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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第3章 強化期間
153/612

152・隠しエリアに挑戦してみた⑦

祭壇に着いた。

結局あの後はトラップも何もなく、壁の装飾が凄い大きい螺旋階段を登るだけだった。明らかにさっきまでの質素な壁とは違う、神聖な場所へと向かってますと言わんばかりの装飾に嫌な予感が浮かぶ。


「異様な雰囲気・・・そして無駄に広いフィールド・・・そしてあからさまな神像・・・」

「止めろ。連想させんな」


祭壇は決闘フィールド並みに広く、何やら狙われているような感覚。そして祀られている千手の神像からは異様なオーラが噴き出ている。RPGでよく感じるあの感覚に似ている。


こういう感じがした場合、大抵ボス戦なんだよな・・・

カイザーさんも同じことを考えてるようで、2人して祭壇へ上がらないようにみんなを止めた。


「このゲームってあるんでしたっけ?」

「聞いた事はない。が、無いとも言えない。エリアを彷徨ってる二つ名冒険者も似たようなもんだしな」

「確かに中ボスみたいなもんですけど・・・」


ボス戦はネット情報を集めているカイザーさんも聞いたことがないらしい。

雰囲気的にはボス戦なんだが・・・無いのかな? あのオーラ付き神像が動き出してバトル想像しか出来ないんだが・・・


「俺もそんな感じするけど・・・。しょうがねぇ、俺が先に行って様子見てくる。ポンタはその後来い」

「え?」


カイザーさんはため息を吐いた後、そんなことを言った。


「俺とリコちゃんがどうなるか見てくるからここで見とけ。何も無かったらそれまでだし、何かあったらそれ見て上手く対処しろよ」


要はカイザーさん達が実験台になってくれるそうだ。

どういう風の吹き回しか知らないが、ここは甘えておいこう。


「え? 私嫌だからあなただけで行ってね」

「え? そこは無言で一緒に来てくれるとこじゃ・・・」

「やーよ。ここまで来て死ぬの嫌」

「・・・・・」


プイッとリコさんに振られたカイザーさんは無言でこっちを見る。僕達もプイッと目を逸らす。


「ポンーー」

「カイザーさん。宜しくお願いしまーす」

「わぁーたよ! チクショー!」


ヤケクソ気味に声を上げてカイザーさんは1人で突っ込んで行った。

祭壇のエリアに入ったと同時にエリアに何やら紋様が浮かび上がり、神像が閉じていた目を開ける。千手の手の2つが光り、1つの手に[七]と浮かび上がる。もう1つの手には[10]の数字。手が光ったことに慌てたカイザーさんは魔法を使いながらそのまま突撃した。しかし・・・


キュイン!


「痛ぇ!」


カイザーさんは神像の目から放たれたレーザーで貫かれ、そのまま消える。

まさかの一撃死だった。

カイザーさんが完全に消えると、浮かび上がった紋様は消え、神像の目も閉じる。そして何事もなかったかのように静かになった。


「あらあら・・・、あっさり死んじゃったわね。あの像は動かなかったから、攻撃を回避して近付いていくパターンのボスかしら?」

「私は避けきれないかも。追尾してたし」

「なんか地面光ってたねー」


各々が見た感想互いに述べているが、僕はボス戦じゃない気がした。

ココアも言ってた通り、カイザーさんが突っ込んだとき足元の紋様の一部が赤く光った。恐らく何か間違って攻撃を受けたのだろう。ボス戦の可能性もあるが相手のHPバーが見えなかったし、攻撃と赤く光った紋様が連動していたように見えた。


「ふむ・・・」


神像が起動しないよう気をつけつつ祭壇の床を確認する。光ってないので見難いが、そこには神像が描かれていた。祭壇を中心から等間隔に12体。円グラフで分けられているかのように描かれている。


「どうかした?」

「!? ああ、えっと・・・。祭壇の床にも神像が描かれているのでちょっと見てました」


知らぬ間に後ろに立っていたリコさんにビビる。この人音もなく近づいてくるからな・・・。あと距離が近い。

まぁそれはそれとして、僕は全員に考えを伝える。


「恐らくこれはボス戦じゃなく試練で、床の神像画を順に踏むやつだと思う。神像の[七]の文字から察するに神像が指定した神像画を踏む必要があるのだと思う」

「それは私も思ったけど・・・もう1つの10は何かしら?」

「さぁそこまでは・・・。多分「10回クリアしろ」か、単純に指定から踏むまでの残り時間だと思いますが」

「後者っぽいわね。描かれている神像は12体でしょ? なら「12回クリアしろ」が普通だと思うし」

「かもしれない」


問題は[七]がどれに当てはまるかだ。もう一度描かれた神像画を見るとそれぞれの神像の手の数が違うのは分かったが、7本腕は描かれていない。そもそも手の数が16や、30、多いのでは数えることすら出来ない程の神像もあるので単純に腕の数ではないだろう。


どれが七なんだろうと考えていると、ココアが何かに気付いた。


「これアレじゃないかな?」

「アレ?」

「ここに来る途中の螺旋階段。壁にいっぱい描かれてたやつあったじゃない?」

「あったけど・・・それが?」


何か古代遺跡の壁画みたい・・・くらいしか印象ない。


「アレの天井付近にこれと似たような絵が描かれてたよ」

「え? マジで!?」


それは見落としていた。基本横しか見てなかったから気付かなかった。

もしかしてその階段の絵がこの試練を解く為の鍵なのか? 


てっきりボス戦前の雰囲気作り用かと・・・


「戻って見てみましょう」

「そうしよう」


僕らは慌てて来た道を引き返した。



次回更新は明後日の予定です

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