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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第1章 初VRMMO
22/612

21・木の実を食べてみた

「こっちの落とすよ? 避けといて」

「了解・・落としていいわよ」

「よっと」


尻尾で木の実をもぎ取って落とす。木の実は引っ張るとすぐ取れた。

落ちた木の実は下に居るユウさんが回収する。これで何個目だっけ?


「12個目。1回下りてきたら?」

「そうする」


そう返して枝に巻き付くのをやめて飛び降りる。着地した際に地味なダメージが入った。

まぁこの程度なら回復できるはず。

この木の実で回復できれば、だけど。


「簡単に登ってたけどどう? 私でも登れそう?」

「多分いけると思うよ。リアルよりも筋力あると思うし、木にも突起が多いから。・・・ただ装備は外したほうがいいかも。重いと枝が折れる」


僕は木に巻き付いて登った。蛇は全身の筋肉が強いのか、登っている途中も頭を好きな方向に伸ばせるので、枝から枝へと行きやすい。ただ小さい枝は流石に体重を支え切れないため、ちょっとでも乗っかると折れてしまった。

ユウさんも登るのは問題ないだろうけど、装備込みだと体重が重いので登るためには一旦外したほうがいいだろう。


「なら駄目かも。外したら1~2分で消えるのよね。登ってる間に消えてしまうわ」

「そうなんだ。残念」


じゃあ次も僕がやろう。

採った木の実の味見が先だけど。


「どうぞ」

「ありがとう」


渡された木の実を尻尾で持って口に持っていく。ユウさんもその場に座って食べ始めた。

しかしゴブリンが正座して両手で木の実食べている図はシュールすぎる。ゲームに出てくるゴブリンはもっと乱暴な感じなので、おしとやかにされると違和感しかない。


「何かしら?」

「何も・・・」


気にしてたらじっと見てしまっていた。今は木の実に集中しよう。

このゲームでは殆ど感覚が共有されており、例えば木に触れたりすると、その木の肌触りなどが実際触れているように感じる。

流石に痛覚は極力低く設定されていて、刺されてもチクッとする位だが、味覚に関しては現実ほほぼ一緒だ。

なので不味かったら嫌な気分になるんだが、そのことを忘れていた僕は何のためらいもなく思いっきり齧ってしまった。


結果・・・


「まっずぅ!!」


思わず吐いてしまった。なにこれ、酷すぎない?

木の実を間違ったのかと思ったが、さっきの落下ダメージは回復している。つまり合ってる。

回復アイテム=美味いという認識が一瞬で回復アイテム=不味いに切り替わった。


「そうかしら?、リンゴのようで美味しいけど?」

「何・・・だと?」


あの実を美味しそうにシャリシャリ食べるユウさんに驚く。一瞬舌大丈夫かと聞きそうになってしまった。

彼女は1つ食べ終わると、次の実に手を出す。さっきの要領で一口齧り、


「!?」


思いっきり遠くへ放り投げた。どうやら相当不味かったようで顔色も悪い。


「大丈夫?」

「良くない。美味しくない」

「どうやらこの実には当たり外れがあるみたいだね」


けど見た目では分からないな・・・。

なまけものたちは知ってるのか?



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