表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第4章 占拠戦
197/612

195・攻撃されてみた①

『ぎゃぁああ!!』

『うわぁああああああ!』

『あじゃああああ!』


ふふふ、楽ちん楽ちん。

鬱陶しい地形だが、冒険者を処分するにはすごい助かる。特にマグマのダメージは凄まじく、落ちた冒険者は強さに関係なく、ほぼ即死だ。

お陰で僕は彼らを落とすだけで簡単に勝てる。幸い足場も狭いので、ちょっと横から体当たりするだけで簡単に落ちてくれた。しかも皆面白おかしく驚きながら落ちていくので物凄く楽しい。


しかもレベル上げの効率もいい。

経験値も高いし、冒険者はそれなりの頻度で通る。いい狩場だ。


だがそう思ってたのは僕だけじゃないようで、


「おーい、もういいだろー! そろそろ場所を代わってくれー」

「! あ、すみませーん」


振り向くといつの間にかパーティがそこに居た。声を掛けてきたのは一番手前にいる一つ目の巨人(サイクロプスかな?)で、後ろに3人居る。

多分この一つ目の巨人がリーダーなのだろうが、ごつい巨体なのにヘラヘラしているのでなんか弱く見える。


どうやら同じ方法でレベル上げを行いに来たようで、陣取っていた僕にどいて欲しいようだ。「後から来たのに退けとよく言えるな!」何て言ってもいいが、そうなれば戦闘は確実で、相手は4人パーティなので勝ち目はほぼ無いだろう。


ここは大人しく譲る。揉めてきぶんが悪くなるのも嫌だし。


「すまんな」

「もう十分やったのでいいすよ」


そもそも当初の目的である散歩の途中だった。完全に忘れてたわ。山の頂上まで行くことを考えると、長居したのは間違いだった。今日中に行けるかな?


「いや、ホント悪い、な!!」

「!? 『蜃気楼』」


ドスンッ!

サイクロプスは後ろを向いた僕にいきなり大きな足で踏みつけてきた。幸い持ち上げた足の影が見えたので、とっさに『蜃気楼』で躱すことができ、瞬間移動で一気に彼らから距離を取る。


「おいおい、よけられてんじゃん!」

「仕方ねーじゃん。くそ、面倒なスキル持ってんなアイツ」

「どうせ一人だし余裕っしょ」

「・・・・・」


離れた所から睨みつけると、彼ら・・・いや奴らは仲間内で笑いあっている。

どうやらウザいタイプのプレイヤーだったようだ。いたぶるのが好きなタイプか、面倒なのに見つかってしまった。


「おいおい、さっさと来いよ。こっちはレベルシンクで弱体化してんだぞ?」

「ビビりなんだろ? 煽ってやるな」

「ははは、お前もな」

「・・・・・はぁ」


なんか言ってるが、僕にその手の挑発は効かない。キレて突っ込んだところを攻撃したいのだろうし、ここはのんびり待ちの姿勢と行きますか。恐らく僕と奴らの間にある細い場所を通った瞬間攻撃して落とす気だろう、戦法が分かりやすい。

ならこちらもその戦法を使ってやろう。どうせあの手のタイプは我慢強くないから、数分待てば向こうからくるだろうし。


「よいしょっと」

「おいてめぇ! 何座ってんだ!? やる気あんのか?」

「無いよ。だって相手は弱体化した雑魚だから、勝ってもレベルも上がらないし」


マーキングしてみると、4対1のせいだろう相手のレベルは35も無い。袋叩きにされれば負けるだろうが、このフィールドでは下手を打たない限りそれは無い。

それにサイクロプス以外は赤い虎、黒い硬そうなゴーレム、とんがり帽子を被った人形(かな?)で、後衛っぽいのは人形だけだ。なのでこの場で戦えば、遠距離攻撃が無い場合2人は何もできないだろう。


このレベル差で実質2対1なら多分勝てる。

だからやる気は無いが逃げる気もない。向こうが逃げるなら追う気も無いが・・・


「ビビりが言うじゃねぇか。なら負けたらお前は雑魚以下だな」

「あーはいはい。そっすね」


向こうは逃げる気無さそうだな。というかあの人形の人もやる気無さそうだな。さっきから溜息だけで一言もしゃべらないし。まぁどうでもいいけど。


それから数分にらめっこが続く。思ったよりも相手は辛抱強いな、てっきり1分もしないうちにしびれ切らすと思ってたんだが。


「・・・なぁおい、あいつ全然来ねぇぞ、時間の無駄じゃん」

「いちいち面倒な奴だな。さっさと来て死ねよ」


「面倒なのはお前だ!」と思うが、言うやる気も出ない。お、ユウさん達が来たんだ。何故かカイザーさんも来たな。ということはリコさんも居そうだ。みんなで隠しエリアにでも行くのかな。


ユウ    :お疲れ。ポンタ今どこ?

ココア   :隠しエリア行こー?

ポンタ   :火山エリアだけどウザいプレイヤーに絡まれ中だからちょっと無理かな

ユウ    :助けいる?

ポンタ   :もう戦闘してるから適当に倒してそっち行く

ユウ    :分かった。じゃあ火山エリアの入口で待ってるね


うーん・・・困ったな。適当に倒すとは言ったが、基本待ちなのでいつ終わるか分からない。

待たせるのは悪いし、できれば先に行って欲しかったんだが・・・。待ってると言われた以上、さっさと倒さないといけない。


さて、どうするか・・・

次回更新は明後日の予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ