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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第4章 占拠戦
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217・なまけものも試してみた

なまけもの :入口付近に居るぞー


「何処に居る?」と聞いたら返ってきた。プライベートビーチの転移機能を使って入口付近へと移動し、なまけものとココアの位置をレーダーで調べる。それによると・・・


「ん? 海の上?」

「みたいね。行ってみましょ」


最早降りる気もないユウさんの指示に従い飛び立つ。

同時に周りから響めく。くそぅ・・・さっきから周りの人だかりが鬱陶しい。


「おーい、それ種族何さー!?」


あと話しかけてくんな。急いで・・・はいないけど関わる気はない。

そっちで勝手に調べてくれ。


「一気に目立つようになったわね。前より目立たない色なのに」

「やはり目立つ原因はデカさか・・・」

「首の数じゃない? しかしこれからポンタと移動すると行く先々がこうなるのならちょっと考えないといけないわね・・・。でも移動は楽できるし・・・。うーん・・・」

「一応言っとくけどユウさんも目立ってるからね? あとユウさんの中では僕もう乗り物になってない?」

「あら、そうだっけ?」


全く・・・。

惚けてるのか、本気で言ってるのか分からないがとりあえず今はなまけものの所へと向かわねば。

しかしどこまで沖に出てるんだ? 結構飛んでいるのに・・・レーダー上では2人はまだ遠い位置に居る。

入口付近? 嘘じゃねぇか!


「ん? あれ何?」

「あれ?」


ユウさんが指差した右手の方向に何やら氷山のように氷の山が海から突き出ている。フィールドのオブジェクトかと思ったけど、一箇所だけしかないしそうじゃない気がする。


「あ、あっちは海が燃えてる。あ、こっちは黒くーー」


進めば進むほど海に異変がある。しかも僕らの進む方向近くにあるだけで遠い場所にはない。

誰かが冒険者と戦闘した後か? いや、冒険者は海の上までは来ないはず。知らないけど。


「ん? おお、来たか!」


徐々に海の異変が増えてくる中、一隻の舟を発見。何故かその上になまけものが乗っている。呑気に手を振っているが何やってんだ?

近くまで移動し、水面ギリギリをホバリング。


「こんな所で何してるんだよ? というか入口から離れすぎだろ! 全然入口付近じゃないじゃん」

「しょうがねーだろ。入口付近から出港したんだからさ」

「出港って・・・」


なまけものが乗っている舟を見る。氷で出来てるところから察するにココアだろこれ。氷さえあれば乗り物だろうが自在か・・・流石だな。

ずっと飛んでるのもあれだし、とりあえず乗るか。


「あー! 重い! 沈む!! 死ぬ!!!」

「あ、ごめん」


分かってたけど重量オーバーか。

片足を乗せた瞬間ココアが悲鳴をあげたのでまたホバリングに戻る。


「もー! 勝手に乗らないでよー」

「いつも勝手に乗ってたくせによく言うよ」

「それで? こんな所で何してるの?」

「『魔法融合』の試し撃ち。ビーチでやったらプレイヤーが集まってきたから逃げてきた。想像以上に威力がデカイし、集まってきたやつにかすって戦闘になるのはめんどいからな」

「使えそう?」

「おう! 戦力外通告は絶対無いな。寧ろこれからの戦闘は俺1人で十分くらいの威力だぜ」

「へー。それはいいじゃない」


どうやら『魔法融合』はかなりお気に召す程のスキルのようだ。

なまけものがざっと調べた限りだと、『魔法融合』を使わずに単発撃ちの威力を〈弱〉とすると、2重の掛け合わせで単体〈中〉程度、3重で単体〈強〉、4重で全体〈弱〉、5重で全体〈中〉、6重で全体〈強〉程度の威力になるらしい。ただ組み合わせによっては相手を毒状態などの状態異常に変化させる魔法になるなど、全てがそうというわけではないようだ。

そしてさっきまでの海の異変はこれを調べるために撃ったなまけものが原因だった。


「じゃあ7重にするとどうなるんだ?」

「それは今から。多分これ以上重ねても全体〈強〉よりもちょっと強くなったり発動する魔法が変わるか程度だと思うぞ」

「まぁそんな所なんだろうな」


とりあえず今から撃つみたいなので少し離れて見学させてもらう。僕らが十分離れたことを確認し、なまけものがスキルを発動した。


「『ファイアx7』!」


発動と同時になまけものの手に7つの赤い弾が出来、一つに纏まる。なまけものはそれを前方へと撃ち出した。

そして・・・


キュゴオオオ!!


一つに纏まった弾は一気に膨張し大爆発を起こす。その影響で着弾点が一瞬で蒸発し渦潮が起きる。


「あわわわわわっ!」

「おっと」


飛んでいるこっちは平気だが浮かんでいるココアは今の位置を維持するのに必死だ。尻尾を舟の一部に巻き付け動かないように固定する。


「ありがとっ。もぉ! 『ファイア』は危ないからやめてって言ったでしょ!」

「悪い悪い。でも威力だと『ファイア』が1番だからさ。凄かったろ?」

「確かに・・・」


大半の戦闘はあれだけで終わるんじゃなかろうか? と、思えるくらいの威力だった。ただ発動から攻撃までの時間が長いのでどんな攻撃か分かっていれば回避出来そう。


「だろうな。出来ない場合ゲームとしては成り立たないしさ。それに撃てても1〜2発と言ったところか。魔力消費が尋常じゃねぇ、余程の時以外使う事はなさそうだな。ところでお前らはもう自分のスキル確認したのか?」

「大体は」

「私達結構いい感じだったわよね?」

「ほう? 良い感じねぇ」


なまけものが悪い顔をした。何を考えているかすぐに分かった。

こっちも悪い顔をしつつ、


「試してみるか? 2体2で」

「良いのか? 負けても知らんぞ」

「大丈夫よ。何か賭ける?」

「やめとく」


流石に賭け事は懲りたか。チャンスだったのに・・・。

次回更新は明後日の予定です。

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