261.村をみつけてみた
1時間ほど使って、周辺の冒険者を見つけ次第倒した僕らは気を取り直してイギリスへと向かう。
「満足した?」
「おー、したした」
「いい運動になったわね」
「現実では1mmも動いてないけどねー。大丈夫? 太ってない?」
「!?」
「それな」
「あー・・・」
ココアの言葉が僕に刺さる。
凄い動いて疲れも感じるが、実際はベットで寝てるだけなので完全に運動不足だ。まだ体重こそまだ平均ではあるけど、この前の健康診断結果は若干増えていた。このままだとすぐデブりそうだ。
「・・・朝走るか」
「おっ? じゃあ俺も呼んでくれ」
「朝早いけど?」
「やめとくわ」
「了解」
やはりなまけもの。
そう言うと分かってた。まぁ本人全然太ってないので走らなくても問題ないのだろう。
「・・・・・」
そしてさっきからダンマリのユウさん。
こっちは走らないとヤバいようだが、聞くのはやめておこう。かなり気にしてそうだし。
あまりこの話題を続けない方が良さそうだ。
「ところでさ、道こっちであってる?」
いつからか馬車の轍が出来た道を僕らは歩いている。どうもこの道は人間の通路のようで、この道を歩くだけで冒険者とよく会えたからだ。だが本来行きたいのはイギリスである。方角は合っているようだが・・・。
道の先に小さな村見えんだよなぁ・・・。
のほほんとした、静かな村だ。
「この道が合ってるかは知らんが、あの村に続いているのは確かだな」
「それは見ればわかる」
「村!? ねぇ寄ってこ寄ってこー?」
「村の中見たいんだろうが、入ったらそれどころじゃないぞ」
「入れるの?」
「入れるぞ。と言うか滅ぼせるぞ」
なまけものが言うには、村や集落、街などの人の集まっている場所は、乱戦エリアなのだそうだ。そこにいる一定数の冒険者らを倒すことにより、その場所を滅ぼしたことになる。
当然そこに集まっている人が多い程、倒さなければならない冒険者も多く、冒険者の強さも強くなるシステムとなっている。
「あれは村っぽいし・・俺らじゃ余裕で潰せそうだな。どうする?」
「潰すって・・・なんか可哀想じゃない?」
「嬉々として冒険者薙ぎ払ってる奴がいまさら何言って、おっと物理は止めようぜ?」
「むぅ・・・。というか潰す意味あるの?」
「それはよく分からん。公式では攻撃できるし破壊できるとは書いてたが、その後のことは書いてなかったしさ」
なまけものはそう言うが、ただ破壊するだけで終わるなんてことはないだろう。絶対何かしらの影響が出る筈。レベル・・・というか戦闘でステータスは上げられるかもだが、それだけなんだろうか?
考えていると、なまけものと目が合った。
「どうするポンタ?」
「やる」
「やるの!?」
分からん時は試す。出来るならやる。
というか、ああいうやっちゃいけなさそうなことって、ゲームだとやりたくなるよね。
僕は「絶対引くなと書かれたレバー」はとりあえず引くタイプだし。あ、ゲーム内の話ね。
頷くとなまけものはニヤリと笑った。
「お前ならそう言うと思ってたぜ! 行くぞぉ!」
「よっしゃあ!」
「あ、ちょっと!?」
僕に飛び乗ったなまけものと一緒に村へと猛ダッシュから飛行。
同時に村から大きな鐘の音がなりだした。
次回更新は明々後日の予定です