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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第4章 占拠戦
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205・タイタンと戦ってみた②

「次はこの穴だな! よし、奥まで行ける」


最初の穴は、穴に見せかけたただの凹みだった。その為直ぐに次の穴へと移動して中に入る。後ろからタイタンの雄叫びと同時に大きな振動と何かが崩れる音がする。あまり時間を掛けたくない。


なまけものはギリ一発耐えられると言っていたが・・・だからと言って安心はできないだろう。回避に失敗して落ちてしまう場合もあるからな。


急いで穴の奥へと向かう。


フシュゥー!!


「おおっと!? 『縮地』」


まさかの蒸気トラップ。ボス戦なのでトラップがあるとは思っていなかった。止まりきれないので、ダメージ覚悟で蒸気の壁を『縮地』で抜ける。咄嗟の判断だったが最小限のダメージ切り抜けられた。そして蒸気の向こう側の壁に激突する。暗くてよく見えなかったが、どうやら道が直角に曲がっていたようだ。


運営め・・・


「くそっ、急いでいるのに・・・」


ジンジンする頭をさすれなかったので我慢しながら、垂直の上り坂に急遽変わった道を進む。誰でも登れるように梯子までついていたので、やはりこの先に何かあるのだろう。とはいえは僕は梯子を掴むことが出来ないので、横の壁を上る。


「わぁ!? もー!!」


上る途中にも亀裂と蒸気。鬱陶しいことこの上ない。此処も『縮地』で強行突破して登り切る。そこにあったのは・・・


「何これ? バリスタ?」


一応言っておくがコーヒーを入れる人では無い。

据え付けの大きな弩砲が設置されていた。咄嗟にバリスタと出てきたのは他のゲームで似たようなのを見たからだ。

既に矢羽の側に鎖のついた大きな矢が装填されておりすぐに撃てる状態になっていた。鎖の反対側はバリスタの台に繋がれておりこれは恐らく拘束用のバリスタなのだろう。


「発射は・・・あ、これか」


だから何も考えずに撃った。

狙うなんて時間の無駄だ。どうせこの矢が通るだけしか空いてない穴では何も狙えない。

だが勢い良く矢が発射された矢はどうやらタイタンへと突き刺さったようで、同時にタイタンの悲鳴にも似た叫び声となまけもの達の困惑声が聞こえてくる。


『おおおおおお!!?』

「何だこりゃあ!?」


せめてみんなには連絡しておくべきだったと撃った後に気付く。


なまけもの :おいポンタ! 何かしただろお前!

ポンタ   :した。ダメージどうなってる?

なまけもの :減ってねぇよバカやろー。それよかこっちが死にそうになったわ

ポンタ   :あれぇ?


てっきり今のでそこそこ減ったと思ったが・・・まさか減ってないとは。だがこれで何か変わーー


『がぁああああ!!』

「おわっ!?」


タイタンが鎖を引っ張ったのだろう。鎖が繋がっていたバリスタの固定が外れ周囲の地面、壁を丸ごと引っぺがして飛んでいく。お陰で一気に見晴らしが良くなった。こっちに向かってくるタイタンの腕がよく見える・・・


『おおおおぉお!!』

「『蜃気楼』ぉ!」


危なかった・・・。

タイタンは刺さった矢が痛いのか見境なく周囲の壁を壊しだし、まるでステージの難易度を上げるかのように足場をどんどん潰していく。その崩れた足場がマグマを埋める。


そしてタイタンは自身の周囲をある程度破壊したところで一旦動きを止めた。


「むぅ・・・結構壊したなぁ。次の穴はどこに・・・」

「ポンタ!」

「お前何したんだよ!?」

「ちょっと暑さマシになった・・・」


探しているとみんなが寄ってきた。


「穴の奥にバリス・・・大きなボウガンみたいなものがあったから撃った。ところでなまけからしてあれはどう思う?」


なまけものは分かるだろうがユウさんとココアにバリスタと言っても分からないと思ったので、ボウガンと言い換えて状況を説明する。そして合わせてなまけものの意見を聞いてみる。

なまけものは少し唸って・・・


「ダメージが無いのは気になるが、フィールド変化があったしそういうイベントボスな気がする。何発か撃てば、タイタンが倒せるか、まともに戦闘が出来るようになるんじゃないか?」


なまけものは僕と同意見だった。

フィールドの足場が減って難易度を上げている以上、バリスタを撃って攻撃するのは間違いなさそうだ。


「よく分からないけどとりあえず穴の奥にあるボウガンを撃てばいいのね?」

「多分。何発撃てばいいかは分からーー」

「パッと見だとあと3発位かな」

「え?」


驚く僕らに対しなまけものは何か所か指を差す。


「あそこと、あそこと、あそこ。ボウガンの穴が3つはあるから最低3発は要りそうだな」

「良く見えるな・・・」


僕には見えないが、なまけものが自信をもってあると言っている以上あるのだろう。問題はバリスタのある場所=入れる場所では無いということだ。まぁバリスタの位置が分かれば、大体予測できるので何とかなるだろう。


「じゃあ丁度いいわね、分かれてそれぞれ作動させましょ。私あっちのに行くわね」

「「了解」」


ユウさんがそう言って右側へ移動を開始。倣って僕らも行動を開始した。

次回更新は明後日の予定です

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― 新着の感想 ―
[気になる点] マグマ…巨大な敵…まさかあのクソボス…?やはり開発陣中にはフロム…
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