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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第4章 占拠戦
182/612

180・ナイトゴーストと戦ってみた

休みの話をしていた時になまけものがようやく追いついた。落ちた時のダメージを回復中に今日の予定を伝えておく。

ついでになまけものも明日休みか聞いてみた。もしかしたらなまけものも休みという奇跡が起こるかもしれない。


「明日? いや普通に出るけど?」

「だよな」


「なんでそんなこと聞くんだ?」と疑問を投げかけてくるなまけものに訳を話す。


「は? お前ら明日休み!?」

「うん」

「ええ」

「そだよ~」

「クソがっ!」


何で「クソ」なんだよ!? いいだろ自分の有給なんだからさ。ノリで言ってるのは分かってるのでいちいち言わないけど。


「まぁいいや。それでこの道ってどこ繋がってるんだ?」

「分からない。ただ上ってるというより下ってるから、4層には戻らないと思う」


それほど傾斜はないが、道は途中から下り道になっている。4層に戻るには上らないといけないので、現状この道は4層に続いていないだろう。

なまけものも僕の予想に頷き、


「俺もそう思う。隠しエリアへの道・・・にしては入り口が分かりやすいから違うだろうし、単純に下層へのショートカットかもな」

「あ、なるほどね」


RPGではよくあるショートカット。

普通ならラッキー程度だろうが、僕の認識ではRPGのショートカット=危険地帯なので、実はあまり通りたくない。あからさまに強そうなのが道を塞いでいたり、そこだけ敵の強さが違ったりするイメージが強いのだ。

このゲームでもそうなら、墓地エリアの推奨レベルよりちょっと上の僕らではエンカウントしたら負けるかもしれない。

だからと言って今更引き返す気にはならないが。


「大丈夫だろ。その場合もう出てるだろうしな」

「それもそうか」

「残念だけど出てきたわよ」


2人してハハハと笑ってると、ユウさんが前を指さした。

そこにはズズズッ・・・と地面の石畳の隙間から何か黒い湯気のようなものが漏れ出し、まるで壁のように道を塞いでいる。近づいてみると、その壁が濃くなり、その壁を抜けてくるように黒い塊が出てきた。

それは、上半分を人の形に変え、両手部分がそれぞれ盾と剣になっている。足は無いので、見た感じは黒い兵士のゴーストっぽい。


それが4体。

完全にこちらを攻撃する気なので、慌てて戦闘態勢を取って相手の出方を伺う。見た目はそれほど強くなさそうだが、ショートカットのことを考えるとかなり強いのかも。


「ああ、こいつらか」


しかしそんな僕に対し、なまけものはのんびりしていた。口ぶりからどうやら知ってる敵らしい。


「あれ何?」

「ナイトゴースト。6層以降の敵な。ゴースト系で、対策しないと物理効かねぇ」


一応名前から兵士の霊なんだろうけど、見た目はもはや魔物だ。髑髏騎士といいこのエリアは人間と戦わないので、敵は人間のみというゲームのシステムから外れているように見える。

まぁ、元人間だからセーフってことなんだろうけど。


しかし物理は効かないのか。 

それ、僕とユウさんは何もできないということになるんだけど・・・。


「対策ってどうやるの?」

「6層入口にある噴水の水を飲む。それで一時的に浄化属性付くから、そうすれば殴れるぞ」


あ、じゃあ無理だ。

ここはおとなしく下がってなまけものとココアに任せよう。なまけものが焦っていないところを見る限り、そんなにてこずる相手でもなさそうだからな。


「まぁすぐ終わるな。魔法や対策無いと何もできないが、ある場合はただの雑魚だから。ココアの魔法でも一撃じゃないか?」

「あ、ほんとだー!」


ココアが速攻攻撃して1体を消し飛ばした。なまけものの言う通りステータスはすごく弱いようだ。残りも2人であっさりと倒してしまう。

楽勝で良かったと思った矢先、直ぐ次のナイトゴーストが4体現れた。それを見てなまけものが嫌そうな顔をする。


「ここもか・・・。相変わらず面倒だな。ポンタ、周りに黒い要石あるからちょっと壊してきてくれ」

「了解」


恐らく、その要石とやらを破壊しないとナイトゴーストが無限湧きするパターンなのだろう。要石自体どんなもので、どういう形か分からないけど黒いらしいから直ぐ見つかる筈だろう。


「石・・・石・・・」

「石ねぇ・・・」


ぶつぶつ言いながら2人で石を探し始める。ナイトゴーストの攻撃を躱しつつ、湯気の発生地点を中心に周辺を探す。

すぐ見つかるだろうと思っていたが、そこそこ暗いこの場所で黒い石を探すのは思ったよりも大変で、なかなか見つからない。


「おい、まだか!?」

「まだ」

「どこにもないわ」


ナイトゴーストを倒し続けるなまけものが痺れを切らし始めている。しかし見つからないものは見つからんのだよ。

あ、いやまじめにやってるんだけど、本当に見つからない。もしかして想像以上に小さいのかな?


「あれじゃない? あの天井の」

「天井? あ、あれか!」


ココアに言われ、天井を見る。すると天井の一部に黒い角のような突起が見えており、黒いオーラを纏っていた。一目見てそれがなまけものの言っているものだと分かり、すぐさま『スケイルショット』で破壊。一撃で壊れるらしく、HPバーも出ずに要石は壊れた。


同時に新たに湧き出していたナイトゴーストと地面から出ていた黒い湯気も霧散して消えた。それを見たなまけものが攻撃を止めて一息つく。僕らも一緒に一息ついた。


「思った以上に魔力使っちまった。・・・なぁ?」

「こっち見んな。ちゃんと探してただろ」

「上にあるなんて思わないじゃない」


それは僕も思う。

石だから地面にあるって認識が強くて上にまで意識が回らなかった。ココアは攻撃しながらでよく気付いたな。


「それはそうだな。俺も上にあるパターンは初めてだ。ココア、よく見つけたな」

「ふふん。どーよっ?」

「攻撃サボらずに見つけてくれてたら完ぺきだったな」


どうやらココアは無限に湧き出すナイトゴーストに飽きて、戦闘をサボっていたようだ。

まぁ見つけてくれたんだしOKとしておこう。


次回更新は明後日の予定です

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