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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第4章 占拠戦
254/612

252・イベント最後に逃げてみた

「で、負けたと?」

「まぁねー。流石にあれ反応されたら無理」


リスポーン地点から急いでみんなと合流。時間はもう残り僅かだが、まだ周りでは最後まで諦めてないプレイヤーが激しい戦闘音を鳴らしている。

僕らは流石にやる気ないので遠巻きにそれを眺めつつ談笑する。奪ったポイントもそこそこ残ってるし今回はもう良いだろうと判断した。


「ポンタ君あの戦法ちょこちょこ使ってたでしょ。ああいうのは一度使うと対処されるものよ~。でも私たち2人にあそこまでやるとはねー、見直したわ。ゲスいこともしてたけど」

「まぁちょっとブラックモードだったので・・・」


で、何故かカイザー夫婦も居る。邪魔なのであっち行って欲しい。

ユウさん折角体調戻ってきたのに、また顔が青くなりかけてるじゃないか。


「何故・・だ。ユウ、俺の何処がいけないんだ?」

「全部よ全部! こっち来ないで!」

「グフッ!」


あ、またカイザーが吐血した。


「あれ、猛毒よりダメージ受けてますがほっといて良いんですか?」

「良いのよー。言ったでしょ? そろそろ妹離れさせなきゃいけないって」


そういえばそんなこと言ってたなぁ。あれもカイザーを暴走させるための嘘だと思ってたけど違ったか。


「ポンタポンタ!」

「ん?」


と、そこココアが僕の背中に飛び乗る。そして氷体で上の矢印を作り、


「高いとこ連れてってよ。絶景なんでしょ? 終わる前に早く!」

「・・・! あーはいはい」


そういえばなんか言ってたな。

時間は残り少ない。今からでも間に合うかな。とりあえず急いでいけば多少は見れるか。


「じゃあ行く・・・待て、なぜみんな乗る」


飛ぼうとして動けないから振り向くと、いつの間にかなまけものとユウさんも乗ってる。そして乗ろうとしているリコさんまで・・・。

問うと全員笑顔になった。


「俺も見たい」

「私も」

「私も~」


リコさんはさっき見ただろう。

そしてそこ2人! 普段興味ない癖にこういう時だけ見ようとしない。


「降りろ」

「えー良いじゃんポンタ。みんなで見ようよ」

「「「そうだそうだ」」」


自分ら乗るだけだからって・・・。


「定員オーバー!」

「そこは気合でお願い」

「ほらバフ掛けてやるから。『ウィンド』『シャイン』」

「いやスピード上げられても・・・」


仕方ない・・・。


「ココア。この人数だと飛べない。絶景は諦めてくれ」

「えー!!?」

「「「えー!?」」」

「だって無理だって。せめてココア+一人にしてくれないと無理」

「よしじゃあユウとリコさん降りろ。俺が見てくる」

「あんたが降りなさいよ! 私も見たい!」

「私ももう一回見たいわ」

「「見たんなら降りろ!!」」


予想通り喧嘩が始まった。その間にココアに耳打ちする。


「・・・今だココア。全員氷体で落とせ。お前だけだと確実に間に合うぞ」

「!? 任せて」


直後ココアが氷体を巨大化させる。押される形で三人は地面に落とされた。


「なぁ!?」

「きゃ」

「あらら・・・」


そしてそのタイミングで僕は飛翔。なまけものがバフってくれたおかげで加速がすごい。一気に上昇する。


「「ーーー!!」」


下からユウさんたちの抗議の声が聞こえる。ははは・・・後が怖いな。今日はこのまま分かれた方がいいかも。

まぁやってしまったので仕方ないし、今回は時間も無い。ココアの為だと言い聞かせて無視する。しかしココアだけだと軽いな。まるで誰も乗ってないみたいだ。


・・・ちょっと気になり背中を見た。


「・・・乗ってないじゃん!!?」


まさかの誰も居ない。ココアもしかして落ちた!? もしかしたら氷体使ったときに僕につかまるのをやめたのか?

どちらにせよこれじゃあ行く意味がない。怒られるのを覚悟して戻る。着地直前近付くとユウさんとなまけものが腕を組んで寄ってきた。ココアは・・・あ、ユウさんに握られてるな。


「・・・・・」

「「・・・・・」」


無言の2人からすごい圧が伝わってくる。冷や汗がダラダラ出しながらなんて言おうか考える。

ごめん? すみませんでした? いやあれはココアの為を思ってやっただけで?


ダメだ・・・。口を開いたら消される。悪いことしてないのに。

いや待て。そうだよな、元々は無理矢理あっちが乗ってきたんだよな。降りないし、動けないからこっちは落としただけだよな。これは正当防衛だ。


なら言うことは一つだ。


「僕は悪くない!」

「「!?」」


直後ユウさんが剣を振り抜いた。勿論『縮地』で逃げる。一気に距離をとったが、移動先を予測していたなまけものの魔法が僕を襲う。


「うげっ!?」


風が僕に絡みつき、飛べずに地面に落とされる。脱出を試みたが、この絡みつく風が何度も飛んできて逃げきれない。結局風で簀巻きにされた僕は大きな音と土煙を上げて墜落した。


「ゲホッゲホッ・・・い!?」


砂埃でむせてる僕に突きつけられる燃える剣。

持っている人の顔を見ると、目が合った。にこりと笑顔を作るユウさんは、剣を振り上げながら、


「何か言うことある?」

「僕は悪くない」


直後イベント終了のお知らせとともに剣が振り下ろされた。

次回更新は明後日の予定です。

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