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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第4章 占拠戦
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209・タイタンと戦ってみた⑥

「とりあえず、攻撃重視で速攻終わらせるぞ!」

「分かったわ」

「了解」

「はいはーい」


足場が無くなってから数分。僕らはタイタンの肩から上に居座って攻撃を繰り返している。幸い『神波動』はまだ使ってきていない為、まだ攻撃に専念できている。

とはいえ大声の衝撃で攻撃したり、体を大きく揺らして落とそうとしてきたり、つまんで捨てられたりと露骨に落とそうとしてくるので適度に回避を行う必要はある。


落ちたら終わりだ。


「やっばぁ! おーい、助けてくれ」

「「「無理」」」


つまんで捨てられたなまけものはタイタンの足にしがみついて今にも落ちそうだが、助ける余裕も方法も無い。『縮地』を使えば戻ってこれるはずなのでとりあえず放置する。


「あと2割!」

「まだ2割もー!?」

「ココア、そう言うなら攻撃しなさい!」

「もう魔力無いよー」

「『眼光』があるでしょ!」

「あ! そうだった」


元々暑さで弱体化してた上、回復に魔力を使っていたココアは先ほど魔力が尽きてリタイアし、今は僕の頭に乗ってのんびりしていたが、ユウさんに言われ思い出したように『眼光』を使始めた。

しかしココアの小さい目から射出されたレーザーは相手のHPを削れるのか怪しいくらいか細い。


ユウさんも同様の疑問を感じたようで、


「無いよりマシだろうけど、効いてるの?」

「むぅ!? ちゃんと効いてるよ! 多分!」

「いや多分だと困るのだけど・・・」

「じゃあ本気モードを見せたげる!」

「最初からやりなさいよ!」


ココアが急に頭の上で『フォルムチェンジ』を使用した。鳥だった姿が数秒で目玉だらけの丸い何かに変わる。ココアはその状態で『眼光』を発動、全身から一気にレーザーが放たれる。

ミラーボールならぬ、レーザーボールだ。僕やユウさんを含め全方位に放たれたレーザーがタイタンの至る所に直撃する。こっちはダメージがないし、これはかなり効いてる感じがする。


ただーー


「「気持ち悪っ!」」


その容姿は物凄く気持ち悪かった。

漫画だと気にならなかったかもしれないが目がリアルすぎてすごく気持ち悪い。まだ色が体色の水色のままでよかった。これがフルカラーだったら夢に出てきそうだ。

ただそれはココア自身も分かっているようで、「分かってるよ、もー! だからあんまり使いたく無いの!」と言い返してきた。


とそんな僕らの側になまけものが這い上がってきた。


「はぁはぁ、死ぬとこ何じゃこりゃ!?」

「お帰り、これはーー」

『『神波動』ぉ!』

「「!? 『蜃気楼』」」

「ぐぁあ!?」


戻ってきてココアにびっくりした直後、また吹き飛ばされるなまけもの。今度こそ死んだかもしれない。

僕 (乗っているココア)とユウさんは『蜃気楼』で回避。今気づいたけどこれ同じ位置に転移すれば実質攻撃無効なんだな。使っているとどんどんヤバいスキルだと分かっていく。


さて、

なまけものの生存はココアにチャットで確認してもらうとして、こちらは攻撃に集中しよう。今『神波動』を使ったから直ぐにはーー


『『神波動』ぉお!!』

「い!?」


そんなことなかった。

連続使用してきた『神波動』衝撃に吹き飛ばされる形でタイタンから離される。しかし一緒に飛ばされたココアが僕を支えつつ浮いてくれたおかげでそのまま落ちるのは免れた。


「お、重い~・・・」


しかし重量オーバーなので徐々に高度が下がっていく。急いで『縮地』を使い、タイタンの肩へと着地した。


「ポンタ!」

「大丈夫、ココアのおかげで助かった」

「はぁはぁ・・・次はもう無理~・・・」


『蜃気楼』で上空に逃げていたユウさんには当たらなかったようで、着地と同時に心配するユウさんが寄ってきた。


「なまけは大丈夫かしら?」

「さっき足の上に乗ってるの見た。まだ生きてる」


空中にいた時、タイタンの足の甲にしがみついているなまけものが見えた。HPはヤバそうだったが、どうやら2発目の『神波動』はしがみついていたおかげか吹き飛ばされずにすんだようだ。しがみつきつつも魔法で攻撃していたようなので、上がっては来ずのあそこで攻撃し続けるつもりなのかも知れない。


「分かったわ。じゃあなまけが死ぬ前に片付けましょ」

「了解」


こっちもHPがヤバい。ほぼ捨て身で今まで以上に攻撃を開始する。意外と『眼光』が効いているのか残りHPはあと少し。


「このまま押し切るわよ!」

「了解」

「おー!」


最後は無我夢中だった。

とにかく『毒双斬』を馬鹿の一つ覚えみたいにただひたすら使い続ける。恐らく一度でも攻撃されてたらやられていただろう。タイタンの狙いがユウさんになっていたようで、こちらに攻撃が飛んでくることはなかった。ユウさんは脳死殴りしているこっちと違って攻撃と回避を的確に切り替え、


「『紋切』!」

『おおお・・・』


きっちりフィニッシュさせた。

HPが0になったタイタンは一気に生気が無くなり、光となって消える。


「ん?」

「あっ!」

「消えた!」


直後、足場を失った僕らはそのままマグマへと落ちていった。

次回更新は明後日の予定です。

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