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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第4章 占拠戦
162/612

160・プライベートビーチに行ってみた

「そういやお前らどれくらいレベル上がった?」

「今42」

「43ね」

「あたしも43ー。なまけはまだ40?」

「ああ。まずい、結構差が出てきたな・・・」

「3でしょ? まだ大丈夫よ」


名前:ポンタ(竹)

種族:レッド・ベビードラゴン(5)

レベル:42

特殊スキル:猛毒牙+ 火球 毒鱗 毒双斬 スケイルショット 縮地


名前:ユウ(柳)

種族:フレイム・オーガキング(5)

レベル:43

特殊スキル:追い剥ぎ 付与・炎 剣技(雷斬 紋切 風切) 鼓舞+ 火舞台 破剣


名前:なまけもの(榊)

種族:ダーク・スカルデーモン(5)

レベル:40

特殊スキル:ファイアボール+ ブラックエッジ++ ダークランス+ サンダー+ エクスキューション 縮地


名前:ココア(柊)

種族:アクア・エレメント(5)

レベル:43

特殊スキル:ヒーリス++ アクアエッジ+ アクアウォール+ ヒールサークル+ フォルムチェンジ 眼光


一応現状のステータスはこんな感じ。

レベルはなまけものが少し低いが、ユウさんが言うように強さにそれほどの差はないだろう。レベル3だとステータスでは差がで始めるが、そもそもなまけものは魔法が強力なのでそこまで気にならない。

ただなまけもの本人は嫌らしく、「すぐ追いつくぞ」と意気込んでいた。


「それよか、何処向かってるんだ?」


なまけものは何かを探すわけでもなく何処かを目指してまっすぐ進む。そこらにプライベートビーチの占拠できるエリアがチラホラあるがガン無視だ。あそこなんて占拠すらされてないのに見向きもしない。


「あそこどう? 空いてるけど」

「ダメダメ! もっと良いとこあるの!」

「? もしかしてもう決めてるの?」

「うん!」


どうやら既に決めている場所があるそうだ。


「なまけものは知っていたのか?」

「知っていたというより一緒に探したんだよ・・・。OK出るまでどれだけ歩き回ったか・・・」

「なんというか・・・お疲れ」


時間の無い中のプレイなのに、更にココアに振り回されてたのか・・・


「ねぇ? 1つ聞きたいんだけど、プライベートビーチ占拠して何か意味あるの?」

「占拠してるとそのエリア内での経験値が1.2倍になる。あとプレイしてない時に奪おうとして来たプレイヤーや、近くを通った冒険者と戦って撃退するとその経験値も入る」


ああ、そういうタイプか・・・

プレイ外の経験値追加は嬉しい。特に僕ら社会人はできる時間が限られるからな。


「あと占拠した場所へは海エリア入口から転移出来る」

「・・・それ要る?」

「要る!!」

「あ、ココアはそっちのタイプだったな」


普段大声を出さないココアが「絶対必要!!」と憤る。そうか、ココアのように落ち着く場所でのんびりしたい人には必要な機能なのか。

そうだよな、いちいち移動するのだるいよな。


というか遠いな。一体どこまで行くんだ?

先導するなまけものの移動速度が遅いからかもしれないがもう結構な時間歩いてるぞ。


「あと半分・・・かな。あの岬は越えないといけないし」

「え! アレ!?」


なまけものが指差す先に小さな灯台がある岬が見えるが、かなり遠い。

確かに転移要るわこれ。


「だいたいそんなに遠くにする必要ある? 近場でいいんじゃないのか?」

「まぁ・・なぁ。俺もそれでいいんだが、近場だと狙われやすいから、奪われやすいしさ。それにーー」

「周りで戦闘されてたら落ち着かないよ!」

「だそうだ」


結局のところココアが嫌がったわけね。なら仕方ないか。

なまけものは岬を越えると、隠れて見えないところにある洞窟に入る。洞窟内は枝分かれしていたがココアが道を覚えているらしく、迷わず抜けた。


「よく迷わないわね」

「散々迷ったぞ。何度も入り直してようやく抜けるルートを見つけたんだ」


抜けた先は扇状の入り江になっており、左右は高い崖に囲まれている。飛び降りれば来れないことは無いが、高さ的に一部の飛べる魔物を除いて大ダメージは免れないから、飛び降りてまでくる魔物は少ないだろう。

海はエメラルドグリーンで透明度も高く綺麗で、波も穏やかだ。砂浜も白く現実なら確実に人気が出そうな場所だと思う。

そんな入り江の中央にポツンとプライベートビーチの占拠エリアがあった。


「へぇ・・・良い所ね」

「でしょー」


落ち着いた雰囲気にユウさんも気に入った様子。僕も異論はないので此処を占拠することに決まった。


「いいんだな?」


なまけものが念を押す。

1パーティが占拠出来る数は1箇所のみ。奪われれば別の場所を占拠できるようになるが、此処を占拠している限り他の場所は出来ないからだ。

僕もユウさんも他の場所は見ていないが、特にこだわりもなのでOKする。


「よし。じゃあ占拠す・・・ん?」

「うん? どうした?」


占拠するためエリアに入ろうとしたなまけものが何かを見て止まる。何事かと思って僕らもなまけものと同じものを見た。それはエリアの情報が書かれたウィンドウだったが・・・


[プライベートビーチ登録パーティ有]


と一番上に赤い太文字で大きく書かれていた。


「これ・・・占拠済み?」

「だな。前来た時は無かったんだが・・・」

「あたしの場所なのに!!」

「いやまだでしょ・・・。どうするの?」

「どうするって・・・占拠するなら戦うしかねぇだろ」

「そうよね」


憤慨するココアを宥めながらユウさんは情報ウィンドウをスクロールする。

占拠したのは3人パーティらしく名前と現在のオンライン状況が載っており、レベルや魔物の種族は不明。3人とも現在オフラインとなっているので、今なら彼らの普段の戦闘スタイルを模したAIと戦うことになる。


それは果たしてチャンスなのかそうでないのか・・・


「大抵の場合AIの方が行動が読みやすい分戦いやすいんだが・・・。スキルの使い方がAIの方が上手いんだよな」

「どうでもいいよ! あたしが倒すもん!!」

「あ!」


悩んでいるなまけものがよそ見をした間にココアがエリアへと突撃した。

次回更新は明後日の予定です

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