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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第4章 占拠戦
224/612

222・海の中を探索してみた

引き続きなまけ視点

「なまけ生きてる?」

「な、なんとか・・・」


既に体の半分以上凍って動きづらいが、ダメージは受けていないので今の所はただ寒いだけで済んでいる。凍る速度も落ち着いてきたし、濡れた体も乾いてきたのでもう大丈夫だろう。


俺らは今海の中を沈んでいる最中だ。

物理的に考えると氷は普通水に浮くはずなので、この沈んでいくことに違和感がある。俺が乗っているからか? それともゲームでたまにある「プログラムが複雑になるからこれは物理無視でいいや」が発動しているのだろうか?

まぁあまり深く考えるのはやめとこ。潜れるんだし。


海の中は思った以上に暗く、深い。結構沖に出ていた所為もあってかまだ海底が全然見えない。

そして生物の何も居なかった。


「つまんなぁい・・・」

「海なんだし、鮫くらいいてもいいよな」

「だよねぇ・・・」


単純に居ない場所なのか、そもそも海には生物が実装されていないのか・・・。いや湖畔エリアの湖ですら何かしらの生物オブジェクトがあるので海エリアでも何かいるだろう。

単純に俺らが深い所に来すぎているだけだろな。


「もうちょっと浅瀬の方に移動するか?」

「分かったけど、どっちに行ったら浅くなるの?」

「ん?」


ココアに言われて気付く。すでに日の光が消えかかる位の深さまで来たので、前後左右何処見ても何も見えない。


「分かんねぇな。いったん海面まで戻らないと」

「ええ~・・・面倒~。一旦オアシスに戻らない?」


ココアの提案はオアシスに戻って再度海エリアに行く方法だろう。オアシスには転移できるし、その方が海面に上がってから、岸側に移動するよりも速く浅瀬へと行ける。


「確かにその方が早いか・・・」

「よし、じゃあ先行くね!」

「え!? あ、おい待てぇ!!」


冗談じゃねぇ。

ココアが先に転移すると、俺この海の中に放り出されるだろうが! ここは俺が先に転移してだーー


「あ」


そう言おうと思ったのにココアは転移してしまった。そして放り出される俺。

慌てて転移したおかげで死にはしなかったが、転移までの数秒間、体中が水圧に押しつぶされヤバかったね。オアシスに転移できた時にはHPがほぼ無かった。


周りが奇異の目を向けられ、オアシスでゲホゲホしてる俺にココアが何事もなかったかのように声を掛ける。

ココアは何時の間にかいつもの鳥の姿に氷体を変化させていた。やはりその姿が落ち着くのだろうし、今まで通り俺の頭が定位置なのだろう。


「殺す気か!?」

「死んでもオアシスに戻れるじゃん」

「殺す気か!」


まさかの強制デスルーラを執行されるとは・・・。この後、またココアに海底へ連れてってもらうのやめようかな・・・。


「おかしいなあ・・・。先輩がわざわざ転移操作しなくていいから楽できるって言ってたよ」

「・・・それって死んでもデメリットが少ない時にやるやつだろ? 苦しいし、デスペナルティもあるから極力やめてくれ」

「そうなの? 先輩は何時やってもデメリット無いって言ってたけど・・・」

「その人は、だからな。俺はデメリットあるからやめてくれ。な?」

「わかった!」


ふぅ・・・分かってくれてよかった。

しかしココアの先輩・・あれ? 誰だっけ? 名前出てこないけど、ユウの兄の奥さんだったな。その人こうなる事を見越してワザとデスルーラ教えたんじゃないだろうな?

ポンタが隠れヤバい人って言ってたし、変に勘ぐってしまう。


まぁいいや。忘れよう。覚えておくと今度会った時に身構えそうだからな。


「よーし、じゃあもう一回!」

「今度は先に転移するなよ?」

「分かってるよもー!」


再度海エリアに行き、ある程度進んだところで潜水を開始。といってもまだ底が水上からでも見える程度の位置なので、先ほどと違い体分沈んだところで氷体が底に当たる。ココアはそのまま歩くように動き出し徐々に深くなる沖へと向かう。


「この辺は魚居るなぁ」

「捕ってく~?」

「いやいい。先行こうぜ」


やりだしたら止まらなさそうなので今日はやめておく。

それより周囲に何かないか探索が重要だ。折角潜ってるんだから、海底探索をするべきだろう。


「あ、なまけ見て。あそこから一気に下に行けそう!」

「急降下すぎるだろ。もう下が見えないじゃんか・・・」


ある程度進んだ所で、まるで崖のように海底が深くなっている。海溝のようにも見えるが、ここから先はずっと同じ深さのようだ。

魚などの生物オブジェクトもこの先には一切見えないし、作りだすとキリがないからここまでしか作っていないということだろうか?

大抵のオープンワールド系ゲームだと、そういう場合大体見えない壁があって先へと行けないようになっていたり、無理やり戻される場合が多い。だがここではそれがない・・・となると違うのか?


「なまけ~どうする~?」

「ココアの好きにしていいぞ。俺は乗ってるだけだからな」


気にはなるので本音は進んでみたいところだが、乗ってるだけだからここはココアに任せる。

ココアはこっちをジッと見た後、


「じゃあゴーする」


何の躊躇いもなく、暗闇が広がる海底へと飛び込んだ。

次回更新は明後日の予定です。

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