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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第4章 占拠戦
223/612

221・なまけ達は探検を開始してみた

途中からなまけもの視点

「あーもー・・・」

「何なんだよ・・・」


目の前でブーたれるなまけもの。

さっきから寝転がって動こうとしないので困る。隣を通る他のプレイヤーが変な目で見てくるので辛い。


決闘の結果は僕らの勝ちで終わった。

なまけものが死ぬ直前『ダークx8』を発動させたが、僕とユウさんは咄嗟に『蜃気楼』で回避した。

結果ノーダメージで済み、なまけものが発動直後猛毒で死んだことにより終わった。


なんかスッキリしない終わり方をしたので、もやもやする。


「だから試したいことあるって言ったじゃんか!」

「でもいきなりアレは無いだろ!」

「せめて一言言うべきよね」

「うぐぅ・・・。で、でもあの時は時間無かったし仕方ないだろ」

「それでもいきなり攻撃してきたら避けるわよ」


なまけもの曰く、『ダークx8』が実際プレイヤーにどれ位のダメージを与えるか確かめようとしたようだ。

だが、当然受けたら痛い。いやさっき見せてもらった『ファイアx7』であの威力・・・。8重だと痛いじゃすまないかもしれない。


「まぁ理由は分かったけどそれは他のプレイヤーでやってね。痛いの嫌だし」

「自分ダメージないから知らないだろうけど、『ダーク』って何故か他のより痛いんだぞ」

「知らん! ・・・あ、ごめん! ちょ、蹴るのは無し! 冗談に決まってるだろぁあああああ!!」


その言葉に僕らは頷きタイミングを合わせて蹴り飛ばす。咄嗟になまけものが謝ってきたが遅い、フルパワーで蹴り飛ばすとドップラー効果を伴いながらなまけものは海へと消えていった。


「さて、なまけは海へ還ったし僕はそろそろやめるよ。2人はどうする?」

「私もやめようかな。とりあえずスキル確認はできたし」

「あたしはもうちょっとやってく。潜水艦になって海の中探索してくる!」

「楽しそうだけど、やりすぎ注意な。遅刻するぞ」

「ポンタじゃないし大丈夫だよ~」

「ぐっ・・・」


まぁココアは大丈夫だろう。

ココアに手を振って別れ、僕とユウさんはログアウトした。


ーーーーーーーーーー


「ぶはぁ! クソッ、あいつらマジ蹴りしやがって! どこまで飛んだんだ?」


海から顔を出して周囲を確認する。岸は見えるが、泳いで帰るのも面倒な程遠い。


しかし想像以上に飛ばされた。奴らは冗談ってのをまるで分っていない。

その上放置してログアウトだと!? 明日会社のメールボックスを嫌がらせメールで埋めてやろ・・・おっと、それはポンタだけにしておこう。ユウにはあのヤバい兄貴が要るからな。バレると倍返し以上のことをしてきそう。


「・・・さて、こっからどうするかな」


海にプカプカ浮きつつ、この後どうするかを考える。個人的にはレベル上げを兼ねて墓場エリアの10層に行こうかと思うが、流石に1人ではいろいろと面倒だ。特に階段守護者! あいつらはマジで邪魔。


「いや、あいつら狩ったらストレス発散になるか? ・・・けど負けると煽られるからイラつくし・・・ん?」


1人で自問自答していると何かが近づいてくる。こんな沖に来れる変わりの者のプレイヤーがココア以外に居たんだと感心していると・・・


「あ、なまけみっけ」

「何だココアか・・・」


本人だったか・・・。ココアは先ほど同様舟の氷体に包まれていた。乗っていいということなのでありがたく乗らせてもらう。

ふぅ・・・、乗って気付いたけど濡れた体で氷の上に乗るものではなかったな。体中の海水が凍ってきやがる。

しかし蹴り飛ばした2人が帰ったのにこいつはまだ残ってるし、わざわざここまで来たってことは・・・


「もしかして助けに来てくれたのか?」

「え? 違うよ? たまたま通っただけー」

「・・・そうか」


一瞬でも嬉しくなった自分が馬鹿だった。まぁ普通に考えてココアが1人で助けに来るわけないか。

しかしこっちに来たってことはまだ徘徊し足りないのか? 海はさっきも散々舟で走り回っただろうに。


「どこ行くんだ? 海ならもう十分だろ?」

「ふふん、なまけは甘党だね」

「甘党はお前だろ。で? 俺の考えが甘いのは分かったから何するか教えてくれないか?」


ドヤるココアに突っかかると面倒なので、適当に認めて聞き返す。


「探検! 海底に行くんだよー」

「海底か! 盲点だったぜ」


確かに考えが甘かった。

海底なんて行けると思っていなかったしな。


「面白そうだが行けるのか?」


核だけのココアが泳げるのかどうか以前にそもそも呼吸してるのかすら不明だ。見た目的には酸素要らなさそうだから行けそうな気がするけど。


「進化した後から潜ると潜水メーター?みたいなのが出てくるけど、氷で体を覆ったら問題ないよ」

「なるほどね」


潜水メーターが出るってことは、ロスリウスは今までの水属性精霊と違い潜れない設定なのだろう。しかし『氷体操作』は便利だな。戦闘、探索両方で使えるのは羨ましい。俺も融合した魔法の中に探索向けの魔法とか無いだろうか?

確か『シャイン』を一つ混ぜると補助魔法になったし、探せば何かあるかもしれない。


「なまけも行く?」

「お! いいのか?」

「いいよー。探検は多い方が面白いし」


氷体の舟が形を変える。そのまま俺を覆うボールのような形となり徐々に潜水。

しかし氷体で覆われているからだろう、潜ったの時の息苦しさを感じない。問題は氷体に覆われたことで海水の凍るスピードが増したことくらいか。


「これ、俺探索する前に凍って死ぬんじゃね?」

「じゃあ、しゅっぱーつ!」

「聞けよ!」


しかしココアは俺の懸念を完全にスルーし進行を開始した。

次回更新は明後日の予定です

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