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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第4章 占拠戦
239/612

237・占拠戦を続けてみた⑧

遅くなってすみません。

「やったな」

「いや、手ごたえ無い」


喜ぶヒナゲシに対し、レストンが自分の下に敷かれている大盾を持ちあげる。大盾に乗り、自身の体重で押しつぶす『シールドストライク』は不発に終わり、レストンが舌打ちする。


直前で『縮地』が間に合い何とか回避した俺は、そんなレストンに後ろから抱き着いた。おっと、変な意味は無いからな。一応言っておくが。


「!?」

「すまんな。ちょっと重いが我慢してくれよ」


びっくりするレストンに抱き着いたと同時に、ココアが氷体でレストンを覆っていく。レストンたちはすぐさま反撃しようとしてきたがそうはさせない。

レストンの頭である鉄仮面を払って落とし、開いた首の部分から『アクアx2』で水を流し込む。といっても大きな水の球を打ち出してぶつけるだけの魔法なので、流し込むと言っても水の球を首の部分に当ててるだけだ。大半が鎧の中に入らず弾かれて飛散する。


「うわっ!? 水!」


だが要は中のヒナゲシが攻撃を中断さえできればいいので、半分以上無駄になろうが、俺が水浸しになろうが構わない。


「うぉおお!? 体ん中水流れてすっげぇ気持ち悪い!」

「やめろ、暴れるな! 出れないだろ!」


関節の隙間から水を垂らしながらレストンがのたうち回る。そのせいで脱出を試みたヒナゲシが抜け出せない様だ。ここで逃げられると面倒なので丁度いい。

そしてもたついている間にレストンを覆っていく氷体の冷気が、内部の水を凍らせヒナゲシをレストン内部に繋ぎとめる。


同時に俺が被った水も凍った為、俺もレストンに繋ぎ留められた。

結果4人の氷団子が完成。


「これでよし!」

「「「良くねーよ!」」」


1人満足げなココアに全員で突っ込む。いや、良いのだが、全身氷漬けにされた状態なので超寒い。・・・いやもう一周まわって寒くなくなってきたわ。


「あ、あんたら平気か?」

「・・・死ぬ」

「・・・・・」


ヒナゲシからの返事はない。ただの屍のようだ。まぁただ凍って喋れないだけだが。

さて、ここからどうしようか。一応『生魔吸収』が働いているようで、相手のHPがちょこちょこ減っている。放っておいたらこのまま倒せそうだが、相手のことを考えると止めを刺したほうがいい。


とはいえ動けないので後はココアに任せる。指示するとココアは俺から分離し俺ごと2人を『アイスウォール』で押し潰して倒した。


「なまけ、やったね」

「うん? ああ、お疲れ」


1人喜ぶココアにねぎらいの言葉をかけ、俺はその場に座る。こいつとペアだとすっげぇ疲れるな。やっぱり。

そう思う俺の目の前にポンタが下りてきた。



ーーーーーーーーーーー



猛毒でチキンが消えたのでなまけものの居る場所へ移動。相手が居ないのでどうやらなまけもの達も無事相手を倒せたようだ。

寄った直後になまけものが小声でペア変えないかと言ってきたが何かあったのだろうか?

勿論断っておく。すまん、ココアは僕では制御できん。


「3人とも回復終わったら進むわよ」

「はいはーい」

「りょーかい」

「分かった」


奪った占拠ポイントで全回復し、先へと進む。HPだけならココアの回復でも良いのだが、なまけものが魔力を結構消費したらしく全快にしておくことにした。


思った以上に減ってるからそれほど苦戦したのかと思ったら、大半が試し撃ちの所為らしい。こいつ・・・僕らが上空で苦戦してる最中に何してるんだと思うが口には出さない。負けてたら言ったかもしれないが、勝ってるんだしいいとしよう。


それに・・・


「試し撃ち? まさか遊んでたんじゃないでしょうね?」

「検証! け・ん・しょ・う! 今後の為に色々やってたんだよ!」


2人掛かりで責めるのもよくないしな。


回復が終わるころには、開始から既に30分を過ぎていた。この山エリア周辺もプレイヤーや冒険者が既に占拠ポイントを確保しつくしてきたようで、周囲を少し回って見たが全て奪取されたものばかりとなっていて空いているところがもう無さそうだ。

最初見つけたところをとりあえず奪ってみたが、ポイントの少ない占拠ポイントだったのに奪った相手との戦闘に時間が掛り、その上占拠ポイントを守る自身の分身が弱体化するというマイナス面が揃ったので、以降は上空からの確認後既に占拠されているところはスルーする方針に変更した。


幸いまだ僕らが奪ったところは奪われていない。


新たな場所に移動するとそこもすでに占拠済みで、占拠したと思われる冒険者の分身が占拠ポイントの中心に立っている。それを見たなまけものが大きくため息を吐いた。


「ここも・・・か。もう山エリアは駄目だな」

「エリア移動する? 次はどこだっけ?」

「海だが・・・ちょっと待て。どうすっかな・・・」


海か・・・。ここからスタート地点を飛び越えた反対側なんだよな確か。先日決めておいたから分かってるがやっぱり結構遠いな。なまけものもそう思ったのか、行くのに待ったをかける。


「いや、行くのはいいんだが。行くだけ無駄になりそうな気がしてな」

「無駄とは?」

「山エリアだけかもしれないけど、思った以上に早くプレイヤーがここまで来てる。てっきり森エリアと山登るので時間が掛るかと思ったんだが・・・」

「多分僕らがもたもたしてるからだと思うけど・・・」


チラッとユウさんとなまけものを見ると2人はサッと目線を逸らす。その横でココアがうんうんと頷いているが、大元の原因はお前だからな。


「ま、まぁとにかく。予想以上にみんなの動きが早い。だから海エリア行っても此処と大して変わらないかもしれない気がする」

「じゃあどうするの? まだこの辺で探す?」

「いや、こうなったら高ポイントだけ狙おう。とりあえず行きにくいところをメインで移動しようぜ。ポンタ」

「りょーかい。じゃあとりあえずフィールドを時計回りに移動するから順にそれっぽいところ指示してくれ」

「おう!」


僕はなまけものの指示する方向へ進路を変えた。

次回更新は明後日の予定です。

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