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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第4章 占拠戦
185/612

183・底まで行ってみた

「空洞だ・・・」


ささくれを折ったところ、の付け根の一部に穴が空いていた。右前足の指を突っ込みグリグリと穴を広げて覗くと、中は空洞だった。

急いで周囲の表面を『毒双斬』で破壊し穴を広げる。これだけの巨木だ、中がほぼ空洞なら入れるかもしれない。

バキバキと音を立てて表面を壊し僕が何とか入れる程度の大きさまで広げる。そこそこ大きな木片が落ちていったが、下に人は居ないだろうし大丈夫だろう。何かちょびっと経験値入ったけど気の所為だ。それよりもこの穴が気になってしょうがない。


「痛っ、では失礼し、痛っ」


大きさが不十分だった。尖った部分に体を突き刺しながら半ば無理矢理空洞の中に入る。中は当然真っ暗だが、所々幹に穴が空いているのか所々で光が漏れている。とはいえそれで見えるようになる程ではないのであまり意味ない。

とにかく手探りでゆっくり下りる。途中で『火球』を撃って光源としながら下りる方法を思いついてからスピードは上がったが、それでも1時間くらいかかった。因みに『火球』でこの巨木は全く燃えなかった。燃えてくれたら熱いけど光源には困らなかったのに・・・


底まで降りると空洞は横に伸びてどこかへと続いていた。


下りてから気付いたが、外から地上まで下りてから穴を開けて進んだ方が早かったわ。毎度のことだが何でもっと早く気付かなかったんだろうか。


「ま、まぁ途中に何かあったかもしれないしさ」


誰も居ないのに言い訳をする。

それから先程と同様に『火球』を前方に撃って光源としながら先へと進む。ここはもう地下のようで周りは土ばかりになっており、この道は根に沿って更に地下へと続いていた。てっきり地面の下を通って巨木エリアを脱出するのかと思っていたのだがどうやら違うらしい。

いやまだ分からないな。これから上りになるかもしれなーー


「あ、こりゃ違うわ・・・」


目の前にある穴を見てそう確信する。

道は行き止まりになっており、先に進むには穴から落ちるしかないようだが、穴の底は結構深く、底には地下水脈なのか水が流れているのが見える。明らかにエリアが巨木エリアとは違うエリアに来ているのは間違いないので戻ることは無いだろう。

だからといって「じゃあ引き返す?」と言われればNOだ。当然行くに決まってる。下は広く周りに危ない物も無さそうなのでHPを確認して飛び降りた。


必死に羽をバタつかせて気持ち減速しつつ着地、下が岩盤なのかものすごく硬く着地時に結構なダメージを受けた。が、周りの景色を見てどうでも良くなる。


「おおー・・・」


クリスタルの宝庫とでもいえばいいのか360度天井や地面、壁関係なしに至るところから大きな水晶が突き出しており、キラキラと光って周囲を照らしている。何故水晶が光ってるのか謎だが夜目に慣れた今の目ではチカチカして辛い。


「しかしココアが喜びそうな場所だよな・・・。今度教えてあげるか」


あんな穴から来れる場所、他のプレイヤーはそうそう来ないだろうからのんびりできるだろう。

・・・これさえなければね。


ごごごごごっ・・・


エリア全体が揺れ僕はため息が出る。やはりボスエリアだったか・・・

周囲の中で一際大きな水晶が1人でに割れ、中から女性が現れる。どうやら彼女がここのボスらしい。

おかしいと思った。ここには先への道がない行き止まりで、無駄に広い。その上何も無いのだ、そんなのボス戦用ですといっているようなものだもんな。


さて、ここはどのような相手なのだろうか。


名前:天照

職種:美神人

レベル:40

ランク:B


また神人。夜叉とは違うタイプだな。


相手は薄い水色掛かった白い髪で、服装も白一色。右手には先端に青い宝石がついた長杖を持っているところから恐らく魔法使いだろう。下から上昇気流でも吹いてるかのように髪や服を靡かせながら地面より数十センチ上を浮いており、滑るようにこちらへと向かってくる。


・・・もうデフォルトで浮いている時点で人じゃないだろと言いたい。

さてどう攻めよう・・・

次回更新は明後日の予定です。

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