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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第4章 占拠戦
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170・冒険者から逃げてみた

「のぁああ!?」

「「ポンタ!?」」


先手必勝と戦闘開始直後に『縮地』にて距離を詰める。しかし相手は『縮地』で体当たりした僕をカウンターで殴り飛ばした。

一気に7割程HPが消し飛び、砂を体中に塗しながら転がる。止まったところですぐさまココアが回復してくれた。


「大丈夫か!?」

「大丈夫!」

「今の動き・・・相手はかなりヤバそうね」


ただの雑魚かと思ってマーキングを怠った。

相手はまだ攻めて来ない。こちらの出方を伺ってるかのようにジリジリと距離を詰めて来る。

その間にマーキング。


名前:断頭のアルカトラ

職種:処刑人

レベル:50

ランク:A


名前:竜紋のアルマ

職種:仙人

レベル:50

ランク:A


名前:呪われ人のノノ

職種:占い師

レベル:50

ランク:A


名前:鬼の子スーラ

職種:怪児

レベル:50

ランク:A


「ははははは・・・無理・・・」


マーキング結果に思わず笑う。

なまけものは諦め顔、ユウさんは呆然とし、ココアは素直に驚いている。


まさかの全員二つ名持ちでレベルも僕らより上だ。というかレベル50なんてイベントを除いて見たことない。その上ランクもA。

この前はレベル45、ランクBの夜叉1人に苦戦した僕らだ。その夜叉より高ランクで高レベル、かつ4人なんて勝てる1つもない。

因みに相手のぱっと見のイメージは【断頭】は包丁女、【竜紋】は筋肉、【呪われ人】が魔女で【鬼の子】は何処にでもいそうな普通の子供だ。

明らかに【鬼の子】だけ場違い感が凄い。


「逃げるか?」

「そうね」

「異議無し」

「撤収ー」


僕らはすぐさまその場で回れ右をする。

目の前は海だがこの際仕方ない、取り敢えず戦闘エリアから抜け出せる場所まで泳ごう。ユウさんが問題だが、そこはココアと一緒に引っ張ればなんとかなるだろう。


「な!?」


と思ったが、振り向いた先にはいつのまにか【竜紋】の二つ名のアルマが立っていた。筋骨隆々の全身に白いブリーフだけのほぼ全裸で、竜のタトゥーを胸から腹の下辺りまで入れており、武器は持っていない。

しかし先程僕を殴り飛ばした時の威力で分かる。まともに攻撃されたら瞬殺されるだろう。


そのアルマは逃がさないと言わんばかりに僕らの行手を挟む。


『逃げられると思っているのか?』

「回り込まれた! 右は!?」

「駄目。【呪われ人】がいる」

「左は包丁持ってる人が居るよー!」

「囲まれたか・・・」


アルマと同時に移動したのか、元の位置に残った【鬼の子】を含め気付くと四方を囲まれていた。完全に包囲されており逃げられる気はしない。


『早く首を! 私に首を刎ねさせてぇぇえええ!!』

『・・・煩いですねぇ、この殺人鬼は』

『僕のオモチャはどれにしよっかなー』

『・・・お前らジャンケンだぞ、勝ったもん順だ』


そして僕らを囲んでジャンケンが始まる。

完全に獲物扱いだ。僕らの目の前で無防備にジャンケンしだすとか完全に舐められている。


が、此処で腹が立って戦おうとはしない。勝てるわけがないからだ。


「チッ! こうなったら一点突破するしかねぇ! 幸い1番弱そうな子供が洞窟側だ。突破して洞窟内に逃げるぞ」

「私が『雷斬』で先制、タゲ取って後ろに回るから、みんなはあの子の後ろから攻撃して! 怯んだらすぐさま逃げるわよ」

「よし! 分かった」

「はいはーい」


ココアだけ緊張感が全く無いな・・・、まぁここまで勝てる気がしないとそうなるか・・・

おっと、その前に逃げることを考えよう。


「行くわよ、『雷斬』」


ユウさんが消え、瞬時に【鬼の子】の後ろを取る。

【鬼の子】が後ろをちらっと見たタイミングで僕らも仕掛けた。


「『スケイルショット』」

「『ダーク・ランス』」

「『アクアエッジ』」


それぞれの攻撃が【鬼の子】へと向かう。しかしバリアでも張っていたのか全て届かず弾かれてしまった。


『僕に魔法は効かないよー』


マジか!?

と思いつつも、油断?している間に僕となまけものは『縮地』にて【鬼の子】の脇を抜ける。ココアはなまけものが掴んでおり3人とも包囲から脱出できた。


筈だった。


「ぐぅっ!?」


突如腹に激痛が入り、『縮地』の終わりと同時にその場で蹲る。よく分からないが通過時に何かされたか?


「・・・いってぇ・・・」

「え? なまけどしたの?」


声に気付き痛みを我慢しながらも横を見ると、なまけものが同じように蹲っている。どうやら僕と同じく何かされたな。ココアは無事なのでスキルを使ったのがダメだったのか?


それなら『雷斬』を使ったユウさんは大丈・・・いや待て、ユウさんは何処だ?

近くを見回してもユウさんが居ない。『縮地』を使う前には【鬼の子】の後ろに居た筈なのに。


とそんな僕らに影が落ちる。見上げると残りの3人がいつの間にか僕らを取り囲んでいた。


『あっけないですねぇ・・・』

『次! 次の!!』

『今一匹刎ねただろ。こいつらは俺らのだ』

『ちょっと待ってよ! こいつら僕を狙ったんだから全部僕のオモチャだよ』


刎ねた?

その言葉を聞いて【断頭】を見ると同時に奥で消えるユウさんが目に入った。どうやらユウさんは一瞬の間にやられたらしい。


「逃げるのも無理だったか・・・」

「だな。今回は諦めようぜ」


なまけものと2人で諦めた直後、僕らのHPは無くなった。

次回更新は明後日の予定です

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