15・スケルトンの進化を始めてみた①
「じゃあ俺たち見てるから頑張れ」
「いいけど死なんよな?」
「相手のレベル低いし大丈夫だって、止めは『投骨』でだぞ!」
「分かってるよ」
丁度1人の冒険者が居たので、なまけもの1人で戦ってもらう。僕たちはしゃがんで待機。
あれから僕達の進化から推測して、スケルトン進化の条件を考えてみた。
僕とユウさんの進進化がアンロックされたのは以下が考えられた。
ポイズンサーペント→『毒牙』の使用回数か、使用による冒険者の討伐数。
ホブゴブリン→規定レベルまでアップ、もしくは草原適正値が必要値まで溜まった。
ゴブリンウォーリア→武器の使用による行動値が必要値まで溜まった。
それぞれをスケルトンで考えると・・・
骨投げスケルトン(仮)→ 『投骨』の使用回数か、使用による冒険者の討伐数。
「まぁ普通だよな」
「1番確実だと思う」
成長スケルトン(仮)→ 規定レベルまでアップ、もしくは何処かの適正(適性)値が必要値まで溜まった。
「レベルアップは分かるが、何処かの適正(適性)値ってどこ?」
「荒野とか? 洞窟もありかも」
「この辺りにねぇじゃん!」
スケルトンウォーリア(仮)→武器の使用によるーー
「武器持てん!!」
というかことで1番確実な骨投げスケルトン(仮)を目指すことになった。
複数人パーティなら僕たちも戦うけど、1人ならなまけもの1人にやらせた方が確実だ。
経験値は等分なので1人だけレベルが上がることもないしな。
「単純にお前らが楽してるだけじゃね?」
「気のせい、気のせい」
「気のせいだぞ」
腑に落ちない感じを出しながらも、戦闘を開始する。
1対1人でも、相手のレベルが低いため、なまけものが負けることはない。その証拠に苦戦する事なく冒険者を殴っている。
「殴られてもいるけどね」
「なまけものは避けないスタイルなの?」
「遅いから避けられないんじゃないかな?」
なまけものは殴られても気にせず殴っている。
いつも思うがHPは大丈夫なんだろうか?
「『投骨』」
ある程度殴ったところで冒険者がバランスを崩して倒れる。その隙を狙ってなまけものがスキルを発動させた。自身の左手をもぎ取り冒険者に向けて投げつける。
いつ見ても痛々しい。もぎ取る時のボキって音が嫌だな。
『がっ! ああ・・・』
頭部に骨が直撃した冒険者は倒れて消えていく。
完全に消え去ったところでなまけもののそばに移動した。
「進化出来そう?」
「全然。にしても『投骨』使えんわ。片腕外したらHP1/4持ってくとか酷すぎだろ。そのくせダメージ低いしさ」
「思ったのだけど・・・、『投骨』って攻撃スキルなの?」
「どう言う事?」
「さっき見てて思ったけど、スケルトンって攻撃避けれないほど遅いのよね」
「そうだな。逃げてもまだレベル1の冒険者に追いつかれそうなくらいのスピードしかないからな」
それ、戦闘から逃げられないじゃん・・・。ゲームとしてどうなの?
「防御力は? さっき結構殴られてたけどHPどれくらい減った?」
「ほぼノーダメ。今回は相手のレベルが低かったからだけどな。同レベルだとちょっと減るかな」
「ちょっとなんだ・・・」
こっちは食らったら1/3程減るんだけど・・・。
しかし聞く限り、能力は完全に盾役っぽいな。
「それがどうかしたのか?」
「『投骨』ってトカゲの尻尾なんじゃない? 牽制で投げて、そのうちに逃げる。体軽くなるし速くなるかもしれない」
「その発想は無かったが、逃げる為に投げまくったらHPめっちゃ減るぞ?」
「ダメージ殆ど無いんでしょ? なら格上でも多少なら耐えられるんじゃ無いかしら」
「・・・まぁそうだな。なぁ? 試した方がいい?」
「しといた方がいいんじゃないか? 折角だし」
周りには誰も居ないしな。
とりあえず検証してみよう。