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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第4章 占拠戦
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186・カイザーさんと行ってみた②

ようやく巨木エリアの境へとついた。やっぱりこちら側だとちゃんと境目が見える。これは前回と同じだ、となると入ればまたあのループ空間に入るのだろう。そう思うと自然に足が止まる。

そして急に止まった僕に対しカイザーさんが怪訝な顔をした。


「どした?」

「・・・あ、いや。カイザーさん、ちょっと先に入ってもらっていいですか?」

「なんでだ。なんか罠でもあるのか?」

「それならそう言ってます」


せっかく2人で来たのだ、先に入った他のプレイヤーが外からはどう見えるか見てみたい。しかしカイザーさんは「本当か?」と疑いの目を向けており、行こうとはしない。

ここまで信用がないとは心外だ。


「そりゃお前の今日の態度を考えるとな・・・なぁ?」

「あ、そっすか」


まるで僕のせいだと言わんばかりにイラっとする。

じゃあ逆バージョンだ。先入ってカイザーさんがどのように入ってくるか見ようかな。

そう決めるとカイザーさんに断って先に巨木エリアへと入る。やはりさっきと同様で入った瞬間境目は見えなくなった。

ついでにカイザーさんも消えた。


すぐに後退してみたがやはり出れない。見えないだけでなく完全に境目が消えていた。と、そこへ空間の裂け目から出てくるようにカイザーさんが現れる。


「おい! ポンタどこ行った!?」

「あ、ここにいますよ」

「急に消えるなよ。逃げたと・・・あれ?」


僕が転移で逃げたとでも思ったのだろうか。するならとうにしてる。

カイザーさんは周囲の異変に気付いたようで、キョロキョロながら困惑している。


「多分ループ空間みたいなもんだと思うんですよね。まだよく分かってませんが」

「・・・ループ? ああ、あのマ〇オ64の無限階段みたいなやつか」

「無限階段・・・。あ、あれですか、また古い例え持ってきますね。でもあれはすぐ戻れますのでちょっと違うかと」

「そういやそうだったな。出方は? どうやって帰るんだ?」

「オアシスに転移で帰れますし、カイザーさんなら飛べば帰れると思いますよ。この結界木より上は効果ないみたいですので、それより高く飛べば行けるかと。まぁ天照倒せば違うところから出れると思いますが・・・」

「ふーん。なら倒せば問題ないわけだな。何処にいる?」

「地下ですね。このエリアの中心にひと際大きな木がありますので、そこから行けます」

「どれだよ!? 全部デカいぞ」

「これらの木よりも高く飛べば分かりますよ。明らかに大きさが違うので」


あれだけ大きい木は巨木エリア全体で一本だけだったからすぐ分かるはず。そのことを説明すると、カイザーさんは「確認してくる」と言って飛び上がり、絡み合う枝葉を突き抜けて行った。


ポンタ   :どうですか?

カイザー  :あれだな。確かにデカい

ポンタ   :じゃあそこまで行って待っててもらえます? カイザーさんの位置を頼りに移動します

カイザー  :分かったよ


レーダーでカイザーさんが移動したのを確認し、その方向へと僕も移動する。実の所さっきは適当に彷徨ってあの場所にたどり着いたので、道を覚えていなかったからカイザーさんが居てくれて助かった。本人に言ったらデカい顔するから言わないけど。


道中のキノコを齧りながら、高速で移動するカイザーさんの方へと走る。途中HPを回復するキノコを発見し、それは後の落下ダメージ用に回収。ついでにカエンタケ(仮名)も回収。

あ、これはカイザーさん用ね。


「遅いぞ!」

「木を避けて行くから仕方ないでしょーよ」

「嘘つけ、キノコ食ってただけだろ!! 口の周り付きまくってんぞ!」

「あ、ほんとですね」

「お前なぁ・・・」

「まぁまぁ、カイザーさんの為に取ってきましたよ」


呆れるカイザーさんに自然な流れでカエンタケ(仮名)をプレゼント。しかしカイザーさんはそれを見た瞬間叩き落とした。


死激茸(しげきだけ)じゃねーか! 殺す気か!?」

「えー!? 食べましたけど死にませんでしたよ?」

「お前食ったの!?」


そうか死激茸というのか。名前がカエンタケよりも危険物っぽい。しかし残念だ、カイザーさんはこれ知ってたのか・・・。どんな反応するか見たかったのに。


「せめて焼いて寄越せ。それならまだ食える」

「焼く?」

「毒キノコ類は何故か焼けば毒性が落ちるんだ。多分毒耐性の低い魔物への考慮だだろうな。UPする適正値も減るから焼く手間も考えると結構時間かかるしやってる奴見たことないけど」


焼くという発想はなかった。面白そうなことを聞いた。


「『火球』」

「後にしろ!!」


焼こうとしたらしばかれた。

次回更新は明後日の予定です。

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