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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第5章 大規模アップデート
269/612

268.実況して遊んでみた

「大体さっさと譲ってくれればよかっただろ!?」

「何言ってるの!? 譲って貰っといてそれは無いでしょ! 大体私の方が早かったし!」

「はぁ!? 俺の方が早かったし! 魔法最強ー」


後ろで騒ぐ2人。災害レベルの件で収まったと思われた言い合いだが、ココアの「結局誰のせいなのー?」という問いで再燃した。正直もうどうでもいいので止めて貰いたい所だが・・・。


折角なので、


「何? じゃあ勝負して決める?」

「すみませんでした」

「そこは乗りなさいよ!? 最強なんでしょ?」

「調子乗りましたー!」

「な!? ちょ、ちょっと何? 土下座止めてよ! まるで私が悪いことしてるみたいじゃない!」


目の前できれいな土下座を見せるなまけもの。まさかの行動にユウさんが動揺する。

同時にココアが大声を上げる。


「でたー。なまけの土下座ー!! いきなり土下座でユウちゃんの困惑させる行動に出てきましたが、解説のポンタさんはどう思いますか?」


彼らの行動を適当に実況解説する遊びを決行。ココアはノリノリだ。


「困惑させると同時に、自分がユウさんに圧力をかけられていると周囲に知らしめようとしてるみたいですね。よく分からない第三者が、土下座までして謝っているところを見ると、謝らせている側に「そこまでさせるのか?」と軽蔑の目を向けることが多いので、ああやってユウさんの立ち位置を悪くしているのではないかと思われます」

「なるほどー。よく分かりませんが、なまけがずるい手を使っているという感じは分かりましたー。でもここでなまけに残念な結果だぁ、周囲にプレイヤーは居ませーん!」

「・・・・・」


真面目に解説してみたけど、「よく分からない」と一蹴されてしまった。まぁ僕も何言ってるかほぼ分かっていないのであまり気にしない。というかその場のノリで良さそう。

ニヤつきつつ楽しむ僕らに対し、言い合っている2人は何か気まずそう。だが関係ない気にせず勝手に進める。


「しかしユウちゃんも強情ですねー」

「ユウさんも根は我儘ですからね。元々どちらが悪い関係なく認める気は無いのでしょう。現実ではそうじゃないんですが・・・」

「ストレス溜まってるんでしょーねー」


ユウさんがこっちを見た。あっ、やっぱりそうなのかな?

まぁ本当かどうか分からないけど、そうであればあまりストレス溜めないようにしないと。


「・・・なら俺が早かったと認めろ」

「なっ!? い、嫌よ!」

「おっとぉ? ここでなまけの言葉による強要。最低だー! しかし悪い顔ですねー。普段から悪い顔ではありますが、今は一層悪い顔してますねー!」

「リアルも悪い顔だから仕方ないですね」


あ、なまけものもこっち見た。目がやめろと言っているがやめない。


「なら土下座止めねぇ」

「なら置いてく」

「おーっとぉ!? ここでユウちゃんが放置プレイを始めたぞー! 外道ですねー」

「ですね。やはり根は悪ですねー」

「そして土下座で放置されるなまけはこの後どうなるのでしょうか!?」

「多分恥ずかしくてすぐ止めるんじゃないですかね。個人的には10秒も持たないと思いますが、出来ればこのままどこまで耐えられるか見てみたいですが・・・」

「てめーらさっきからうるせぇ!!」

「0秒でしたねー」

「残念です」


2人してやれやれと首を振る。と、僕の首の一つを誰かが掴んだ。


「ねぇポンタ? さっきのどういうことかしら?」

「・・・な、何がかな?」

「私のこと我儘とか、悪とか言ってなかった?」

「えーっと・・・」


ユウさんは微笑みながら問うてくる。「いやあれノリでー」と言える雰囲気では無い。圧が凄い。


「ようココア。お前も好き勝手言ってたな」

「えー? 本当のことじゃんー」

「違うわっ!」


背中のココアはなまけものに捕まっている。こっちはいつも通りだ。こっちはどうとでもなりそうだが、ユウさんからは逃げた方が良さそうだ。


「さて、どういう言い訳するのかしら?」

「その前に首、離してくれない?」

「そしたら逃げるでしょ?」

「逃げますね」

「だよね」


逃げられなかった。


次回更新は明々後日の予定です


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