201・火山エリアの隠しエリアを進んでみた②
「おおぅ・・・これはまた・・・」
数回の『縮地』で蒸気地帯を抜けると一気に周りが広くなった。道は緩やかな下り坂になっており下に降りるようだが、深すぎるのとマグマの光で先が良く見えない。
そして問題が、道の狭さだ。明らかに先へと進ませる気のない細さの道が絡まった糸のように空間に浮いている。道の細さは普通の所で僕の胴幅くらいで細い所は片足分くらいしかない。
しかも運営の悪意なのか、途中道が切れてるところすらある。
正直落ちずに行ける気がしない。
「ふぅ、ようやく抜け・・・」
「なんだユウ。何かあった・・・うーわっ」
「暑いー!!」
遅れて蒸気地帯を抜けてきた3人も目の前の光景に言葉を失った。1人暑さでやられてるだけなのもいるが・・・まぁ予想通りなのでスルー。
「これ俺無理じゃね? 足幅的に」
「かもしれないわね、私でもギリギリだわ。ゴールは・・・」
「多分下のマグマ付近までだと思う。良く見えないけど下の方にも道あるから」
「・・・ひどいエリアね」
僕もそう思うが、進むしかない。
「じゃあ先行くから何かあったら宜しく」
「おー頼んだぞ」
「もう確認もしないのね・・・」
だってなまけものを一番にしても飛び降りる時と同じになりそうだからな。それに今回は最初がいい。2番手以降だと先頭が動けなくなった瞬間こっちもどうしようもなくなるからね。
それに落ちても『蜃気楼』を使えば戻れるかもしれない。寧ろワザと落ちて『蜃気楼』発動させて一番近い道に移動した方が早いか?
いや確証がないからやめよう。行ける所まで行って落ちたらそっちに変更だ。
幅が胴体ほどしかないので、いつもの4足歩行だと道に足がのらない為、体を起こして2足歩行で進む。一歩一歩が小さくなるが仕方ない。
まぁ安全ベルト (尻尾)として尻尾を道に巻き付けているので足を踏み外してもすぐには落ちないが。
「よっと、おっと」
「危なっかしいなあいつ」
「無理やり2足歩行にしてるからじゃないかしら。ぷぷ、歩けるようになった赤ちゃんみたい」
「よちよち、よちよち」
「「「あはははは」」」
・・・・・言いたい放題言いやがって。
文句を言いたいが振り返ると落ちるので我慢だ。さっさとゴールして安全地帯からやり返してやーー
「あっ」
「「「あはは、あっ」」」
早く行こうとしたのが間違いだった。あっさりと足を踏み外して落ちる。
「あっ! いでっ! がっ・・・」
幸い下に別の足場があった為マグマには落ちずには済んだが、上手いこと着地出来ずパチンコのように色々な所をぶつけて体中が痛い。特に最後は頭から落ちたので無茶苦茶痛い。
ゴキって音鳴ったし。
「大丈夫ー!?」
上から声が聞こえてきたので手を振って返す。
落ちたところは休憩場所なのだろう。多少広く出来ており二足歩行せずとも多少は動ける。
「HPはそれほど下がってないな。で、残りはどれくらい降りれば・・・」
下を覗くとまだ半分くらいありそう。そしてここからは難易度が上がりそうだ。
所々でマグマが噴き上げたり火の玉がアーチを描いて飛び出してきている。もはやマリ◯ワールドの世界だ。
流石に火の玉に目はついてないけどさ。
「で、ゴールはあそこか。遠いなぁ」
壁のマグマの表面スレスレに穴が開いており、この道はそこに繋がっている。途中半分マグマに浸かってるし、火の玉は最早弾幕だ。運営行かせる気無いだろあれ。
「ポンタぁああ!」
「あっ」
そんな時、脱力する僕の目の前をなまけものが落ちていった。そんな助けを求めるように手を伸ばしても一緒に落ちるだけで助けられないし助けない。
そもそもあの位置だとマグマに落ちることないから放っておいても大丈夫だ。
「グヘェ!」
「大丈夫かー?」
「お・・おお、何とか」
ヨロヨロとなまけものが立ち上がる。流石になまけものの巨体だと少し広い足場のこの辺りでも狭いらしく立つのも必死らしい。何とか立ち上がったなまけものは下を見て叫んだ。
「マリ◯ワールドじゃねぇか!?」
やっぱりそう見えるよね。
次回更新は明後日の予定です