158・隠しエリアを終えてみた
いつもお読みいただきありがとうございます。
誤字脱字報告いつも助かっております。
沢山の方に評価やブクマをして頂き励みなっております。
本章はこれにて終了になります。
簡単な登場人物紹介後に次章を始める予定です。
「しゃらぁ!! 今度こそ終わったぁ!!」
「煩いわね」
2人は夜叉を魔法で一方的に排除し勝利の雄叫びを挙げる。
カイザーさんは『ウィンディ』で自身の分身を作って『ツイン・サイクロン』をダブルで撃ち、夜叉の動きを止めつつHPを削り、その間になまけものが『ダークランス』で地面から夜叉を攻撃する。夜叉は一度も剣を振るう事もなく消えていった。
僕らの苦戦は一体・・・
一方的な展開を見てそう思わざるを得ない。というかマジでなまけもの待てばよかった。
「お、あの穴だな? じゃあちょっと行ってくるわ」
「あーはいはい。どうぞどうぞ」
「早く帰ってきなさいよ」
「別に待たなくても良いんじゃない?」
「それもそうですね」
女性陣のテンションも低い。
僕と同じであっさり倒したことに不満なのだろう。「待っててくれ」と言うなまけもの達への返答も投げやりだ。
「どうする? 今日はもうお開きにする?」
『縮地』で遊ぼうかとも思ったが、終わると何か急に疲れてきた。トラップを見つけるのに思った以上に集中しすぎたかもしれない。
「そうしよっかな。明日仕事だから」
「私もそうしようかしら」
「あたしはちょっと行きたいところあるからまだやるー」
「じゃあ一旦解散しよっか。僕は2人待つから」
流石に勝手に抜けるはなまけもの達に悪いしな。まぁ別にチャットでも良いんだけど・・・
何となくね。
「そう? じゃあお願いね」
「お疲れ様でした」
「バイバーイ」
「お疲れ様ー」
みんなはそう言って消えていった。広い祭壇に1人になる。
僕らと同じくらいかかると考えると・・・10分は掛かるな。
遊んで待つか
「『縮地』!・・・『縮地』!!・・・『縮地』ィ!!」
「何やってんだお前・・・?」
という事で、『縮地』を試すついでに高速移動の世界を堪能する。
やはりというか『縮地』は一度使うと次使えるようになるまで10秒掛かる。まぁこんなの連発できたらゲームバランス崩れるのは確実なので文句は言わない。というか10秒でも十分短い。
どちらかと言うと移動時の負荷の方が僕としては困る。移動直後にGがかかり、ダメージは無いが連続使用は結構疲れるのだ。
ユウさんが『雷斬』を何度も使用しないのも同様の理由なのだろう。嬉々としてスキルを取った僕に「ああー・・・」とやめといた方がいいのにと言わんばかりの声を出していた。
まぁ1、2回なら何とも無いし、性能を考えるとこれくらいのデメリットは当然なので僕として問題ない。それに悪いことばかりでは無い。
このスキル空中でも使えるのだ。あの時夜叉が使わなかったから無理だと思っていたがこれはすごく助かる。
今後空中移動を考慮すると、奇襲にも対応できるからね。
これでどんな相手でも、どの状況でも速攻接近戦に持っていけるようになった。
早く戦闘で試したみたい。
「ああ、ちょっとどんなのか試してたんだ」
「そうか? 遊んでるようにしか見えなかったぞ?」
「・・・い、いやいやそんな事はないぞ」
断じて違う。
だだ空中で使えるって事は連続使用で空中移動ができそうだと思って試してただけだ。
まぁ試した結果を言うと、真上に飛んでも10秒の間に落ちてくるので飛ぶのは無理だった。体が軽い魔物などの対空時間が長い魔物は出来るかもしれない。
「それよりなまけものとカイザーさんは何取ったの?」
「俺? 俺は『眼光』だ。魔力なくなった時用や牽制に使える。牽制は魔法でしてもいいんだが魔力減るからなぁ」
「俺は『縮地』。最初素早さのステにしようかと思ったけど、説明に高速移動って書いてたしさ。ポンタも同じの取ったみたいだな」
「うん。夜叉が使ってていいなって思ってたんだよ」
思ったよりも体への負担が大きかったけどね。
「ところでリコちゃんとユウは何処だ?」
「今日はもう止めましたよ」
「何・・・だと!? 俺に黙ってか!?」
「それは知らないですけど・・・連絡無いですか?」
ユウさんは絶対しないだろうが、リコさんもしてないのかな?
カイザーさんはチャットが来てないかを確認し・・・
「無・・・い・・・」
その場に崩れ落ちた。
面倒くさい人だなもう・・・
次回更新は明後日の予定です。




