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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第4章 占拠戦
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248・どうでも良くなってみた②

さてと、マーキングの結果からざっくり分かるとすれば、リコさんは月の光が無いと見えない=消える。これはなまけものが言ってたことと合うのでそうだろう。カイザーの方は、風が実体化したというところから、『炎化』風版を持ってる可能性がある。

ぶっちゃけそれ使われると、物理効かないだろうからどうしようもないんだが、カイザーは恐らく使わないだろう。理由はリコさんが居るからだ。多分使ったらリコさんカイザーに乗れなくなる可能性が高い。


そしてリコさんの消えるスキル。こっちも使わない可能性がある。だって今リコさんはカイザーに乗った状態だ。つまり消えたところで、カイザーに乗っているには変わりない。カイザーもろとも消えたらあれだが、そんなことが出来るクソスキルは即刻ナーフされてしまえ。


さて・・・それで、


「問題はリコさんスキルが全く読めない事だな。『ウサナックル』と『ウサラッシュ』なるものはあると分かった。それと回復系、消えるスキル。『蜃気楼』・・・。あと一つ以上隠しエリアのスキル持ってるかも・・・」


カイザーが『縮地』持ってるし、結構隠しエリア回ってるかもしれない。勝ち負けには拘ってないので注意する気はないが、面倒なのを持ってなければいいな。


「ん? おっとっと」


さっきの『渦風』が躱した僕の側を通り抜ける。えっと? 何処からかなと飛んで来た方向を見るがそこには誰もいなかった。

消えた? となると・・・、


「『ウサラッシュ』」


「ウサウサウサ!」の掛け声とともにリコさんによる怒涛の連続パンチ。見た目と掛け声とスキル名だけは可愛いが威力や攻撃速度と使ってる本人の性格は全く可愛くない。

だが僕は消えたと判断した時から後ろを取られると想定し、前進していたのでリコさんのリーチでは全く届かなかった。振り向くと空を切るラッシュが虚しい。

可愛そうなので『猛毒弾』のボールをプレゼントしてあげたが、触ってすらもらえなかった。


「あらら? 読まれちゃった?」

「怒ってるから簡単に後ろ取れるかと思ったんだがな。リコちゃん、どうやらマジでやった方がいいかも」

「そうね~」


本気か。

咄嗟に身構えてしまうが、慌てない。焦りも無い。

理由は単純、どうなろうとどうでもいいからだ。

これは他のゲームでもよくあることだが、どうでもいいと思いつつプレイする戦闘や試合程何故か上手くいく。それに関しては勝ちたい負けたくない、少しでもいい成績を残したいなどの焦りがゲームの操作や判断に影響しているからだと勝手に思っている。

少しでもいい結果にしようとの焦りや願望が間違った判断をするのだ。よくあるのは強敵のHPが残り少ないところで、今まで通りやればいいのに焦って突撃したりとかかな。勝てる時もあるけど、大半はやらかす。それはこのゲームでも何度かあった。


「行くぞポンタ!」


でも今みたいにどうでもいい・・・つまり結果に拘らず落ち着いてプレイすれば、本気になって今までとは違う不規則な動きをし始めたカイザーですら何とも思わない。その上、どう対処するかも大体予測できる。とりま一定の距離をとれるようにカイザーに合わせて動きつつ今回ならどう来るかと予測する。


今回の場合だと、カイザーの攻撃しやすい間合いで魔法を撃ってくるか、このまま近付いてリコさんの攻撃が来るかの2パターンだと思う。前者なら今の距離だと普通に回避できる。後者なら・・・攻撃にもよるがカウンターでも狙うかな。『ウサナックル』か『ウサラッシュ』なら攻撃直後の技後硬直の間にさっき受け取ってもらえなかった『猛毒弾』を再度プレゼントしてやろう。


そして重要なのは、こちらから攻撃しないことだ。不規則な動きに焦って攻撃すれば、攻撃方法によって相手のカウンターを貰うだろう。

だからここは待ちの姿勢でーー


「『鎌鼬』」

「ほいっと」

「『鎌鼬』!」

「よっと」

「『鎌鼬』!!」

「おおっとぉ!」


直後、『鎌鼬』が飛んでくる。速いが直線攻撃なので躱すのは簡単だ。カディスで見てるからね。これ一度に撃てる数は術者によって決めれるみたいで、単発もあれば、複数の場合もある。

どちらにせよ回避は簡単だが。


なかばオーバーリアクションで回避してると、カイザーが舌打ちしているのが聞こえる。ふふふ、イラついてる、イラついている。この調子で嫌がらせていこう。


避けるついでに『火炎』を撃ってみた。しかし『晶壁』で防がれる。そして『鎌鼬』。また躱す。

一定の距離をとりつつそのループが繰り返される。正直つまらないが、これはこれで地味な嫌がらせっぽい。


こっちもイライラしてくるけ、ど?

半ば作業なので半分自動化したように動いてたから見逃した。気付いたらリコさんが居ない。どこ行った?と辺りを見渡すと、見失ったことに気付いてカイザーがニヤリと笑う。


「ははは、さてどこ行ったんだろうな? お前のすぐ後ろかもな?」


なんか言ってるがスルー。

恐らく姿を消してカイザーの上に乗ってるだけだろう。ただスキル集には空を走るスキルがあったのを思い出し、一応周囲にも気を配っておく。あの『ウサナックル』はヤバいからな。


「あ、そうだ!」


丁度いい技があった。

ふふふ、今こそあの技を見せる時が来たようだ。


「俺を無視すんな!」


知らん。

次回更新は明後日の予定です。

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