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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第4章 占拠戦
184/612

182・巨木エリアに入ってみた

3/18

カエンダケ→カエンタケに変更しました

迷いました。

入った瞬間迷いました。


何か仕掛けが作動したのか、足を踏み入れた瞬間視界全体が巨木エリア一色となった。さっきまで後ろは普通の木々エリアだったのに、今は巨木エリアしか見えない。バグかと思ったがレーダーは方角が分からない状態で機能しているから仕様だろう。


これはあれか? 無限ループの結界内に放り込まれたか? それとも別次元に転移したか・・・。前者の方があり得そうだがどちらにせよ簡単には出れ無さそうだ。

一応オアシスには転移で戻れるので焦りはないが、最初ちょっと混乱してしまった。


「とりあえず真っすぐ進むか・・・」


ゲームなので、「迷ったらそこを動くな」なんてことはしない。一番やってはいけない「適当に進む」を選択し、巨木エリアを散歩感覚で進む。


「お、また発見! ・・・これも味無し、ダメージ無し」


巨木エリアは生えているキノコや花がさっきまでと違う。数は少ないし効果も知らないが、見つけ次第口の中に放り込んでおく。味は・・・美味しいのはないな。不味くもないけど。


そんな中、角のような真っ赤な突起物を発見。暗い巨木エリアの中で薄っすらと発光しているので、小さかったがすぐに気付いた。しかしこればかりはすぐに手を出すのをやめた。


形が現実の毒キノコ界でもかなり上位に位置するカエンタケにそっくりだったからだ。毒キノコには全く詳しくないが、昔テレビの特集で見た時に、見た目と名前と毒の強さからこれだけはずっと覚えていた。


「いけ・・・るか?」


一応毒耐性は高い方で、瞬殺キノコを食べてもHPが減るだけで死なない。なのでこれも大丈夫だと思うが、現実の毒性を知る限り瞬殺キノコよりも毒が強い気がする。


まぁ死んだらまたここまで来ればいいだけか。巨木エリアまでの道は分かるから問題ない。経験値が多少減るだけだ。


「では失礼して」


触って無駄なダメージを負うのを避けるため、生えているのをそのまま食べる。咥えた瞬間根元からポキッと折れてカエンタケ(仮名)が口の中を転がった。


「辛っ!! いや痛ぁあ!!」


一瞬辛いと感じた直後、舌の上を火傷したかのような激痛が襲う。ダメージを負っているかどうかすら確認できず、その場でゴロゴロと転がって痛みを我慢する。しかし転がったことで、カエンタケ(仮名)も口の中で転がる。

口内被害が拡大した。


「ぐっ・・・お、おお・・・」


転がるのをやめて蹲りながら我慢することに変更。カエンタケ(仮名)をさっさと飲み込み痛みが治まるのを待つ。

しかしこれは悪手だった。飲み込んだせいで体の中も同じように痛み出した。


「痛でででで!」


何故吐き出さなかったのかと後悔しながら、我慢すること数分。死んだ方が楽だと思いながら我慢しているとようやく痛みが治まってきた。


「ふぅ・・・はぁはぁ」


痛みが治まったので、その場で転がり息を整える。その状態でHPのダメージを確認したが激痛に対してはダメージが少なく7割程度減っただけだった。

しかし僕レベルの耐性でこれだけ減るとなると、普通なら即死レベルということか。まぁあの激痛を考えると死んだ方が楽だが・・・。

落下死のダメージより痛い上、継続するとか・・・これがカエンタケ(仮名)の威力か恐ろしい。今度なまけものに薦めてみよう。


落ち着いたところで、いざって時のために持って来ていたヒーリスの実を齧りつつ移動を再開。まだ食べると口の中が痛いので、残りのキノコはスルーだ。

くそぅ・・・安易にカエンタケ(仮名)を食べるんじゃなかった。これで適正(適性)値何も上がってなかったら最悪だ。痛いだけだけで何の得もない。

あ、でも今回ので上がる適正(適性)値って毒だよな? 次の進化で属性変えようかと考えてたから、毒の適正(適性)値上げる意味ないじゃん! 


「はぁ・・・ミスった・・・」


何故食べる前に気付かなかったんだと自分を責める。

上げて困ることは無いのだが、あの激痛を我慢してまで上げるものではなかった。やはり何でもかんでも後先考えずに行動するのはやめた方がよさそうだ。


この巨木エリアも然り。

全然出れないし。


恐らく・・・というか当たり前だが、このエリアを迷宮化している原因を何とかしないと出れないのだろう。多分だが冒険者の話がヒントになってたりするのだろうな。これノーヒントでクリアするにはどうしていいのか分からん。

あと今どの辺かも分からん。


何も分からないので、とりあえず周辺の大きな木なかでもさらに大きな木に登ることにした。「場所が分からないのなら上から見渡せばいいじゃない」だ。

幸いベビードラゴンでも見た目と性能は蜥蜴に全振りなので木登りは問題なかった。サクサクとてっぺん付近まで登る。てっぺん付近で周囲の木よりも高い位置に来たため、巨木エリア全体が見渡せた。上は結界の範囲外なのだろう、向こうに普通の木々エリアが見える。

ぐるっと周囲を見渡す限り現在地は巨木エリアの中心あたりのようだ。ふらふら歩いているうちに中心まで来たらしい。


ただ位置が分かったところでなぁ・・・

地上に降りた瞬間、巨木エリアの境は分からなくなるし・・・。かと言って木の上を歩いて行くことはできないし・・・。

飛べたら楽なんだけどなぁ。早く進化したい。

しかし今出てる進化先は嫌だし・・・


「うーん・・・。やっぱり仕掛け解いて抜けるしかないかぁ・・・」


「どうしたらいいんだよ・・・」とぶつぶつ言いながら下り始める。

多少苛立っていた為か足元確認を疎かになっており、途中まで降りたところで右足を大きいささくれに突き刺さった。


「痛ってぇ!」


急いで降りていたのが良くなかった。チクッとではなくブスッという擬音が聞こえるほど深く刺さってしまった。痛さで思わず落ちそうになったが、先程のカエンタケ(仮)に比べたら我慢できる。というか落ちたら死ぬので何とか我慢した。


「何だよもー!!」


苛々してる時に限って、余計に苛々することが起きる。刺さった右足をささくれから引き抜き、そのままささくれを蹴り折る。


「ん?」


単純に苛立ちをぶつけただけだったが、折れた部分からあるものが見えた。

次回更新は明後日の予定です

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