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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第4章 占拠戦
201/612

199・入口へと入ってみた

不要な戦闘があったが、何とか火口まで到着。現実時間が内部の攻略できるか微妙な時間だが、気にせず行くことにした。なまけものが言うにはクリアできる確率が低いらしいので、今日はクリアするのではなく中がどうなっているかを見るつもりで行く。


「それで、入口は何処なの?」

「えーっと・・・お、あれだ」

「・・・下過ぎない?」


なまけものが真下を指差す。そっちを見てみると火口奥に見えるマグマ近くに何やら足場が見えた。どうやらあの足場に着地すれば隠しエリアに行けるらしいが・・・


明らかに運営の悪意を感じる。


まず、足場が小さい。一応僕らの中で一番大きいなまけものでも乗れそうな大きさではあるが、この高さからの着地するには小さすぎる。もちろん失敗=死なので、失敗したらまたこの火山を上ってこなきゃいけない。


それに仮に成功しても、あそこは温度的に大丈夫なのだろうか? 足場が熱でなのか不明だが若干赤みを帯びており目に見えて熱そうなんだが・・・。着地した瞬間地形ダメージを受けそうだ。落下ダメージと合わせると着地と同時に死ぬかも。


「じゃあどっちにしろ行けないじゃない!」

「大丈夫だって。入れた奴いるらしいし」

「じゃあなまけ行って」

「え?」

「大丈夫って言うのなら、行けるって証明して」

「おい待て、押すな!! こういうのはじゃんけんだろ!?」


そう行ってユウさんがなまけものを火口へと突き落とそうとする。じゃんけんによる公平をなまけものが主張するが、先頭を行く嫌さを知って貰いたい僕は無視する。


「ほら早く! 時間無いんだから」

「待て待て、この下何もねぇから!! もっと右だ!!」


そしてギャーギャー騒ぐこと数分。


「・・・よし、ここなら・・・」

「「早く行けよ」」

「なら先に行けよ! ミスったら死ぬんだから慎重に行かせろ!!」


ようやく飛び降りる位置を決めたなまけものだが、なかなか一歩が出ないようだ。ゲームなんだからさっさと飛び降りればいいのに。

山の頂上から飛び降りるのに比べればなんてことないだろう。こういうのは無心で行くものだ、変に考えると簡単なことでもうまいこといかない。


「そう思うなら先に行けよ・・・」

「いいよ。ちょっとどいて」


いい加減ちまちま位置調整して待たせるなまけものにしびれが切れそうだった。どうも最近短気になったような気がする。ゲームのし過ぎだろうか? 少し外でのんびりした方がいいのかもしれない。


退いたなまけものに代わり、着地点を確認する。なまけものの決めた位置は丁度よさそうな位置だ。ここからなら壁伝いに下りて行けば・・・


「あっ!」

「どうしたの?」

「あ、いや・・・。僕壁登れるんだった」


登れるんだから勿論下れる。火口の壁は垂直に近いが多少傾斜が付いているので、そのまま壁に張り付いて下りることが出来た。飛び降りることしか考えてなかったけど、普通に歩いて行けるわこれ。

後ろでポカンとしている2人に片手を上げて、


「じゃ、お先」

「「ずるー!!」」


後ろから文句が飛んでくるが無視して入口まで普通に歩くように移動する。途中から壁が熱くなり、スリップダメージが入りだしたが、この程度の減り具合なら余裕で間に合う。


「到着っと」


そして入口へと入って、飛び出した足場は熱そうなので念のため中で地面に着地。こういう時蜥蜴でよかったと思うね。一応ドラゴンだけど。


直ぐにチャットで到着を連絡する。速攻で2人から文句が帰って来た。乗せろとかなまけものが言ってるが、大きさ的に無理なので、「諦めろ」と返しておく。

ここで待ってても仕方ないので、1人で先にーー


「ん?」

「わわわ・・わぁっと! ・・・ふう、なんとか行けたわ」


ズザザザザッと入口の外で音がしたので、少し離れてみると入口付近にユウさんが着地。どうやら砕鬼を壁に突き刺してブレーキ代わりにしながら無理やり下りてきたようだ。ココアはなまけものは下りられないと判断したのか、ちゃっかりユウさんの方に乗っている。


ユウさんはにやりと僕を見て笑う。


「ふふん。1人で行こうとしたでしょ? そうは行かないわ」

「くっ、バレたか」


というかなまけものは?

その答えにユウさんとココアが首を振った。ちらっと入口から上を除くと、まだ飛ばずに二の足を踏んでいるようだ。バラエティーで無理やりバンジーさせられる高所恐怖症の芸人みたいだ。


「どうする?」

「どうもこうも・・・自力で下りて来ないんじゃ放っていくしなかないわね。私もう上がれないし」

「あたしは出たくないし」

「それもそうーー」

「のあああ!」


ドォン!!

先へと進もうとすると、入口で土煙が上がる。


「ちょぉ! ヘルプ、ヘルプ!!」

「あ、来た」


一瞬身構えたがどうやらなまけものが意を決して飛び降りたようだ。出っ張りに着地は出来たようだが、足を踏み外したようで、今にも落ちそうになっており、必死に出っ張りにしがみついて耐えている。


「・・・ポンタ左手持って」

「うい」


放置するわけにもいかないのでユウさんと2人で何とか引き上げた。

次回更新は明後日の予定です。

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