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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第1章 初VRMMO
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23・会話を聞いてみた

『クソッ・・・マジかよ』


倒れた仲間達を見て、ドーマが悔しさに顔をしかめる。本人もユウさんにやられており、かなりダメージを負っている様だ。これなら僕は何もしなくても良さそうだ。


「ふぅ・・・、森エリアは木々が邪魔で剣がまともに振れない。ショートソード持ってて良かったわ」


ユウさんはロングソードを捨ててショートソードに持ち替えている。森エリアは木が多く長い剣は振り回せない様だ。ドーマも最初から短剣を使っていたし、これからは場所によって武器を変えた方がいいのかもしれない。


『チクショウ・・・』


ユウさんはドーマに止めを刺してこっちに寄ってきた。


「「お疲れ様」」


互いに相手を労う。


「ユウさんがあれ投げてくれたおかげで助かったよ。お蔭で楽に倒せた」

「私は食べると思って投げたわけじゃないんだけどね・・・。怯むかと思って投げただけなんだけど結果上手く行って良かったわ」

「そうだったんだ」


てっきり食べさせるために投げたんだと思ってた。

見るとユウさんのHPが少し減っている。


「ああ、これ? 最初ロングソードで戦った時にね・・・」

「ヒーリスの実だっけ? 採ってくるよ」

「ありがと。あ、間違っちゃ駄目よ」

「丸い葉だろ? 大丈夫だって」


僕はもう一度木登りを始めた。



~なまけものサイド~



「そろそろ行かないか?」

「待って。後あそこと、あそこと、あそこのを食べてから!」

「食い過ぎ!」


さっきからココアが木の上から降りてこない。木の実を気に入ったのかさっきからずっと食べている。確かに美味かったがそこまで食わなきゃ駄目ではないだろ?


「分かってないなぁ。どれだけ食べても太らないんだよ! 食べなきゃ損だよ」

「損って・・・」


太らないけど腹に溜まりもしないだろ。損はないかもしれないけど得もないよな。


・・・・・

しゃーない、言っても無駄だしここで待とう。

とはいえ何して待とう・・・お? 冒険者みっけ。

2人組か・・・1人でもやれそうだな。


『今回依頼のこの花って何に使うんだ?』

『魔力増強剤よ。毎度そうだけどいい加減覚えなさいよ』

『悪い。どうも植物は分からん』

『じゃあ簡単なのを教えてあげるわ。この花は魔力増強剤用、あっちの白い斑点があるキノコは筋力増強剤用、上にある赤い実は回復薬用。あ、葉っぱが丸いやつね。で、そこの青い草が解毒剤用』

『多い!』

『これくらい覚えなさい! 一応薬用だけど、そのまま食べても効果があるから! もしもの時の為にも覚えておきなさい』

『わ、分かったよ・・・』

『分かったならよし。ほら、さっき言ったキノコも依頼品だから採取するわよ』

『へーい』


そう言って2人の冒険者は森の奥に消えていく。

姿を表して戦闘しても良かったが、面白い話が聞けたので見逃すことにした。

というより話の内容から試したいことができたので戦うのが面倒になっただけだが。


この森エリアに来て分かったが、冒険者同士の会話や行動は重要な事が多い。木の実の件もそうだ。これも怪我を負った冒険者が食べているのを見て分かった。


「この花が魔力UPの花だな。であっちのキノコが筋力UPか。この模様・・・パクりじゃないよな・・・」


赤帽子の髭親父が食べているキノコに酷似してるが・・・、考えない様にしよう。

俺としてはこっちの花が重要だ。魔力UPすれば魔法が使えるかもしれん。

という事で一口いただきます。


「・・・・味無ぇ」


不味いよりいいけどさ、せめてちょっとは味欲しい。あと花びらが張り付いて食べにくい。

それでも魔法が使いたいので無心で食べる。

たまにキノコもかじってみる。こっちも無味。


「何してるの?」

「花食ってる」

「・・・救急車呼ぶ?」

「要らん。俺はまともだ」

「まともな人はそんな量の花食べたりしないと思うけど?」

「・・・そうだな」


気付いたら自身の周囲に花の茎が大量に散らばっていた。

確かにこの量を黙々と食ってたら頭おかしいと思われても仕方ない。

なので若干引いているココアにさっきの冒険者の会話を教えた。


「じゃあ私も食べたら魔法使えるの?」

「多分な、食べてみるか?」

「うん!」


ココアは俺が渡した花を嬉しそうに食べる。そして咀嚼をする度に顔が無表情になっていく。


「美味しくない・・・」


そうだよな。

個人的にはこれを食べ続ける事で、魔法が使える進化先が出るかも知れないと思うが・・・

ただ進化条件を満たすにはどれだけ食べれば良いのだろう? 俺も既に飽きてきた。


「でもこの実と一緒に食べれば気にならないかも」

「マジで?。ほんとだ! 木の実の味しかしねぇ」


当たり前だけどな。

だがこれでまだ食えそう。


「あ、レベル上がった」

「は?」

「いや、レベル上がった。ずっと食べてたからかな?」

「食べてるだけで経験値貰えるのか!?」


初耳だ。

しかし自分の経験値も戦闘していないのに増えている。その可能性は高い。

となると食べるだけでレベルが上がる!? そして魔力も上がる。


やる気出てきた。


「おーしっ! ココアは木の実を集めてくれ、俺は花集めてくる!」

「了解。食べてレベルアップだね!」


ココアも理解したらしい。

2人で頷き合うと採取を始めた。

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