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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第4章 占拠戦
231/612

229・どいつもこいつもキレてみた

理由を知ったユウさんはキレた。

目立つからかなと思ったが、どうやら知らない所で自分が知られるのが嫌らしい。ゲームだからある程度は仕方ないと分かってはいるが、今回のは駄目だった。


写真コンテストに投稿した諜報人(張本人?)であるココアの本体を鷲掴みにしてさっきから説教タイムになっている。

人の背中の上では止めてほしいのだが、言える雰囲気ではないので黙って先へと進む。あーこわっ。


「だってしょうがないじゃん! 選ばれるなんて思ってなかったんだからぁ!!」

「だからその前に何で勝手に投稿なんてしたの!?」

「そりゃ良く撮れたから・・・あ、ごめん、ごめーん!! 転がすのは止めてー!」


そして話の内容はさっきからそれの繰り返しだ。


どうやらゆずポン酢はココアが僕らの写真を写真コンテストに投稿した時の題名らしい。因みに映ってるのがユウとポンタなので似ているゆずポン酢と題したとのこと。

ココアはその写真を決闘中に撮影したらしいが、想像以上に良く撮れたのですぐさま投稿したそうだ。だがなまけもの曰く写真コンテストでは、自撮りのような写真はベストショットに選ばれにくいらしい。

ココアもそれを知っていたので僕らに言わなくても問題ないと思っていたそうだが・・・結果、予想に反して好評だったらしくベストショットになってしまったと説明した。


「な、なぁ・・・まだか? 腕もげそうなんだけど」

「もうちょっとだけど、一旦降りようか?」

「もうちょっとか・・・。なら我慢する」


ココアはユウさんに氷体から引き抜かれた為、氷体のソリは消滅し、ソリに乗っていたなまけものは一度落ちた。何とか墜落前に『縮地』で追いついて捕まえ、それ以降僕の前足にぶら下がっている状態だ。


まぁなまけものがきついのは分かるが、結局全員を運ぶ僕もきついことを分かってほしい。

結局。ユウさんの怒声を聞きつつ、ねらい目の占拠ポイントへと到着。こちらは山の頂上ではないが、来るためには崖を歩いたり登ったりしないといけない場所なので来にくい場所になっている。今後もこのような他のプレイヤーが来なさそうなところを集中的に狙っていく予定だ。


その予定だったんだが・・・


「げっ!? 誰か来た!!」

「居るじゃん!!」


まさかの先客が居た。

垂直に近い崖からせり出した部分にある占拠ポイントに4人の魔物が居り、既に占拠を完了している。

飛べそうな魔物が居ないので、走ってきたのだろうか? 休憩してるのでどうやら奪った直後か、回復中のようだ。相手はユウさんの声で全員こちらを認識するが、ユウさんはまだ気づいていない。


「で!? これどうするのよ!? 早く消して」

「無理~! ベストショットに選ばれたらずっと残るから・・・」

「ずっと!?」

「いつまでやってんだ! お前ら戦闘だぞぉっと!」

「危なっ。もう攻撃飛んできた」


誰も居ないと思ってたので、不用意に近付きすぎた。向こうはすぐさま攻撃態勢に移り、こっちが手間取っている間に攻撃してきた。

流石にユウさんたちが背中で騒いでいる状態で戦闘は出来ない。慌てて占拠ポイントから離れ、地面のある場所へ移動する。そして体を振るわせてユウさんとココアを振り落とした。


「わっ!?」

「きゃ」

「邪魔。ちょっと降りて。なまけ」

「おう」


なまけものが背中に乗ったのを確認し、さっきの位置へ戻る。相手は律義にも待ってくれていた。


「やっぱ戻って来たか。そのままどっか行ってくれればよかったのに」

「すまんな。そこ点数高そうだから貰うわ」

「やるか! 飛んでるからといって、2対4で勝てると思うなよ」

「どうかな」


なまけものがにやりと笑う。どうやら作戦か何かあるのか? まぁなまけなら占拠ポイント全体を吹き飛ばすこと出来そうだけどさ。

占拠ポイントは戦闘するには十分な広さだが、やはり崖からせり出した部分にある分ちょっと狭い。なまけものの7~8重魔法なら占拠ポイント全体を攻撃可能だろう。


逃げ場のない所で、逃げ場のない魔法を撃つ。酷い奴だ。


「そんな無駄なことしねーよ。ああいうのはな落としたらいいんだよ。見た目誰も飛べそうにないからそれで終わりだ」

「ああ~・・・」


外道だったか。

まぁ相手は獣やスライムやらで軽そうだし、普通に戦うより楽そうだけど。


「丁度ユウとかも居ないしな。吹き飛ばして終わらせるぞ。すまんが、場所移動頼む」

「りょーかい。指示してくれ」


そしてなまけの言う通りに『縮地』で移動する。しかしそんな僕に衝撃波がぶつかる。威力は大したことないが、衝撃により体が揺れる。


「あだっ!」

「おととっ」

「馬鹿め! 俺らを落とそうったってバレバレなんだよ。全部聞こえてんだからな!!」

「おっと、ミス」


ふらつく僕に相手が大声で叫ぶ。どうやら相手に耳のいい奴がいるようだ。なまけものも予想外だったのかあちゃーと額に手を当て天を仰ぐ。妙にワザとらしいがこれも作戦の内か?


「まぁバレたらバレたで直接魔法をぶち込みゃ良いだけだだけどな。ポンタすまんが回避と牽制頼むわ」

「最初からそれで良いだろうに・・・」

「極力節約したいの! 回復に時間かかるならそうするだろ?」

「そのせいで戦闘に時間かかってるけどな・・・。結局デカイの撃つんだろ? それなら最初からーー」

「うっせぇ! 何事もトライ! トライなんだよ!! 一度の結果だけであーだこーだ言って、「やめとけ」とか難癖つけてくんじゃねー。そんなんだと結局同じになって新しい事なんもできねーじゃんかー!!」

「ど、どうした急に!?」

「え!? 何あれ?」

「さぁ? 仲間割れ?」


急にキレて吠えるなまけもの。何か触れてはいけないところに触れてしまったのだろうか? 急な豹変ぶりにより相手もたじろいでいる。


「そのくせ自分らのやりたい事は無理やりなんとかしろだとー!? クソが! 死ねやー!」


なまけものはそのまま相手を『ファイアx8』で消し飛ばした。

次回更新は明後日の予定です

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