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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第3章 強化期間
158/612

157・なまけもの達が追いついてみた

「は? 終わった?」

「うん」


社でクリア報酬を貰って祭壇まで戻ってくると、なまけものとカイザーさんが祭壇に入らず待っていた。

どうやらカイザーさんが「入るな」となまけものを止めていたらしい。


いつの間にか砕けた神像は直ってるし、一部が崩れていた祭壇もきれいに直っていて、クリア後に開いた壁の穴も消えている。

道理で帰り道が少し違うと思った。


「クリア報酬は何貰ったんだ?」

「スキル」

「マジか!?」


クリア報酬は選択式でステータス、スキル、適正(適性)値のどれかが貰えるようになっていて、それぞれの中からどれが欲しいかまで選べる。例えばステータスの攻撃力を上げたいとかそんな感じだ。現状のステータスに不満がある場合はこれを選んでおいたら大丈夫だろうが、どれだけ増えるかが説明に書かれていない。


ステータスは、攻撃、防御、素早さ、魔法攻撃、魔法防御、HP、魔力の6種のどれかが上がる。

スキルは、夜叉が持っていたスキル『覇剣』『神波動』『縮地』『眼光』『アタックブースト』『焼命』の中から一つ。こうしてみると使ってこなかったスキルが二つあったようだ。『アタックブースト』は単純に攻撃力強化の補助魔法で、『焼命』はスリップダメージと防御力半減の代わりに攻撃力と素早さを上げるスキルのようだ。


適正(適性)値に関しては、突然変異する為の権利が得られるとしか説明には書かれておらず、何がどうなるのか分からなかった。突然変異は面白そうだがどうなるかが分からないのでギャンブル性が高い。


僕は最初面白そうな適正(適性)値を選ぼうかと思ったが、スキルの中に『縮地』があったのでやめた。

『神波動』もいいなと一瞬思ったが、カイザーさんのような魔法使いとの遠距離戦に滅法弱い現状を考えると、一瞬で距離を詰められる。

相手の不意を突きやすいし、攻守両方で使いやすい。


まぁそれっぽい理由を述べたけど、本音は単純に瞬間移動並みの高速移動を使ってみたかっただけなんだけどね。

後で意味もなく高速移動して遊ぼう。


因みにユウさんとココアもそれぞれ『破剣』と『眼光』を貰っている。

ユウさんが『破剣』を取った理由は大体分かるが、何故ココアが『眼光』を取ったのか理解できない。

本人曰く「面白くなりそう」だからと言っているが、不敵な笑みを浮かべる彼女の事だ、絶対どうでもいい事のようなする。


そんなスキルを選択した僕らに対し、リコさんはまさかの適正(適性)値を選択した。こちらも「面白くなりそう」と言っているが、リコさんの性格から、何かヤバそうな気がする。

この人・・・のほほんとした天然な雰囲気あるのに、色々なことに気付くしスキルの応用も凄い。夜叉戦でも指揮したりフォローしたりと対応も出来る。

今日一緒に行動してて分かったが、絶対「面白くなりそう」で選ぶような人じゃないわこの人。


「で、ポンタよ。アレどうやってクリアした?」

「あ、それはですね」


カイザーさんとなまけものに試練のクリア方法を教える。

2人はすぐさま螺旋階段へと戻り、神像の手の数を覚え始めた。


「よし! [一]から[六]は覚えたぞ。そっちは?」

「あ、大丈夫っす」

「じゃあ行くぞ」


2人は僕の倍の量をあっさり覚え、祭壇へと上がっていった。僕が3個覚える時間で6個覚えているってことは2人も記憶するの得意なのか・・・


「ポンタの記憶力が低いだけじゃないの?」

「せめて苦手と言ってくれないか?」


苦手と言われれば認めるけど、記憶力が低いとは言われたくない。何かボケてると言われているみたいで嫌だからな。

一応7日前の晩ごはんまでは覚えてるぞ。


「1週間前なら私でも覚えてるわ」

「あたしもそれくらい余裕」

「自分が作ってるし、それくらい当然よね」


・・・・・

ダメだ。何言ってもダメそうな気がする。

話題を変えよう。


「っしゃあ! 終わった」

「これで俺もスキルゲットだぜ」


と思ったら、話している間に2人は一つ目の試練をクリアした。崩れる神像を見て2人は祭壇の中心で喜んでいる。

が、その中から出てきた夜叉を見てその顔が一気に変わる。明らかに嫌そうだった。

そしてすぐにこっちを見て叫んだ。


「「聞いてねぇぞ!!」」

「「「「イエーイ!」」」」


憤る2人に対し僕らは互いにハイタッチ。

戦闘のことはあえて言わなかった。ネタバレし過ぎるとゲームが面白く無くなるし、驚くと僕らも面白い。


あ、言っておくけど僕の案じゃないぞ。

言い出しっぺはリコさんだから怒るならそっちにしてくれ。


次回更新は明後日の予定です

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