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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第4章 占拠戦
179/612

177・ココアを探してみた

居ねぇ・・・

何処にも居ねえ・・・


確実に居たと覚えている場所まで戻ってきたが、ココアは居ない。まだ死んだとの情報は来てないので見落としたかな?

チャットで連絡してもやはり寝てるのだろう。一向に返事が返ってこない。


「5層への階段のところまで戻りましょ。歩きながらだと見つけられるかも」

「分かった」


ということでUターン。

道の中央を歩き僕は右側、ユウさんが左側を注視しながら進む。なまけものは・・・まだ追いついてこない。

相変わらず歩くの遅いな・・・。

しかしココアが見つからない。個々の土色の風景にココアのような明るい水色は目立つと思うんだが・・・

と、そこへユウさんが僕を呼んだ。


「ポンタ! ちょっと来て」

「どうしたの?」

「あれ・・・」


ユウさんは地面が陥没してできた穴の側に立っていて中を覗いていた。3層からこのような穴がちょこちょこ存在し、この地下墓地の崩れかけを演出している。

深さは、ユウさんの膝まで突っ込む程度の深さから、どうやって上がったらいいのか分からない程の深さまでまちまちだ。

そしてユウさんが覗いているあの陥没した穴かなり深い。落ちると大ダメージを受ける為近寄らないようにしていた穴だ。まさかとは思うが・・・、嫌な予感しかしないので見たくないなぁと思いつつ近寄って覗く。


穴の深い底に水色の何かが見えた。残念だがココアと同じ色にしか見えない。


「落ちてる・・・」

「どうする? 結構深いわよ」

「うーん・・・」


ココアが落ちて生きてるってことは、落ちても即死にはならない高さだろう。なので下りるのは問題ない。問題は戻ってこれるかどうかだ。この穴から見える範囲に上れそうな場所は無い、それどころか壁すら見えないので、通路があるのかも分からない。


落ちたら一度オアシスに戻らないといけないパターンだと辛い。

又、あいつらと戦わないといけないのが辛い。


「ここからココアを起こすか? いや、起きないか・・・」


落ちた拍子ですら起きないのだ。この高さから声を掛けた所で起きないだろう。もしかしたら落ちた拍子に気を失った可能性は・・・

無いな。

このゲームにダメージで気を失いようなことはない。山頂から飛び降りて死んでも我慢できる痛み程度だったし。

仕方ない。下りるしかないか・・・

と、丁度そこへなまけものが追いついた。

ずっと走っていたためか息が切れている。少し息を整えてから、


「はぁはぁ・・追いついた・・・」

「「なまけ遅い」」

「仕方ねーだろ!! で、ココアは見つかったのか?」

「うん。ほらあそこ」


ユウさんが穴の底を見ろと指さす。なまけものは指先を見て怪訝な顔をし、穴を見て嫌な顔をし、落ちてるココアを見て顔を覆った。


「なんで落ちてるんだよ・・・」

「さあ?」


たまにあるよね。物落としたら、「そこに落ちる!?」って言いたくなる場所に落ちることが。今回はそのパターンだろう。取りに行ける場所なのでまだましな方だ。


「いやいや。俺らこの穴近く通ってないだろ! ココアの形状的にも落ちて転がるなんてあり得ないし!」


そう言われるとそうだな。落ちてるココアはいつもの鳥の形状をしているので、仮になまけから落ちたところで転がることはない。

そしてこの穴は危険だから近付かないようにしていた。


・・・となると、


「誰かがあそこから落としたか?」

「かもな。恐らく面白半分で落としたんだろ」

「・・・で、そのままと。まぁそんなことする人が、戻す訳ないわよね」

「そりゃ・・・なぁ」


まぁ倒されなかっただけましと考えよう。

それよりも回収が先だ。


「そんなの呼んで起こせば・・・すまん何でもない」

「やっぱり下りるしかないわね」

「誰が?」

「「・・・・・」」


・・・何故二人してこっちを見る。


「ポンタ、飛ぶの好きでしょ?」

「羽あるしな」

「この羽・・・ほぼ飾りで飛べないんだけど?」

「減速するくらいできるだろ?」


・・・・・

要は少しでも落下速度を減速できるからダメージも少なくできる僕に行けということか。


「で? 行った後はどうするんだ?」

「ココア起こして飛んで上がってきたらいいじゃないか?」

「いけるか? 持ち上がらないと思うけど・・・」


確かにココアは上がってこれるだろうが・・・、僕を持って上がれるのかな? 滞空くらいは出来そうだが持って上げれるかどうかはやったことがない。下手したら途中で落とされるかも・・・


「その時はその時考えればいいだろ」

「お前なぁ・・・」


適当ななまけものの返答に、ちょっとイラッときた。


次回更新は明後日の予定です

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