表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第4章 占拠戦
181/612

179・3人で先に進んでみた

「あれ~・・・どこ此処ー? なまけはー?」

「やっと起きた」


なまけものが天井に激突した衝撃で、ようやくココアが目を覚ます。状況が分からないのかキョロキョロし近くに居た僕に乗る。


なまけものは天井に埋まったのか落ちてこないので、その間に寝てる間のことを伝えた。あ、ユウさんがなまけものをフルスイングした理由は知らないからな。


「理由? なまけが私を押して落としたからよ」


どうやらユウさんが落ちた理由は、僕の足払いを避けたなまけものがユウさんにぶつかったかららしい。

理由は分かったけど、それだけであそこまでするのはちょっとやりすぎじゃ・・・


もしかして最初に墓地エリア来た時のアレを根に持っているのだろうか? そうだとしたら、今後はより一層ユウさんの機嫌を損ねないようにしないといけないな。

ならこの話は終わりにしておこう。下手に聞くとなまけものが再度打ち上げられそうだし、こっちにもとばっちりが来るかもしれない。


「そ、そうなんだ。で、さっき言ってた道ってどっち?」

「あっちよ。ただ問題は2つあるのよね。どっちも先が見えないからどこ繋がってるか分からないし」


ユウさんが指さす方向に2つの道がある。1つは左に、もう1つは右へと緩やかなカーブになっており先が見えない。右行きの方が若干先が明るいが・・・


「んー・・・、なんかあっちの方が面白そう!」

「何を根拠に・・・」

「勘!」

「「・・・・・」」


右に行こうかなと体を向けた時、ココアが左行きの方へ行きたいと僕の頭をつついてくる。


「どうする?」

「どっちでもいいわ。先が分からないのはどっちも一緒だし」


ユウさんはどっちでもいいらしい。僕もどっちでもいいのでココアの行きたい方向に進むことにした。

通路は暗いが全く見えないわけでもない。通路の隅は暗くてよく見えないが、何で発光しているのかよく分からない石が天井に埋め込まれているので普通に歩く分には何ともなかった。


ただ・・・


「なんか出そう・・・」

「肝試ししてるみたいだよねー」

「やめてよもー・・・」


墓地エリアということもあり、暗い雰囲気は霊的なものを連想させる。そのせいでオカルトNGのユウさんのテンションが低い。

ユウさんには悪いが何か出てきたら面白いなぁと思いつつ進むが、出てくるなと念じてるであろうユウさんの方が強かったのか、結構歩いたが何も出てこない。


そんな時、ココアが口を開いた。


「ところでどうでもいいんだけど・・・」

「何?」

「なまけ放っといていいの?」

「いいの」


ココアが心配そうな顔をする。

最初は放っておいてもすぐ追いつくだろうと思っていたのだが、なかなか追いついてこない。先へ進む時にチャットでなまけものにはどっちに言った(行った)かまで伝えてある。その上、なまけが走れば追いつけるスピードで歩いているので、追いつけないということはない筈。


追いつけないということは、もしかしてまだ天井に埋まっているのか?

死んだ情報は来ていないのでやられたということは無いけど・・・


「ちょっと確認するか・・・ん?」


なまけもの :やっと抜けた。今からそっち行く


チャットを打とうとすると丁度なまけものから飛んできた。

「了解」とだけ返しておく。変に返すと会話になってなまけものの来る時間が遅くなりそうだし。


しかし、今抜けたのか・・・

思ったよりもなまけものに迷惑をかけたな。なまけものがユウさんにぶつかった所為とはいえ、その原因を作ったことを反省する。

次やるときは、ユウさんが離れているときにしよう。


「じゃあ、なまけものが来るまで休憩しようか」

「そうね」


どのみち今から10層まで下りるのは無理そうだからな。チャットのついでに現実時間を見ると5時を回っていた。6時にはやめて夕飯の準備などをしないと、明日がしんどい。


まぁ明日休みにしてるんだけどね。

でも他のみんなは違うだろうし、あまり長くプレイしない方がいいのは確かだ。なのでなまけものと合流後、この道を抜けて何処に出るか確認したら今日は終わりだろう。

そのことを2人に伝える。


「ふふん、実は私も休みなのだー」

「あ、私も」

「え? そうなの?」


偶然にも2人とも有給を取っていた。いや偶然か? どちらか1人なら分かるが・・・。

疑問に思っていると、ユウさんが理由を教えてくれた。


「お義姉さんと3人で新しく出きたショッピングモールに行こうと思ってね。ほら休日だと混むから」

「ああ、それで」


柳先輩の奥さんも来るのか。

あ、そういえば先輩も明日休みにしてたな。絶対付いてく気だろうから、ユウさんに伝えておこう。


「えー・・・それほんと? 絶対来るじゃない」


分かってたけど、言ったとたん露骨に嫌な顔をした。まぁ気持ちは察するけど、頑張れとしか言いようがない。


「ポンタは何するの?」

「特に決めてない。有給取れって言われたから取っただけだし」


労働組合が頑張っているのか、年間に一定数の有給を取らないといけないらしく、この前上司から言われたらとりあえず3連休にしようと取っただけだ。

なので用事なんて特にない。家で転がる位かな。


「じゃあショッピングモールへ一緒に来ない?」

「いや、やめとくよ」

「・・・そう」


申し訳ないが仕事モードでない柳先輩は面倒この上ないので関わりたくない。

がっくりと肩を落とすユウさんに「ごめん」とだけ言っておいた。


次回更新は明後日の予定です

(すみません。お遅れるかもしれません)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ