖のような地形を発見。


速攻降りて、転移できるようにした。


「ポンタ。お疲れ様」


直後、ユウさんがそう言いつつ撫でてくる。


「ありがと。でもそれ普通降りて言うものじゃない?」

「どうせまた乗るから良いでしょ」

「良くないけど?」


もう今更だから降りろとは言わないけど。

さて、これからどうするかな。一旦時間と現在地を確認する。現実時間は朝の8時ごろ。場所は最初のオアシスから丁度真南だ。このまま真南に移動し続ければアフリカ大陸に行けそう。

だが時間的にはそろそろ止めないと、蓮華(やつ)か母が部屋に乱入してきそうな気がする。


「ん? 途中に島があるな」


マップを拡大すると、ぽつぽつと島が存在する。大きさはさまざまだが、どれもそれなりに大きい。これは行くしかない。

直感で、一番近く一番小さい島に目標を決めた。


「次どこ?」

「この島に行ってくる」

「それよりもここに町っぽいの見つけたんだけど」


ユウさんはどうやら違うところをマップで見てたようで、自身が見ていたマップを見せてくる。そこには何もないが、ユウさんはその辺で港町っぽいのを見たらしい。


「港町・・・くっ、そっちも行きたい!」


ただ町なので前の村などと同じ乱戦エリアだろう。今日は戦闘する気分じゃないのでできればパスしたい。

ただ、港町といえば船だ。船には乗れるのか、操縦できるのか、そっちは凄い興味がある。


「ねぇこっち行ってみない?」

「いいよ、と言いたいけど、乱戦してる程時間無いかもだし、今日の夜でどうかな? 今はとりあえずこの島行って一旦終わろうかと思ってた」

「あ、そう? じゃあそれでいいわよ。あ~もう8時なのね」


ユウさんの了解を得たので、移動を始める。すぐ海なので、1~2分も飛べば下は海一色となった。

移動しつつ、


「一応聞くけどユウさんって時間大丈夫なの?」

「大丈夫よ。朝からゲームしてたっていちいち親は口出ししないから。というか私の部屋に入ってこないし」

「羨ましい・・・。こっちは関係なしに入ってくるよ。特に母さん」


今は蓮華もだが。


「へー。入られると困るの?」

「困るね。特に今みたいに朝からゲームしてたら、昔はコンセントをよく引っこ抜かれてた」

「あはは、何それ。そんなことしたらゲーム壊れない?」

「壊れるよ。ウチは幸いデータ飛ぶだけで済んだけどね」


致命傷で済んだと言ったところか。


「それもどうかと思うけど・・・」

「まぁ壊れるよりマシだしね。実は前にもこのゲーム中にーー」


ブチィ!


「!?」


耳元で何かを引きちぎったような音とともに、いきなり視界が真っ暗になった。びくっとしつつ、何事かと呆然としていると、聞こえてくるのは外でなく雀の鳴き声。そして、


「いつまで寝てるの!? さっさと起きなさい!!」

「起きろー!」


嫌な予感しかない煩い2人の声。

慌ててヘッドギアを外して、2人を見る。すると母さんの手にはコンセントが・・・。


「あー!! またやりやがったな!」

「煩い! さっさとご飯食べなさい!!」


ちょっとした口論にはなったが、口では親に勝てなかった。

幸い機器、データは無事だったが・・・。


「ユウさんどうなったんだろ?」


僕に乗っていたユウさんの安否が気になる。

ただおよそ予想がつくので、怖くて連絡できなかった。

次回更新は明々後日の予定です

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